オーストラリアのナショナルで優勝した、双子コンボ内臓の殻デッキの解説です。記事のライターはその優勝者ではなく、デッキの製作者です。彼も同じデッキを用いて9位となりました。調整記的な部分は割愛してデッキ解説のとこだけ訳しました。
http://www.channelfireball.com/home/feature-article-australian-pod/
Feature Article – Australian Pod
Posted by Daniel Unwin
August 8, 2011
ここ数週、ナショナルで使うデッキを構築するためにがんばっていたけど、優勝はデッキをシェアした友人に持ってかれてしまったぜ!
-中略-
4《銅線の地溝/Copperline Gorge(SOM)》
2《森/Forest(NPH)》
1《ハリマーの深み/Halimar Depths(WWK)》
4《島/Island》
4《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
2《山/Mountain》
3《怒り狂う山峡/Raging Ravine(WWK)》
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn(ZEN)》
4《極楽鳥/Birds of Paradise(M11)》
4《詐欺師の総督/Deceiver Exarch(NPH)》
4《草茂る胸壁/Overgrown Battlement(ROE)》
2《霜のタイタン/Frost Titan(M11)》
2《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum(M12)》
2《呪文滑り/Spellskite(NPH)》
1《溶鉄の尾のマスティコア/Molten-Tail Masticore(SOM)》
1《酸のスライム/Acidic Slime(M12)》
1《幻影の像/Phantasmal Image(M12)》
1《探検家タクタク/Tuktuk the Explorer(ROE)》
1《隠れしウラブラスク/Urabrask the Hidden(NPH)》
3《出産の殻/Birthing Pod(NPH)》
3《思案/Ponder(M12)》
3《定業/Preordain(M11)》
4《欠片の双子/Splinter Twin(ROE)》
Sideboard
3《マナ漏出/Mana Leak(M11)》
2《自然の要求/Nature’s Claim(WWK)》
1《強情なベイロス/Obstinate Baloth(M11)》
1《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter(SOM)》
4《紅蓮地獄/Pyroclasm(M11)》
1《呪文滑り/Spellskite(NPH)》
1《シルヴォクの模造品/Sylvok Replica(SOM)》
1《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll(MBS)》
1《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine(SOM)》
プレイを重ねていくにつれて、どのカードを使えばやりたいことができるのかへの理解が深まっていった。状況に応じたカードを大量に使い、それらをデッキに上手くフィットさせなければならないのでこの手のデッキを組むのは非常に難しい。
24 土地
4 《極楽鳥/Birds of Paradise(M12)》
4 《草茂る胸壁/Overgrown Battlement(ROE)》
24枚の土地はこれでOKだと感じていた。赤マナ2つを揃えるためにはまず緑マナと青マナが序盤から必要だ。この点においては、生き残れば以後のマナトラブルから開放される《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZEN)》の方が胸壁よりも優秀だ。最終的には《怒り狂う山峡/Raging Ravine(WWK)》を1枚《ハリマーの深み/Halimar Depths(WWK)》に入れ替えた。Onlineでは山峡を随分と使ったのだが…《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum(M12)》と《思案/Ponder(M12)》のおかげで以前よりガス欠しなくなったので、山峡を起動する機会が減ったのだ。青マナソースを追加する必要性を感じてもいたので、《ハリマーの深み/Halimar Depths(WWK)》と入れ替えるのがちょうどよかった。明日このデッキを使うなら島を1枚抜いて《ハリマーの深み/Halimar Depths(WWK)》をもう1枚足すだろう。重要な仕事である色マナ供給とマナ加速を同時にこなせる鳥は素晴らしい存在だ。殻を使えば魅力的な2マナのラインナップに変えることもできる。
3《思案/Ponder(M12)》
3《定業/Preordain(M11)》
思案と定業は合わせて6枚以上入れたかったが、これ以上スロットを見つけられなかった。定業は思案の上位互換で、3枚ずつなのが愚策に思われるかもしれない。しかし大抵のゲームではどちらか特定の一方が欲しい場面がある。ライブラリのシャッフル手段を持っていて、ある特定のカードを探す様な状況なら思案の方が強い。それ以外の場面では定業を使いたい。総合的に見て試案を4枚にしたいのだが、とりあえず現状3枚ずつにしている。
4《詐欺師の総督/Deceiver Exarch(NPH)》
4《欠片の双子/Splinter Twin(ROE)》
大抵殻デッキはコンボパーツを8枚未満にしている。これはしばしばコンボではなく「殻プラン」でゲームを進めることがあり、コンボパーツの片方のみを引きすぎてしまうのは理想的ではないからだ。このデッキはコンボを守る要素が少ないので、コンボが揃ってもそれが勝ちに繋がらないゲームが多々ある。 私が気づいたのは、多くのマッチアップにおいて第1ゲームに勝つためには、なんとしてでもコンボを決めなくてはいけないということだ。こういう理由があるので、私はコンボパーツを最大限投入することにした。また、私は殻を回しているゲームに置いても双子はかなりの強カードだということに気づいた。双子を《酸のスライム/Acidic Slime(M12)》に貼ってコピーを作って《霜のタイタン/Frost Titan(M11)》に繋げる動きはクレイジーだ。殻がない場面でさえ、スライムや青タイタンに貼って相手を縛ることができる。
3《出産の殻/Birthing Pod(NPH)》
このカードはコントロール相手に最強なのでしばらく4枚積んでいた。大抵のゲームで1枚は引きたくて、長期戦ならば2枚目を引いてきてもOKなカードだ。3枚目はいつだって引きたくないし、このカードが無くても勝つのは難しくない。
2《呪文滑り/Spellskite(NPH)》
2《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum(M12)》
2 《霜のタイタン/Frost Titan(M11)》
こいつらは引いても嬉しい殻のサーチ先だ。呪文滑りがいかに優秀なカードかは皆もよく知っていると思うけど、それはこのデッキにおいても例外ではない。結構長い間1枚しか入れていなかったけど、1枚目が処理された後に後続が欲しくなる場面がしばしばあった。身代わりは殻したいカードNo.1で、実に高価値なカードだ。3ターン目の身代わりはアグロ相手でもコントロール相手でも強い。青タイタンは殻経由でゲームを終わらせるベストなカードだ。殻経由だとスライムを経て素早くでてくる。この動きで土地を阻害して、相手の対処を間に合わなくさせる、ということはよくある。霜ちゃんは素引きしてもOKな子で単体でゲームを支配することができる。
1《酸のスライム/Acidic Slime(M12)》
1《幻影の像/Phantasmal Image(M12)》
1《探検家タクタク/Tuktuk the Explorer(ROE)》
1《隠れしウラブラスク/Urabrask the Hidden(NPH)》
1《溶鉄の尾のマスティコア/Molten-Tail Masticore(SOM)》
こいつらは殻のサーチ先だ。《酸のスライム/Acidic Slime(M12)》は万能選手。身代わりから霜タイタンに繋げるためには5マナ域が必要なのだが、大抵こいつが持ってきたいカードだろう。どのデッキを相手にしても大抵素晴らしい仕事をするし、このデッキだと3ターン目に出すこともできる。3枚入れることも考えていたのだけれどスペースが見つけられなかった。選手権の前日の夜にうち2枚をはずすことにした。その内の1枚はウラブラスクの為にしぶしぶ開けたスペースだ。
《隠れしウラブラスク/Urabrask the Hidden(NPH)》は調整仲間のCanberraに提案されたカードだ。双子に対して強く、ビートダウン相手にも有用で、タイタンを加速させるとともに双子と詐欺師を1ターンの内にプレイすることが可能になる。
《探検家タクタク/Tuktuk the Explorer(ROE)》は元はアグロ相手のサイドボードで、コンボを抜いたスペースに入れるカードだった。このカードは見た目どおり殻の餌として素晴らしいカードだ。殻が無くても、アグロデッキはこのカードの対処に悩まされるだろう。メインデッキに1枚《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》をとっていたのだけど、タクタクはいつプレイしても有用なカードだったので置き換えた。
《幻影の像/Phantasmal Image(M12)》がデッキに加わったのは遅かった。しかしこのカードの強さを私たちが理解するのに時間はかからなかった。明らかに、殻プランのスピードとパワーを一段上げてくれた。通常は2マナ域→タクタク→身代わり→スライム→タイタンと繋げる。幻影の像はその後に鳥を青タイタンに変えてくれるのだ。通常ドローしてもいろいろと面白いことができたりもする。テスト中に、《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus(MBS)》になって相打ちとってライブラリに戻って…なんてこともあった。
《溶鉄の尾のマスティコア/Molten-Tail Masticore(SOM)》はこのデッキにジャストフィットするカードではない。コンボ達成を助けてはくれないし殻プランにおいて殻の餌にしたいカードでもない。しかしながら、こいつには絶対に1スロット割く価値がある。膠着した場で持ってきて致死ダメージを与えることができ、PWを処理できて、《審判の日/Day of Judgment(ZEN)》に耐性のある場を作れる。呪文滑りも除去できて、相手の双子コンボのけん制にもなる。コントロール相手だと、相手がタップアウトしないと対処できないやっかいな場を作る完璧な手段となる。 端的に言うと、他のカードでは対処できないことへの回答なのだ。言うまでも無いことだが、こちらの墓地は常にクリーチャーで一杯だ。
マッチアップについて.
鋼:
1ゲーム目がきつい相手だ。殻の連鎖を構築する時間がないゲームばかりだし、こちらのコンボを妨害する《急送/Dispatch(NPH)》への対処手段に乏しい。ときに相手がまごついて、霜ちゃんや、双子のついたスライムで勝てることもある。また、4ターン目のコン
ボに対して急送できないこともある。だが大抵の場合相手にゲームを取られてしまうだろう。
-1《隠れしウラブラスク/Urabrask the Hidden(NPH)》
-1《霜のタイタン/Frost Titan(M11)》
-1《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum(M12)》
-1《溶鉄の尾のマスティコア/Molten-Tail Masticore(SOM)》
-1《詐欺師の総督/Deceiver Exarch(NPH)》
-1《欠片の双子/Splinter Twin(ROE)》
-2 《極楽鳥/Birds of Paradise(M11)》
+4《紅蓮地獄/Pyroclasm(M11)》
+2《自然の要求/Nature’s Claim(WWK)》
+1《シルヴォクの模造品/Sylvok Replica(SOM)》
+1 《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter(SOM)》
サイドボード後はハッピーなマッチアップになる。紅蓮地獄と自然の要求は大きく時間を稼いでくれるし、殻の連鎖は相手のクリーチャーを破壊し続けるだろう。8枚のサイドカードをデッキに合わせるために、殻の対象のうち効果の薄いものは外さなければならない。紅蓮地獄を入れるときは鳥は必ず2枚外す。これは今のところ上手くいっている。サイド後はコンボはあまり重要ではないが、それでも鋼相手にも個々のカードが仕事をするので6枚残している。双子を貼る対象が2枚増えているからだ。
RDW、ゴブリン、吸血鬼
-3 《欠片の双子/Splinter Twin(ROE)》
-1《溶鉄の尾のマスティコア/Molten-Tail Masticore(SOM)》
-1《幻影の像/Phantasmal Image(M12)》
-1《霜のタイタン/Frost Titan(M11)》
-2《極楽鳥/Birds of Paradise(M11)》
+4《紅蓮地獄/Pyroclasm(M11)》
+1《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll(MBS)》
+1《呪文滑り/Spellskite(NPH)》
+1《強情なベイロス/Obstinate Baloth(M11)》
+1《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine(SOM)》
鋼相手と同じく、1ゲーム目は不利でサイド後は俄然有利になるマッチアップだ。双子コンボに対処するための火力が沢山ある相手で、またサイド後はコンボがどうしても必要という訳でもないので躊躇い無く抜くことができる。殻の連鎖がこういった相手向けのヴァージョンになれば容易に押しつぶせるだろう。
ヴァラクート
-1《溶鉄の尾のマスティコア/Molten-Tail Masticore(SOM)》
-1《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum(M12)》
-1《隠れしウラブラスク/Urabrask the Hidden(NPH)》
-1《探検家タクタク/Tuktuk the Explorer(ROE)》
+3《マナ漏出/Mana Leak(M11)》
+1《呪文滑り/Spellskite(NPH)》
このマッチアップは1ゲーム目にめちゃくちゃ有利だ。スライム→青タイタンで《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》を邪魔するバックアッププランがあるので、ダメージレースで容易に勝てる。サイド後に相手は双子コンボ対策を投入するであろうが、そのプランによって相手の動きは相当鈍る。マナリークでも殻連鎖を守ることができる。少なくとも、コンボを守るための呪文滑りを見つけてくることは絶対にできる。
青黒コントロール
-2《呪文滑り/Spellskite(NPH)》
-1《詐欺師の総督/Deceiver Exarch(NPH)》
-1《欠片の双子/Splinter Twin(ROE)》
+3《マナ漏出/Mana Leak(M11)》
+1《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll(MBS)》
1ゲーム目は圧倒的に有利。相手は着地した《出産の殻/Birthing Pod(NPH)》への対処手段がほとんど無い。また、通すのもそんなに難しくない。サイドボード後はタフなゲームになる。こちらは減速せざるを得ず、相手がタップアウトした隙に双子コンボを決めるれるか、マスティコアか青タイタン、スラーンで殴りにいくことができる場を作らなければならない。
カウブレード
-2《霜のタイタン/Frost Titan(M11)》
-1《隠れしウラブラスク/Urabrask the Hidden(NPH)》
-1《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum(M12)》
-1《呪文滑り/Spellskite(NPH)》
-1《探検家タクタク/Tuktuk the Explorer(ROE)》
+3《マナ漏出/Mana Leak(M11)》
+1《シルヴォクの模造品/Sylvok Replica(SOM)》
+1《自然の要求/Nature’s Claim(WWK)》
+1《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine(SOM)》
上手くプレイするのが最も難しいマッチアップだ。一般的なこのデッキの、サイド前の妨害手段は非常に乏しい。相手の限定的な打ち消し呪文を交わしてコンボを決めるタイミングを見つけるのは難しいが、チャンスは常にある。こちらの殻プランを打ち負かしたいなら、Caw側は自分の脅威を速めに展開する必要があり、そのためにチャンスが生まれる。もしCaw側が長期戦を望むようであれば、こちらは殻ありの十分に強力な場を構築しなければならない。最終的に相手が脅威を展開してきた時がコンボを放つチャンスとなる。マナ漏出があれば話は簡単になり、こちらはプレイし易くなり、相手はかなりやりづらくなる。
私はナショナルで9位という結果に終わり、正直なところかなりがっかりしました。Aaron(同じデッキ使って優勝した人)が優勝するのを見て 落胆が少し和らぎましたが。私はこのデッキを愛しています。使っていて楽しいデッキであったし、今でもそうです。また、どんなスタンダードのイベントでもかなりいい選択肢であると考えています。このデッキは習熟するのに時間がかかり、貴方がそれを受け入れるのなら、ですが。《定業/Preordain(M11)》と《思案/Ponder(M12)》は探したいカードがはっきりしている時以外は使わないように(Remember to only cast Ponder or Preordain when you know what you are looking for)。
また記事を書く機会があればいいのですが。
Daniel Unwin
Sledgesliver on MTGO
monkeywrenched85@gmail.com
http://www.channelfireball.com/home/feature-article-australian-pod/
Feature Article – Australian Pod
Posted by Daniel Unwin
August 8, 2011
ここ数週、ナショナルで使うデッキを構築するためにがんばっていたけど、優勝はデッキをシェアした友人に持ってかれてしまったぜ!
-中略-
4《銅線の地溝/Copperline Gorge(SOM)》
2《森/Forest(NPH)》
1《ハリマーの深み/Halimar Depths(WWK)》
4《島/Island》
4《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
2《山/Mountain》
3《怒り狂う山峡/Raging Ravine(WWK)》
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn(ZEN)》
4《極楽鳥/Birds of Paradise(M11)》
4《詐欺師の総督/Deceiver Exarch(NPH)》
4《草茂る胸壁/Overgrown Battlement(ROE)》
2《霜のタイタン/Frost Titan(M11)》
2《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum(M12)》
2《呪文滑り/Spellskite(NPH)》
1《溶鉄の尾のマスティコア/Molten-Tail Masticore(SOM)》
1《酸のスライム/Acidic Slime(M12)》
1《幻影の像/Phantasmal Image(M12)》
1《探検家タクタク/Tuktuk the Explorer(ROE)》
1《隠れしウラブラスク/Urabrask the Hidden(NPH)》
3《出産の殻/Birthing Pod(NPH)》
3《思案/Ponder(M12)》
3《定業/Preordain(M11)》
4《欠片の双子/Splinter Twin(ROE)》
Sideboard
3《マナ漏出/Mana Leak(M11)》
2《自然の要求/Nature’s Claim(WWK)》
1《強情なベイロス/Obstinate Baloth(M11)》
1《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter(SOM)》
4《紅蓮地獄/Pyroclasm(M11)》
1《呪文滑り/Spellskite(NPH)》
1《シルヴォクの模造品/Sylvok Replica(SOM)》
1《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll(MBS)》
1《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine(SOM)》
プレイを重ねていくにつれて、どのカードを使えばやりたいことができるのかへの理解が深まっていった。状況に応じたカードを大量に使い、それらをデッキに上手くフィットさせなければならないのでこの手のデッキを組むのは非常に難しい。
24 土地
4 《極楽鳥/Birds of Paradise(M12)》
4 《草茂る胸壁/Overgrown Battlement(ROE)》
24枚の土地はこれでOKだと感じていた。赤マナ2つを揃えるためにはまず緑マナと青マナが序盤から必要だ。この点においては、生き残れば以後のマナトラブルから開放される《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZEN)》の方が胸壁よりも優秀だ。最終的には《怒り狂う山峡/Raging Ravine(WWK)》を1枚《ハリマーの深み/Halimar Depths(WWK)》に入れ替えた。Onlineでは山峡を随分と使ったのだが…《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum(M12)》と《思案/Ponder(M12)》のおかげで以前よりガス欠しなくなったので、山峡を起動する機会が減ったのだ。青マナソースを追加する必要性を感じてもいたので、《ハリマーの深み/Halimar Depths(WWK)》と入れ替えるのがちょうどよかった。明日このデッキを使うなら島を1枚抜いて《ハリマーの深み/Halimar Depths(WWK)》をもう1枚足すだろう。重要な仕事である色マナ供給とマナ加速を同時にこなせる鳥は素晴らしい存在だ。殻を使えば魅力的な2マナのラインナップに変えることもできる。
3《思案/Ponder(M12)》
3《定業/Preordain(M11)》
思案と定業は合わせて6枚以上入れたかったが、これ以上スロットを見つけられなかった。定業は思案の上位互換で、3枚ずつなのが愚策に思われるかもしれない。しかし大抵のゲームではどちらか特定の一方が欲しい場面がある。ライブラリのシャッフル手段を持っていて、ある特定のカードを探す様な状況なら思案の方が強い。それ以外の場面では定業を使いたい。総合的に見て試案を4枚にしたいのだが、とりあえず現状3枚ずつにしている。
4《詐欺師の総督/Deceiver Exarch(NPH)》
4《欠片の双子/Splinter Twin(ROE)》
大抵殻デッキはコンボパーツを8枚未満にしている。これはしばしばコンボではなく「殻プラン」でゲームを進めることがあり、コンボパーツの片方のみを引きすぎてしまうのは理想的ではないからだ。このデッキはコンボを守る要素が少ないので、コンボが揃ってもそれが勝ちに繋がらないゲームが多々ある。 私が気づいたのは、多くのマッチアップにおいて第1ゲームに勝つためには、なんとしてでもコンボを決めなくてはいけないということだ。こういう理由があるので、私はコンボパーツを最大限投入することにした。また、私は殻を回しているゲームに置いても双子はかなりの強カードだということに気づいた。双子を《酸のスライム/Acidic Slime(M12)》に貼ってコピーを作って《霜のタイタン/Frost Titan(M11)》に繋げる動きはクレイジーだ。殻がない場面でさえ、スライムや青タイタンに貼って相手を縛ることができる。
3《出産の殻/Birthing Pod(NPH)》
このカードはコントロール相手に最強なのでしばらく4枚積んでいた。大抵のゲームで1枚は引きたくて、長期戦ならば2枚目を引いてきてもOKなカードだ。3枚目はいつだって引きたくないし、このカードが無くても勝つのは難しくない。
2《呪文滑り/Spellskite(NPH)》
2《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum(M12)》
2 《霜のタイタン/Frost Titan(M11)》
こいつらは引いても嬉しい殻のサーチ先だ。呪文滑りがいかに優秀なカードかは皆もよく知っていると思うけど、それはこのデッキにおいても例外ではない。結構長い間1枚しか入れていなかったけど、1枚目が処理された後に後続が欲しくなる場面がしばしばあった。身代わりは殻したいカードNo.1で、実に高価値なカードだ。3ターン目の身代わりはアグロ相手でもコントロール相手でも強い。青タイタンは殻経由でゲームを終わらせるベストなカードだ。殻経由だとスライムを経て素早くでてくる。この動きで土地を阻害して、相手の対処を間に合わなくさせる、ということはよくある。霜ちゃんは素引きしてもOKな子で単体でゲームを支配することができる。
1《酸のスライム/Acidic Slime(M12)》
1《幻影の像/Phantasmal Image(M12)》
1《探検家タクタク/Tuktuk the Explorer(ROE)》
1《隠れしウラブラスク/Urabrask the Hidden(NPH)》
1《溶鉄の尾のマスティコア/Molten-Tail Masticore(SOM)》
こいつらは殻のサーチ先だ。《酸のスライム/Acidic Slime(M12)》は万能選手。身代わりから霜タイタンに繋げるためには5マナ域が必要なのだが、大抵こいつが持ってきたいカードだろう。どのデッキを相手にしても大抵素晴らしい仕事をするし、このデッキだと3ターン目に出すこともできる。3枚入れることも考えていたのだけれどスペースが見つけられなかった。選手権の前日の夜にうち2枚をはずすことにした。その内の1枚はウラブラスクの為にしぶしぶ開けたスペースだ。
《隠れしウラブラスク/Urabrask the Hidden(NPH)》は調整仲間のCanberraに提案されたカードだ。双子に対して強く、ビートダウン相手にも有用で、タイタンを加速させるとともに双子と詐欺師を1ターンの内にプレイすることが可能になる。
《探検家タクタク/Tuktuk the Explorer(ROE)》は元はアグロ相手のサイドボードで、コンボを抜いたスペースに入れるカードだった。このカードは見た目どおり殻の餌として素晴らしいカードだ。殻が無くても、アグロデッキはこのカードの対処に悩まされるだろう。メインデッキに1枚《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》をとっていたのだけど、タクタクはいつプレイしても有用なカードだったので置き換えた。
《幻影の像/Phantasmal Image(M12)》がデッキに加わったのは遅かった。しかしこのカードの強さを私たちが理解するのに時間はかからなかった。明らかに、殻プランのスピードとパワーを一段上げてくれた。通常は2マナ域→タクタク→身代わり→スライム→タイタンと繋げる。幻影の像はその後に鳥を青タイタンに変えてくれるのだ。通常ドローしてもいろいろと面白いことができたりもする。テスト中に、《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus(MBS)》になって相打ちとってライブラリに戻って…なんてこともあった。
《溶鉄の尾のマスティコア/Molten-Tail Masticore(SOM)》はこのデッキにジャストフィットするカードではない。コンボ達成を助けてはくれないし殻プランにおいて殻の餌にしたいカードでもない。しかしながら、こいつには絶対に1スロット割く価値がある。膠着した場で持ってきて致死ダメージを与えることができ、PWを処理できて、《審判の日/Day of Judgment(ZEN)》に耐性のある場を作れる。呪文滑りも除去できて、相手の双子コンボのけん制にもなる。コントロール相手だと、相手がタップアウトしないと対処できないやっかいな場を作る完璧な手段となる。 端的に言うと、他のカードでは対処できないことへの回答なのだ。言うまでも無いことだが、こちらの墓地は常にクリーチャーで一杯だ。
マッチアップについて.
鋼:
1ゲーム目がきつい相手だ。殻の連鎖を構築する時間がないゲームばかりだし、こちらのコンボを妨害する《急送/Dispatch(NPH)》への対処手段に乏しい。ときに相手がまごついて、霜ちゃんや、双子のついたスライムで勝てることもある。また、4ターン目のコン
ボに対して急送できないこともある。だが大抵の場合相手にゲームを取られてしまうだろう。
-1《隠れしウラブラスク/Urabrask the Hidden(NPH)》
-1《霜のタイタン/Frost Titan(M11)》
-1《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum(M12)》
-1《溶鉄の尾のマスティコア/Molten-Tail Masticore(SOM)》
-1《詐欺師の総督/Deceiver Exarch(NPH)》
-1《欠片の双子/Splinter Twin(ROE)》
-2 《極楽鳥/Birds of Paradise(M11)》
+4《紅蓮地獄/Pyroclasm(M11)》
+2《自然の要求/Nature’s Claim(WWK)》
+1《シルヴォクの模造品/Sylvok Replica(SOM)》
+1 《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter(SOM)》
サイドボード後はハッピーなマッチアップになる。紅蓮地獄と自然の要求は大きく時間を稼いでくれるし、殻の連鎖は相手のクリーチャーを破壊し続けるだろう。8枚のサイドカードをデッキに合わせるために、殻の対象のうち効果の薄いものは外さなければならない。紅蓮地獄を入れるときは鳥は必ず2枚外す。これは今のところ上手くいっている。サイド後はコンボはあまり重要ではないが、それでも鋼相手にも個々のカードが仕事をするので6枚残している。双子を貼る対象が2枚増えているからだ。
RDW、ゴブリン、吸血鬼
-3 《欠片の双子/Splinter Twin(ROE)》
-1《溶鉄の尾のマスティコア/Molten-Tail Masticore(SOM)》
-1《幻影の像/Phantasmal Image(M12)》
-1《霜のタイタン/Frost Titan(M11)》
-2《極楽鳥/Birds of Paradise(M11)》
+4《紅蓮地獄/Pyroclasm(M11)》
+1《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll(MBS)》
+1《呪文滑り/Spellskite(NPH)》
+1《強情なベイロス/Obstinate Baloth(M11)》
+1《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine(SOM)》
鋼相手と同じく、1ゲーム目は不利でサイド後は俄然有利になるマッチアップだ。双子コンボに対処するための火力が沢山ある相手で、またサイド後はコンボがどうしても必要という訳でもないので躊躇い無く抜くことができる。殻の連鎖がこういった相手向けのヴァージョンになれば容易に押しつぶせるだろう。
ヴァラクート
-1《溶鉄の尾のマスティコア/Molten-Tail Masticore(SOM)》
-1《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum(M12)》
-1《隠れしウラブラスク/Urabrask the Hidden(NPH)》
-1《探検家タクタク/Tuktuk the Explorer(ROE)》
+3《マナ漏出/Mana Leak(M11)》
+1《呪文滑り/Spellskite(NPH)》
このマッチアップは1ゲーム目にめちゃくちゃ有利だ。スライム→青タイタンで《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》を邪魔するバックアッププランがあるので、ダメージレースで容易に勝てる。サイド後に相手は双子コンボ対策を投入するであろうが、そのプランによって相手の動きは相当鈍る。マナリークでも殻連鎖を守ることができる。少なくとも、コンボを守るための呪文滑りを見つけてくることは絶対にできる。
青黒コントロール
-2《呪文滑り/Spellskite(NPH)》
-1《詐欺師の総督/Deceiver Exarch(NPH)》
-1《欠片の双子/Splinter Twin(ROE)》
+3《マナ漏出/Mana Leak(M11)》
+1《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll(MBS)》
1ゲーム目は圧倒的に有利。相手は着地した《出産の殻/Birthing Pod(NPH)》への対処手段がほとんど無い。また、通すのもそんなに難しくない。サイドボード後はタフなゲームになる。こちらは減速せざるを得ず、相手がタップアウトした隙に双子コンボを決めるれるか、マスティコアか青タイタン、スラーンで殴りにいくことができる場を作らなければならない。
カウブレード
-2《霜のタイタン/Frost Titan(M11)》
-1《隠れしウラブラスク/Urabrask the Hidden(NPH)》
-1《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum(M12)》
-1《呪文滑り/Spellskite(NPH)》
-1《探検家タクタク/Tuktuk the Explorer(ROE)》
+3《マナ漏出/Mana Leak(M11)》
+1《シルヴォクの模造品/Sylvok Replica(SOM)》
+1《自然の要求/Nature’s Claim(WWK)》
+1《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine(SOM)》
上手くプレイするのが最も難しいマッチアップだ。一般的なこのデッキの、サイド前の妨害手段は非常に乏しい。相手の限定的な打ち消し呪文を交わしてコンボを決めるタイミングを見つけるのは難しいが、チャンスは常にある。こちらの殻プランを打ち負かしたいなら、Caw側は自分の脅威を速めに展開する必要があり、そのためにチャンスが生まれる。もしCaw側が長期戦を望むようであれば、こちらは殻ありの十分に強力な場を構築しなければならない。最終的に相手が脅威を展開してきた時がコンボを放つチャンスとなる。マナ漏出があれば話は簡単になり、こちらはプレイし易くなり、相手はかなりやりづらくなる。
私はナショナルで9位という結果に終わり、正直なところかなりがっかりしました。Aaron(同じデッキ使って優勝した人)が優勝するのを見て 落胆が少し和らぎましたが。私はこのデッキを愛しています。使っていて楽しいデッキであったし、今でもそうです。また、どんなスタンダードのイベントでもかなりいい選択肢であると考えています。このデッキは習熟するのに時間がかかり、貴方がそれを受け入れるのなら、ですが。《定業/Preordain(M11)》と《思案/Ponder(M12)》は探したいカードがはっきりしている時以外は使わないように(Remember to only cast Ponder or Preordain when you know what you are looking for)。
また記事を書く機会があればいいのですが。
Daniel Unwin
Sledgesliver on MTGO
monkeywrenched85@gmail.com
コメント
・守るカードが少ないのでコンボカードが少ないとコンボを決めきれない。
・だけどコンボを決めないと勝てない。
・だからダブッて引くことを覚悟の上で4枚ずつ入れている。
……という話かな、と思ったので英文の箇所は以下のような感じでしょうか。
What I was finding was that in a bunch of matches
you really needed to find the combo to win game one.
(私が気づいたのは、多くのマッチアップにおいて第1ゲームに勝つためには
なんとしてでもコンボを決めなくてはいけないということだ)
リンクさせていただきました!
よろしくお願いします!
ありがとうございます。
何故かgame-oneが1ゲーム目だというのが出てこなくて分からなくなっていました…
really needが「なんとしてでも」というのはいいですね、使わせてもらいます!
chainさん
殻コンってすごく面白そうに思えます。僕は引退状態なのですがこのデッキはすごく回してみたいです。バントカラーのやつも。
リンク返させていただきました、よろしくおねがいします