http://www.channelfireball.com/articles/according-to-webster-drafting-mirrodin-besieged/
According to Webster – Drafting Mirrodin Besieged
Posted by David Ochoa
February 21, 2011
前環境にあったアーキタイプがMBSの参入でどう変わったかという話です.
Ochoaの文章は読みやすいけど訳しづらいという今までにないタイプの難しさがありました.難しい言葉は使ってないし,英文としては読みやすいのですが,なぜか悉く日本語にしづらいのです.なので,意訳と注釈が結構多いです.分割します.
以下本文
ミラディン包囲戦(MBS)がリリースされて数週間がたちました. 多くのプレイヤーはまだ環境を理解しきれず,どの様なドラフトをするべきなのか,混乱していると思います.MBSドラフトで成功するためには,セットの内容を正しく評価して,新しいカードとミラディンの傷跡(SOM)のカードが,もちろん新カード同士についても,相互にどう働きあうか知ることが重要です.SOM×3のドラフトと同様に多様かつエキサイティングなアーキタイプがあり,MBSの強力なカードはそれぞれ輝きを放っています.
私のひとつ前の記事はMBSの参入によるSOM×3環境からの変化について書きました.その際に,コモンとアンコモンの除去呪文のリストを作ったり,新セットのレア/神話を前セットのものと比較したりしました.MSSの初手において,優秀なレア,神話レア,アンコモンに恵まれなかった場合は,以下のコモンから始めるといいでしょう( 恐らくこれらのカードがパック内のベストなカードです。しかも強い順に並んでるみたいですよ!(注1)):
Top Commons:
《病気の拡散/Spread the Sickness(MBS)》
《不純の焼き払い/Burn the Impure(MBS)》
《荒廃後家蜘蛛/Blightwidow(MBS)》
《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder(MBS)》
《病的な略取/Morbid Plunder(MBS)》
《火膨れ杖のシャーマン/Blisterstick Shaman(MBS)》
《神への捧げ物/Divine Offering(MBS)》
《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》
《鋼の妨害/Steel Sabotage(MBS)》
一度どの色に向かうのか決まった後は,アーキタイプを決めます.アーキタイプは多岐に渡り,それまで何を流したかによって落ち着く先を決めることができます:
強力なアーキタイプは:
白ベースのアグロ
金属術
感染
恐竜
コントロール/中速(Midrange)
白ベースのアグロ :
SOM×3での白いデッキは2つのサブカテゴリーに分けられました:
1.金属術をベースとし,マイアによるマナ加速から4マナの多様な脅威(《金属の駿馬/Chrome Steed(SOM)》,《ガルマの保護者/Ghalma’s Warden(SOM)》,《錆びた秘宝/Rusted Relic(SOM)》,など)につなげるデッキ
2. 装備品をベースに《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari》,《きらめく鷹/Glint Hawk(SOM)》,《ケンバの空護衛/Kemba’s Skyguard(SOM)》で攻めるデッキ
大抵のデッキは1になります.2に必要不可欠なコモンの装備品は非常に少なく,その装備品は単体では弱いからです. 優秀な2マナアグロクリーチャーの欠如,マイアの豊富さ,《金屑化/Turn to Slag(SOM)》の存在などによって,装備品を用いて大きなクリーチャーを作るプランよりも金属術クリーチャーに頼るプランの方がより信頼がおけるものにしています.また,別な問題として2マナの最優秀クリーチャー(《きらめく鷹の偶像/Glint Hawk Idol(SOM)》)が非アーティファクトクリーチャー(《ケンバの空護衛/Kemba’s Skyguard(SOM)》)を含んだマナカーブでは上手く機能せず,装備品とも相性が悪い,という点があります.他のフォーマットにおいては優秀なプランなのですが.
白メインのアグロにおける優秀なカードは《レオニンの空狩人/Leonin Skyhunter(MBS)》狩人と《銅の甲殻/Copper Carapace(MBS)》があります.
《レオニンの空狩人/Leonin Skyhunter(MBS)》の加入は白ベースのアグロを以前より信頼のおける物にしています.このカードは単体で優秀で(《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari》や《きらめく鷹の偶像/Glint Hawk Idol(SOM)》とは違います),白の序盤のマナカーブをより優秀なものにしています. 前述した2マナクリーチャーと違い,空狩人は空護衛とも噛み合います.装備品がなくても,またアーティファクトを出さなくてもアタックにいけますからね.
《銅の甲殻/Copper Carapace(MBS)》もまた攻撃的なアーキタイプの大きな収穫です.なぜならこれはコモンで,比較的安いコストでかなり大きなパワー/タフネス修正を与えられるからです.SOMの装備品の主な問題点は,小さなクリーチャーを十分な大きさに嵩増しできないという点でした.《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff(SOM)》,《調和者隊の盾/Accorder’s Shield(SOM)》,《闊歩するものの装具/Strider Harness(SOM)》といったカードは小型クリーチャーを単体で中堅クリーチャーに立ち向かわせられるだけの修正を与えられませんでした.そういった中堅クリーチャーと戦えないとゲームが長期化 してしまいます.
《訓練する徒食者/Training Drone(MBS)》は多くの装備品を活用するデッキにとってはフリンジな補助カードです.このプレイヤーの手で組み立てる《金属の駿馬/Chrome Steed(SOM)》は少なくとも4つ以上の装備品があれば優秀なカードとなるでしょう. しかしこのカードは《レオニンの空狩人/Leonin Skyhunter(MBS)》や《銅の甲殻/Copper Carapace(MBS)》程の優秀さはありません.最初のパックからしか出現せず,他のピックに大きく依存するカードなので,このカードがどれだけ働くかは大抵の場合分からないからです.このカードが《金属の駿馬/Chrome Steed(SOM)》等の高コストな金属術クリーチャーに勝る点は,依存先がマナマイアではなく装備品(デッキに大量に含まれるカードです)だという点です.
SOMが1パック減ったので,装備品をベースにデッキを組んでも,《金屑化/Turn to Slag(SOM)》にシャクられる機会は減りました.その結果として《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari》のようなカードの価値は上がっています.また,このカードはマナマイアの不足分も補うことになるでしょう.
大抵の白ベースのアグロは平地を10枚以上必要とするデッキになり,白単に近い構成になるでしょう.2ターン目に白2マナを出せることが重要なので,有色スペルの大部分は白になります.今まで上げなかったカードの中で,よくデッキに含まれる様になるカードとして《ロクソドンの非正規兵/Loxodon Partisan(MBS)》(フライヤーをパンプでき,独力でもそれなりに戦えるので,アタックさせても問題ない場面が多いでしょう),《レオニンの遺物囲い/Leonin Relic-Warder(MBS)》(対戦相手のカードを取りのぞく能力は注意しないと裏目にでることがあります.また,自陣の《転倒の磁石/Tumble Magnet(SOM)》,《屍気の香炉/Necrogen Censer(SOM)》,《伝染病の留め金/Contagion Clasp(SOM)》等をリームーブしてもおいしいことがあります),《調和者隊の盾/Accorder’s Shield(SOM)》(単体では戦闘で生き残ることはできないので,除去や装備品で守る必要があるでしょう.といっても,同サイズのクリーチャーと相打ちをとりつつ味方のクリーチャー数体を強化するだけでもそれなりの価値があります)があります.
2色目の呪文はシングルシンボルで,トリックに使え,テンポを生むカードまたは除去に充てたいものです.《火膨れ杖のシャーマン/Blisterstick Shaman(MBS)》はその好例です.ゲームのどの場面でもプレイでき,盤面に優位をもたらします.《突風掬い/Gust-Skimmer(MBS)》は軽い上にそれほどテンポを失わずに回避能力を付加できるので優秀なクリーチャーです.《屍気を飛ばすもの/Necrogen Scudder(SOM)》は《ケンバの空護衛/Kemba’s Skyguard(SOM)》に似た性質のクリーチャーです.アーティファクトでも感染でもないので,本来より遅くまで回っています.そして,このデッキには完璧にフィットするのです.
金属術 :
このアーキタイプは1パック分のマイアを失ったことで打撃をうけました.しかしながら依然ドラフトで勝てるアーキタイプです.マナマイアに近い働きをする,代替品となる優秀なカードは沢山あります.
金属術が得た優秀なカードは,《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》,《マイアの種父/Myr Sire(MBS)》,《錆びた斬鬼/Rusted Slasher(MBS)》です.
《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》は新たな,強化された《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb(SOM)》です.金属術達成のためのキャントリップであり,アーティファクトの生贄を要求するカードとはどれであろうとシナジーを形成します (その過程でカードが引けますからね).前環境における白以外の金属術デッキは,アーティファクト・カードのガス欠に悩まされていました.盤面に影響を与える低コストのカードは少なく,金属術を達成/維持するために十分な数のアーティファクトが戦場に残らなかったからです.《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》はこの問題を解決してくれ,別なスペルにサイクリングされる過程で金属術達成のための一歩を与えてくれます.場の状態にアドバンテージを与えてくれるのです.
《マイアの種父/Myr Sire(MBS)》は防御的なデッキにおいていい働きをします.対戦相手のクリーチャーと相打ちをとりながらも金属術を維持してくれるからです.といってもこのデッキが防御的になるのはミラーマッチまたは感染との対戦において後手をとった場合ぐらいですが.また,このデッキは大量の装備品を運用する傾向があるので(他のアーキタイプと比べて),種父はそこからもアドバンテージを得ることができます(より大きなクリーチャーと2回相打ちが取れますからね).
《錆びた斬鬼/Rusted Slasher(MBS)》は金属術に向かう動機となる,新たな強カード(訳注:原文だとthreat.この単語自体はよく出てきていつも「脅威」と直訳してるけど,それだと違和感感じる場合のが多い…なにかいいテンプレはないものか)です. 斬鬼は自身がアーティファクトである以外に,金属術にはなにも貢献しませんが,どのデッキの4マナスロットにもぴったりフィットします(訳注:このevery deckが文字通り全てのデッキなのか,「金属術」デッキならどれでもという意味なのかは迷った.この記事で,各アーキタイプについての解説での「deck」はそのアーキタイプのデッキを指しているので,多分後者).信頼できるパワー4のクリーチャーであり(色と攻撃性の面から(注2)),アーティファクトを多用することでアドバンテージがとれます.
《皮剥ぎの鞘/Flayer Husk(MBS)》もまた,金属術達成に貢献しつつ付加価値を与えてくれるカードです.この装備品の動きは《マイアの種父/Myr Sire(MBS)》に近く,相打ちをとった後に別な役割を果たせる可能性があります.このカードはアグレッシブなデッキにより合います.他のデッキだと再装備のためにマナが使えないことが多いからです. 攻撃的なデッキが同等の速さで相手から攻撃を受ける機会は少ないですが、鞘は効果的にダメージを分割する(訳注:チャンプブロックできること言っているのだと思う)ことでダメージレースにおいてよい働きをします。(注3).
また,大抵の色は他にも数枚収穫を得ました.それは以下の様なカードです:
白は《主の呼び声/Master’s Call(MBS)》と 《ロクソドンの非正規兵/Loxodon Partisan(MBS)》を得ました.《主の呼び声/Master’s Call(MBS)》か ら呼び出されるマイアトークンは装備品またはその他のパンプアップ手段が無ければあまり使えませんが,金属術の達成はかなり容易になります.《ロクソドンの非正規兵/Loxodon Partisan(MBS)》は新たなパズルの1ピースで,デッキの大部分を占める小型クリーチャーを活用する役割を担います.
青が得たのは《生体解剖/Vivisection(MBS)》と《尖塔の海蛇/Spire Serpent(MBS)》です.《生体解剖/Vivisection(MBS)》は「スーパー呪文爆弾」ともいえるカードです.マイアやその辺の不要なクリーチャーを犠牲に手札を補給します.《尖塔の海蛇/Spire Serpent(MBS)》は頑丈な非アーティファクトクリーチャーで,たった5マナなのに戦闘ではほとんど死なないので,コントロール気味のデッキでは優秀なクリーチャーです.また,5/7を倒すのはかなり難しいので,このカードは強力な価値手段にもなります.
黒は金属術に特化したカードを得ていません.《病的な略取/Morbid Plunder(MBS)》や《病気の拡散/Spread the Sickness(MBS)》といった魅力的なカードを使うことになりますが,大抵の場合他のアーキタイプを含んだデッキとなるでしょう.
赤は《震盪の稲妻/Concussive Bolt(MBS)》と《カルドーサの首謀者/Kuldotha Ringleader(MBS)》,《軍団の結集/Rally the Forces(MBS)》を得ました.どのカードもクリーチャーを並べて戦うアグロデッキになによりも合います.《震盪の稲妻/Concussive Bolt(MBS)》は優秀な"右手が強い人用のカード(miser’s card) "で,1枚以上入れるのは好ましくないでしょう.大抵の場合,このカードを打つのは勝つときに1回きりだからです. 《カルドーサの首謀者/Kuldotha Ringleader(MBS)》は《ロクソドンの非正規兵/Loxodon Partisan(MBS)》と同種のカードで,デッキ内の小型クリーチャーを戦闘で使えるようにしてくれる点が優れています.《軍団の結集/Rally the Forces(MBS)》もまた"右手が強い人用のカード(miser’s card) "で,役割は《カルドーサの首謀者/Kuldotha Ringleader(MBS)》と似ていますが大抵のデッキではプレイされないカードです.効果が小さく,一度使った後はさらに劇的に効果が下がるからです.
緑が得た金属術関連のカードはかなり限られています.《ミラディンの血気/Mirran Mettle(MBS)》はそれなりですが,パンプアップスペルは基本的に装備品に劣ります.金属術に貢献しませんし,効果が一度きりだからです(トリックとしてのメリットは確かにありますが).金属術デッキが緑を使うことはないでしょう.もし使うのなら,《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder(MBS)》と《ヴィリジアンの密使/Viridian Emissary(MBS)》を用いた防御的なデッキになると思われます.
有色マナの起動型能力をもつアーティファクトのサイクル(《刃の歩哨/Bladed Sentinel(MBS)》,《突風掬い/Gust-Skimmer(MBS)》,《ドロスの切り裂き魔/Dross Ripper(MBS)》,《回転エンジン/Spin Engine(MBS)》, 《絡み森の大男/Tangle Hulk(MBS)》)はどれもかなり使う価値のあるカードで,戦場で よく見かけることになるでしょう.《刃の歩哨/Bladed Sentinel(MBS)》と《ドロスの切り裂き魔/Dross Ripper(MBS)》 は他の3種ほど優秀ではなく,強さも効率性も落ちますが,ある程度は使われると思われます.
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
注1) which also happen to be the best, and in order even!
これは意味が分からなかったのでそのまま
注2)in terms of color and aggressiveness
直訳
注3)even though it’s less likely that an aggro deck is going to be attacked as soon as other types, Flayer Husk can still be used effectively to create a moderate amount of separation in the damage race.
(といっても)アグロデッキは他のデッキほどすばやく攻撃に行くことはないですが,
《皮剥ぎの鞘/Flayer Husk(MBS)》はダメージレースにおいて,効果的にダメージを分割することができ,依然有用です
「アグロデッキ」を「コントロールデッキ」と置き換えればいい感じ?しかしcan still以下が自信なかったので保留
According to Webster – Drafting Mirrodin Besieged
Posted by David Ochoa
February 21, 2011
前環境にあったアーキタイプがMBSの参入でどう変わったかという話です.
Ochoaの文章は読みやすいけど訳しづらいという今までにないタイプの難しさがありました.難しい言葉は使ってないし,英文としては読みやすいのですが,なぜか悉く日本語にしづらいのです.なので,意訳と注釈が結構多いです.分割します.
以下本文
ミラディン包囲戦(MBS)がリリースされて数週間がたちました. 多くのプレイヤーはまだ環境を理解しきれず,どの様なドラフトをするべきなのか,混乱していると思います.MBSドラフトで成功するためには,セットの内容を正しく評価して,新しいカードとミラディンの傷跡(SOM)のカードが,もちろん新カード同士についても,相互にどう働きあうか知ることが重要です.SOM×3のドラフトと同様に多様かつエキサイティングなアーキタイプがあり,MBSの強力なカードはそれぞれ輝きを放っています.
私のひとつ前の記事はMBSの参入によるSOM×3環境からの変化について書きました.その際に,コモンとアンコモンの除去呪文のリストを作ったり,新セットのレア/神話を前セットのものと比較したりしました.MSSの初手において,優秀なレア,神話レア,アンコモンに恵まれなかった場合は,以下のコモンから始めるといいでしょう( 恐らくこれらのカードがパック内のベストなカードです。しかも強い順に並んでるみたいですよ!(注1)):
Top Commons:
《病気の拡散/Spread the Sickness(MBS)》
《不純の焼き払い/Burn the Impure(MBS)》
《荒廃後家蜘蛛/Blightwidow(MBS)》
《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder(MBS)》
《病的な略取/Morbid Plunder(MBS)》
《火膨れ杖のシャーマン/Blisterstick Shaman(MBS)》
《神への捧げ物/Divine Offering(MBS)》
《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》
《鋼の妨害/Steel Sabotage(MBS)》
一度どの色に向かうのか決まった後は,アーキタイプを決めます.アーキタイプは多岐に渡り,それまで何を流したかによって落ち着く先を決めることができます:
強力なアーキタイプは:
白ベースのアグロ
金属術
感染
恐竜
コントロール/中速(Midrange)
白ベースのアグロ :
SOM×3での白いデッキは2つのサブカテゴリーに分けられました:
1.金属術をベースとし,マイアによるマナ加速から4マナの多様な脅威(《金属の駿馬/Chrome Steed(SOM)》,《ガルマの保護者/Ghalma’s Warden(SOM)》,《錆びた秘宝/Rusted Relic(SOM)》,など)につなげるデッキ
2. 装備品をベースに《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari》,《きらめく鷹/Glint Hawk(SOM)》,《ケンバの空護衛/Kemba’s Skyguard(SOM)》で攻めるデッキ
大抵のデッキは1になります.2に必要不可欠なコモンの装備品は非常に少なく,その装備品は単体では弱いからです. 優秀な2マナアグロクリーチャーの欠如,マイアの豊富さ,《金屑化/Turn to Slag(SOM)》の存在などによって,装備品を用いて大きなクリーチャーを作るプランよりも金属術クリーチャーに頼るプランの方がより信頼がおけるものにしています.また,別な問題として2マナの最優秀クリーチャー(《きらめく鷹の偶像/Glint Hawk Idol(SOM)》)が非アーティファクトクリーチャー(《ケンバの空護衛/Kemba’s Skyguard(SOM)》)を含んだマナカーブでは上手く機能せず,装備品とも相性が悪い,という点があります.他のフォーマットにおいては優秀なプランなのですが.
白メインのアグロにおける優秀なカードは《レオニンの空狩人/Leonin Skyhunter(MBS)》狩人と《銅の甲殻/Copper Carapace(MBS)》があります.
《レオニンの空狩人/Leonin Skyhunter(MBS)》の加入は白ベースのアグロを以前より信頼のおける物にしています.このカードは単体で優秀で(《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari》や《きらめく鷹の偶像/Glint Hawk Idol(SOM)》とは違います),白の序盤のマナカーブをより優秀なものにしています. 前述した2マナクリーチャーと違い,空狩人は空護衛とも噛み合います.装備品がなくても,またアーティファクトを出さなくてもアタックにいけますからね.
《銅の甲殻/Copper Carapace(MBS)》もまた攻撃的なアーキタイプの大きな収穫です.なぜならこれはコモンで,比較的安いコストでかなり大きなパワー/タフネス修正を与えられるからです.SOMの装備品の主な問題点は,小さなクリーチャーを十分な大きさに嵩増しできないという点でした.《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff(SOM)》,《調和者隊の盾/Accorder’s Shield(SOM)》,《闊歩するものの装具/Strider Harness(SOM)》といったカードは小型クリーチャーを単体で中堅クリーチャーに立ち向かわせられるだけの修正を与えられませんでした.そういった中堅クリーチャーと戦えないとゲームが長期化 してしまいます.
《訓練する徒食者/Training Drone(MBS)》は多くの装備品を活用するデッキにとってはフリンジな補助カードです.このプレイヤーの手で組み立てる《金属の駿馬/Chrome Steed(SOM)》は少なくとも4つ以上の装備品があれば優秀なカードとなるでしょう. しかしこのカードは《レオニンの空狩人/Leonin Skyhunter(MBS)》や《銅の甲殻/Copper Carapace(MBS)》程の優秀さはありません.最初のパックからしか出現せず,他のピックに大きく依存するカードなので,このカードがどれだけ働くかは大抵の場合分からないからです.このカードが《金属の駿馬/Chrome Steed(SOM)》等の高コストな金属術クリーチャーに勝る点は,依存先がマナマイアではなく装備品(デッキに大量に含まれるカードです)だという点です.
SOMが1パック減ったので,装備品をベースにデッキを組んでも,《金屑化/Turn to Slag(SOM)》にシャクられる機会は減りました.その結果として《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari》のようなカードの価値は上がっています.また,このカードはマナマイアの不足分も補うことになるでしょう.
大抵の白ベースのアグロは平地を10枚以上必要とするデッキになり,白単に近い構成になるでしょう.2ターン目に白2マナを出せることが重要なので,有色スペルの大部分は白になります.今まで上げなかったカードの中で,よくデッキに含まれる様になるカードとして《ロクソドンの非正規兵/Loxodon Partisan(MBS)》(フライヤーをパンプでき,独力でもそれなりに戦えるので,アタックさせても問題ない場面が多いでしょう),《レオニンの遺物囲い/Leonin Relic-Warder(MBS)》(対戦相手のカードを取りのぞく能力は注意しないと裏目にでることがあります.また,自陣の《転倒の磁石/Tumble Magnet(SOM)》,《屍気の香炉/Necrogen Censer(SOM)》,《伝染病の留め金/Contagion Clasp(SOM)》等をリームーブしてもおいしいことがあります),《調和者隊の盾/Accorder’s Shield(SOM)》(単体では戦闘で生き残ることはできないので,除去や装備品で守る必要があるでしょう.といっても,同サイズのクリーチャーと相打ちをとりつつ味方のクリーチャー数体を強化するだけでもそれなりの価値があります)があります.
2色目の呪文はシングルシンボルで,トリックに使え,テンポを生むカードまたは除去に充てたいものです.《火膨れ杖のシャーマン/Blisterstick Shaman(MBS)》はその好例です.ゲームのどの場面でもプレイでき,盤面に優位をもたらします.《突風掬い/Gust-Skimmer(MBS)》は軽い上にそれほどテンポを失わずに回避能力を付加できるので優秀なクリーチャーです.《屍気を飛ばすもの/Necrogen Scudder(SOM)》は《ケンバの空護衛/Kemba’s Skyguard(SOM)》に似た性質のクリーチャーです.アーティファクトでも感染でもないので,本来より遅くまで回っています.そして,このデッキには完璧にフィットするのです.
金属術 :
このアーキタイプは1パック分のマイアを失ったことで打撃をうけました.しかしながら依然ドラフトで勝てるアーキタイプです.マナマイアに近い働きをする,代替品となる優秀なカードは沢山あります.
金属術が得た優秀なカードは,《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》,《マイアの種父/Myr Sire(MBS)》,《錆びた斬鬼/Rusted Slasher(MBS)》です.
《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》は新たな,強化された《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb(SOM)》です.金属術達成のためのキャントリップであり,アーティファクトの生贄を要求するカードとはどれであろうとシナジーを形成します (その過程でカードが引けますからね).前環境における白以外の金属術デッキは,アーティファクト・カードのガス欠に悩まされていました.盤面に影響を与える低コストのカードは少なく,金属術を達成/維持するために十分な数のアーティファクトが戦場に残らなかったからです.《胆液の水源/Ichor Wellspring(MBS)》はこの問題を解決してくれ,別なスペルにサイクリングされる過程で金属術達成のための一歩を与えてくれます.場の状態にアドバンテージを与えてくれるのです.
《マイアの種父/Myr Sire(MBS)》は防御的なデッキにおいていい働きをします.対戦相手のクリーチャーと相打ちをとりながらも金属術を維持してくれるからです.といってもこのデッキが防御的になるのはミラーマッチまたは感染との対戦において後手をとった場合ぐらいですが.また,このデッキは大量の装備品を運用する傾向があるので(他のアーキタイプと比べて),種父はそこからもアドバンテージを得ることができます(より大きなクリーチャーと2回相打ちが取れますからね).
《錆びた斬鬼/Rusted Slasher(MBS)》は金属術に向かう動機となる,新たな強カード(訳注:原文だとthreat.この単語自体はよく出てきていつも「脅威」と直訳してるけど,それだと違和感感じる場合のが多い…なにかいいテンプレはないものか)です. 斬鬼は自身がアーティファクトである以外に,金属術にはなにも貢献しませんが,どのデッキの4マナスロットにもぴったりフィットします(訳注:このevery deckが文字通り全てのデッキなのか,「金属術」デッキならどれでもという意味なのかは迷った.この記事で,各アーキタイプについての解説での「deck」はそのアーキタイプのデッキを指しているので,多分後者).信頼できるパワー4のクリーチャーであり(色と攻撃性の面から(注2)),アーティファクトを多用することでアドバンテージがとれます.
《皮剥ぎの鞘/Flayer Husk(MBS)》もまた,金属術達成に貢献しつつ付加価値を与えてくれるカードです.この装備品の動きは《マイアの種父/Myr Sire(MBS)》に近く,相打ちをとった後に別な役割を果たせる可能性があります.このカードはアグレッシブなデッキにより合います.他のデッキだと再装備のためにマナが使えないことが多いからです. 攻撃的なデッキが同等の速さで相手から攻撃を受ける機会は少ないですが、鞘は効果的にダメージを分割する(訳注:チャンプブロックできること言っているのだと思う)ことでダメージレースにおいてよい働きをします。(注3).
また,大抵の色は他にも数枚収穫を得ました.それは以下の様なカードです:
白は《主の呼び声/Master’s Call(MBS)》と 《ロクソドンの非正規兵/Loxodon Partisan(MBS)》を得ました.《主の呼び声/Master’s Call(MBS)》か ら呼び出されるマイアトークンは装備品またはその他のパンプアップ手段が無ければあまり使えませんが,金属術の達成はかなり容易になります.《ロクソドンの非正規兵/Loxodon Partisan(MBS)》は新たなパズルの1ピースで,デッキの大部分を占める小型クリーチャーを活用する役割を担います.
青が得たのは《生体解剖/Vivisection(MBS)》と《尖塔の海蛇/Spire Serpent(MBS)》です.《生体解剖/Vivisection(MBS)》は「スーパー呪文爆弾」ともいえるカードです.マイアやその辺の不要なクリーチャーを犠牲に手札を補給します.《尖塔の海蛇/Spire Serpent(MBS)》は頑丈な非アーティファクトクリーチャーで,たった5マナなのに戦闘ではほとんど死なないので,コントロール気味のデッキでは優秀なクリーチャーです.また,5/7を倒すのはかなり難しいので,このカードは強力な価値手段にもなります.
黒は金属術に特化したカードを得ていません.《病的な略取/Morbid Plunder(MBS)》や《病気の拡散/Spread the Sickness(MBS)》といった魅力的なカードを使うことになりますが,大抵の場合他のアーキタイプを含んだデッキとなるでしょう.
赤は《震盪の稲妻/Concussive Bolt(MBS)》と《カルドーサの首謀者/Kuldotha Ringleader(MBS)》,《軍団の結集/Rally the Forces(MBS)》を得ました.どのカードもクリーチャーを並べて戦うアグロデッキになによりも合います.《震盪の稲妻/Concussive Bolt(MBS)》は優秀な"右手が強い人用のカード(miser’s card) "で,1枚以上入れるのは好ましくないでしょう.大抵の場合,このカードを打つのは勝つときに1回きりだからです. 《カルドーサの首謀者/Kuldotha Ringleader(MBS)》は《ロクソドンの非正規兵/Loxodon Partisan(MBS)》と同種のカードで,デッキ内の小型クリーチャーを戦闘で使えるようにしてくれる点が優れています.《軍団の結集/Rally the Forces(MBS)》もまた"右手が強い人用のカード(miser’s card) "で,役割は《カルドーサの首謀者/Kuldotha Ringleader(MBS)》と似ていますが大抵のデッキではプレイされないカードです.効果が小さく,一度使った後はさらに劇的に効果が下がるからです.
緑が得た金属術関連のカードはかなり限られています.《ミラディンの血気/Mirran Mettle(MBS)》はそれなりですが,パンプアップスペルは基本的に装備品に劣ります.金属術に貢献しませんし,効果が一度きりだからです(トリックとしてのメリットは確かにありますが).金属術デッキが緑を使うことはないでしょう.もし使うのなら,《ファングレンの匪賊/Fangren Marauder(MBS)》と《ヴィリジアンの密使/Viridian Emissary(MBS)》を用いた防御的なデッキになると思われます.
有色マナの起動型能力をもつアーティファクトのサイクル(《刃の歩哨/Bladed Sentinel(MBS)》,《突風掬い/Gust-Skimmer(MBS)》,《ドロスの切り裂き魔/Dross Ripper(MBS)》,《回転エンジン/Spin Engine(MBS)》, 《絡み森の大男/Tangle Hulk(MBS)》)はどれもかなり使う価値のあるカードで,戦場で よく見かけることになるでしょう.《刃の歩哨/Bladed Sentinel(MBS)》と《ドロスの切り裂き魔/Dross Ripper(MBS)》 は他の3種ほど優秀ではなく,強さも効率性も落ちますが,ある程度は使われると思われます.
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
注1) which also happen to be the best, and in order even!
これは意味が分からなかったのでそのまま
注2)in terms of color and aggressiveness
直訳
注3)even though it’s less likely that an aggro deck is going to be attacked as soon as other types, Flayer Husk can still be used effectively to create a moderate amount of separation in the damage race.
(といっても)アグロデッキは他のデッキほどすばやく攻撃に行くことはないですが,
《皮剥ぎの鞘/Flayer Husk(MBS)》はダメージレースにおいて,効果的にダメージを分割することができ,依然有用です
「アグロデッキ」を「コントロールデッキ」と置き換えればいい感じ?しかしcan still以下が自信なかったので保留
コメント
大抵はこれらがベストになり、それすら取れないときもある
とかそんな感じの訳ですかね?
日本語って難しい。
which also happen to be the best, and in order even!
upしてからまた考えたのですが、
多分前半は亡骸さんの仰るとおり、これらがベストだろう、という意味だと思います。
コンマ以下はこれらの順番(in order)はイーブンだ、このコモン達に順位はない、という意味かなと思います。
これから包囲戦ドラフト本格参入予定でしたので、助かります。
鋼の妨害が好きなので評価が高くて嬉しいです
注1については、前文がレア等に恵まれなかったら以下のコモンで、という事なので(これがたまたまベストチョイスであったり、理にかなっていたりさえする)という読み方だと思います。
あと注3は be attacked なので 攻撃されることはないですが ではないでしょうか。
アグロデッキは他のタイプ程早くから攻撃されると言うことはないでしょうが、依然Huskはダメージレースでまぁまぁの差をつけるのに有効に働きますよ。みたいな意味なのかなと思いました。マジック理論的にしっくりくるのかちょっと不安ですが。
ちょっと前の記事ですが、僕含むMO派にとっては今が旬の記事ですね。
MMMドラフトしかやってないですが《鋼の妨害/Steel Sabotage(MBS)》は大好きです。器用さがカッコイイ。
やまださん
ありがとうございます。
in orderの使い方に不慣れだったのですが、SVCのCとして使えるみたいですね。
> which also happen to be the best, and in order even
この文中だとthe best と並列になってると考えればいいのでしょうか。↑の僕のは文型とか考えないで、単語の意味羅列してなんとなく意味とろうとしているだけですね。反省。
be attacked
受動態ということを見落としてました。チャンプしてダメージレースに貢献できるので、MTGの理屈的にも間違ってないと思います。
とても助かりました。またなにかおかしなことしてたら指摘してください。
最近MSS・MMMをやっているのですが、全くうまくいかないので、とてもためになり参考になります。
Miseにはトップデッキという意味があるので。
アンヒンジドにそのままMiseっていうインスタントありましたね。
僕はMMMばかりやってますが、イマイチ勝ててないです。環境理解が深まれば勝率上がるのがドラフトなので、お互い頑張りましょう。
○○○さん
ありがとうございます。以前mizeは指摘してもらったことがあったのに、失念していました。
>アンヒジドのカード
//mtgwiki.com/wiki/Mise
おお、まさにこれですね。分かりやすいw
Ochoaの文章はGerry Thompsonみたいにユーモアがある場合が多いので、たまに翻訳しづらい箇所が出てきますよね。
注1についてですが、”・・・きっと下記のコモン達(偶然にも強い順に並んでるよ!)の中からピックするだろう”
あたりでざっくり意味を取れると思います。
which happens to be は、”都合の良いことに”、とか”偶然にも”
and in order は”順番に”
even は”…に加え”、とか”更に更に!”というように強調する際に使われる事があります。
なので、適当に並べてるように見えて、実はちゃんとOchoaがランク付けてあげたよ!というような意味で書いている、、、はずです!
>Ochoaの文章はGerry Thompsonみたいにユーモアがある場合が多いので、たまに翻訳しづらい箇所が出てきますよね。
訳しづらさの正体はこれだったのかな?
>which also happen to be the best, and in order even!
in orderの用法に「適切」というものがあったので、
which also happen to be (the best),
and (in order even!)
とthe bestとin orderが並列になっていると考えました。しかしこれは
・ベスト=適切(ピックにおいて)なのでいちいち並列にする意味がない
・in orderのニュアンス・使い方が良く分かってない、辞書引いて「適切」と出たもののやはり「順番に」みたいなニュアンスが強いんじゃないか
と疑問に思っていました。
また、リストは使いやすい除去が上位にきてるので強い順に並んでいる気もします。
参考になりました。ころころ変えてしまうことになりますが、説得力があるのでしょっとこさん
の解釈を参考に修正してみます。