翻訳:PVによる世界選手権で使用した青黒コンの解説とレポ①直前の変更点について(PV’s Playhouse – Worlds Top 8: So Standard)
2010年12月26日 翻訳:構築 コメント (4)http://www.channelfireball.com/home/pvs-playhouse-worlds-top-8-so-standard/
原題:PV’s Playhouse – Worlds Top 8: So Standard
Posted by Paulo Vitor Damo da Rosa
December 15, 2010
PVの世界選手権スタンダードラウンドの記事のうちデッキ解説の部分です。前回の直前記事でのデッキからの変更点について語ってくれています。《記憶殺し/Memoricide(SOM)》をかなりディスっています。当日のレポ部分は後日訳そうと思います。
以下本文
Hello!
先週は「これでワールドに出るだろう」というリストを提示しました:
4《定業/Preordain(M11)》
3《破滅の刃/Doom Blade(M11)》
2《見栄え損ない/Disfigure(ZEN)》
4《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》
1《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren(M11)》
4《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek(ROE)》
3《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》
1《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》
4《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》
4《広がりゆく海/Spreading Seas(ZEN)》
4《マナ漏出/Mana Leak(M11)》
4《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit(WWK)》
4《地盤の際/Tectonic Edge(WWK)》
4《闇滑りの岸/Darkslick Shores(SOM)》
4《水没した地下墓地/Drowned Catacomb(M11)》
1《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs(ZEN)》
1《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
1《惑いの迷路/Mystifying Maze(M11)》
4《島/Island》
3《沼/Swamp》
SB
2《見栄え損ない/Disfigure(ZEN)》
3《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(ZEN)》
1《皮裂き/Skinrender(SOM)》
1《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》
2《記憶殺し/Memoricide(SOM)》
2《精神壊しの罠/Mindbreak Trap(ZEN)》
2《強迫/Duress(M11)》
1《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren(M11)》
1《コントロール対策カード/ Card against control (PV)》
そして、最終的には以下のリストでプレイすることにしました:
4《定業/Preordain(M11)》
3《破滅の刃/Doom Blade(M11)》
2《見栄え損ない/Disfigure(ZEN)》
4《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》
1《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren(M11)》
4《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek(ROE)》
3《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》
1《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》
3《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》
4《広がりゆく海/Spreading Seas(ZEN)》
4《マナ漏出/Mana Leak(M11)》
1《取り消し/Cancel(M11)》
4《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit(WWK)》
4《地盤の際/Tectonic Edge(WWK)》
4《闇滑りの岸/Darkslick Shores(SOM)》
4《水没した地下墓地/Drowned Catacomb(M11)》
1《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs(ZEN)》
1《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
1《惑いの迷路/Mystifying Maze(M11)》
4《島/Island》
3《沼/Swamp》
SB
1《剥奪/Deprive(ROE)》
2《見栄え損ない/Disfigure(ZEN)》
1《強迫/Duress(M11)》
1《瞬間凍結/Flashfreeze(M11)》
1《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren(M11)》
1《精神壊しの罠/Mindbreak Trap(ZEN)》
1《漸増爆弾/Ratchet Bomb(SOM)》
2《皮裂き/Skinrender(SOM)》
1《呪文貫き/Spell Pierce(ZEN)》
1《冷静な反論/Stoic Rebuttal(SOM)》
3《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(ZEN)》
さて、なぜこの様な変更を加えたのでしょうか?メインデッキにおける違いは1つだけで、《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》が一枚確定カウンターとなっています。確定カウンターの追加はデッキに新たな一面を加えてくれるので気に入っています。アグロデッキに対する《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》の様なカードで、引き増して捜す対象が1つ増えます。確定カウンターの選択肢の中から、最初に除外されたのは《剥奪/Deprive(ROE)》でした。アグロとの対戦において、《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》の着地が遅れるのは望むことではなかったからです。その後に、僕達は《取り消し/Cancel(ALA)》と《冷静な反論/Stoic Rebuttal(SOM)》のどちらを使うべきかの面白い議論をしました。もちろん僕達はこれが些細な違いであることは分かっていますが、議論自体を楽しんだのです(or I did – didn’t you guys?)。僕は《取り消し/Cancel(M11)》派でした。世界選手権の前までは、1枚入れるならば基本的には(アーティファクトの枚数に関係なく)《冷静な反論/Stoic Rebuttal(SOM)》が選ばれていたからです。他のプレイヤーもそういう認識があり、僕達もそれを知っているとみなしているでしょう。なので、《取り消し/Cancel(M11)》を見た対戦相手に、実際よりも多くの確定カウンターがデッキに入っていると思わせることができると考えたのです。一枚しか入れないならば、《冷静な反論/Stoic Rebuttal(SOM)》の方が”上位互換”ですからね。また、サイドボードに同じ名前のカードを入れるか、別なものにするかという選択もありました。僕はカード名をばらけさせることを選びました。手札を見られた後にこちらがタップアウトし、両方のカードを含む手札であった時に《記憶殺し/Memoricide(SOM)》されるシチュエーションを考えてのことです。それぞれが違うカードで、あなたがどちらのカードも使っていると知られた場合よりも確定カウンターが《記憶殺し/Memoricide(SOM)》される可能性は高くなるでしょう。まぁ、些細な違いなのですが。
サイドボードにはもう少し抜本的な改造を施しました。《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》が抜け、そこに《皮裂き/Skinrender(SOM)》を入れたのです。一般論として、より多くの単体除去を入れるほど、全体除去の価値は低くなります。このデッキには単体除去が大量に含まれています。なので《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》は「1対多交換を取ろうとしてダメージをたくさん受けてしまう」または「クリーチャーを各個撃破した後に、このカードを1対1交換に使わざるを得なくなる」ということに陥りがちです。《皮裂き/Skinrender(SOM)》の方がこのデッキの各個撃破戦略によくあいます。僕達が4枚の《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(ZEN)》を使っていた時期は確かにありましたが、より様々な場面に備えて、《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(ZEN)》と《皮裂き/Skinrender(SOM)》を使い分けることにしました。対戦相手が《皮裂き/Skinrender(SOM)》をサイドインした場合に備えてです(大抵のプレイヤーはサイドに入れていなくて、入れているプレイヤーも大抵はサイドインしません。ゲーム2は特にそうです)。しかしながらもし対戦相手が《皮裂き/Skinrender(SOM)》をサイドインした(このデッキを相手にするなら入れるべきです)ならば、こちらの《皮裂き/Skinrender(SOM)》も《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(ZEN)》よりもよいカードになります。(直訳するとちょっと説明が足りない様にも感じられます。夜鷲を互いにサイドインする様なマッチアップにおいてはそれを見越して川崎を入れるということでしょうか。追記:互いにというか、こちらの夜鷲に川崎がきくからこういう話になるのかな)
《漸増爆弾/Ratchet Bomb(SOM)》は直前日に追加されました。Nassifがこれは強力だと主張し続けていたからです。僕達はこのカードが吸血鬼に効き目が薄いことは知っていましたが、クエストアーマーやボロスやその他のデッキにはよく効きます。なので対戦相手の鬼回りに対処できるこのカードを、《皮裂き/Skinrender(SOM)》と《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(ZEN)》を削ったスロットに入れました。また、このカードはあなたが後手で、対戦相手が1t目に《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》、2t目に《鼓動の追跡者/Pulse Tracker(WWK)》や《臓物の予見者/Viscera Seer(M11)》を出した返しにプレイした場合も効果的です。残りのマッチの間、彼らは生きた心地がしないでしょう。
《記憶殺し/Memoricide(SOM)》も解雇されたカードです。僕がホテルについた当初は、このカードがメインデッキに入っていました。僕はこれを笑いましたが、皆がその理由を説明し、それは実際に筋の通ったものでした。が、僕達はすぐに我に返り、サイドに2枚だけ入れる事にしました。さらにその後、僕は忘れていた普遍的真理を思い出しました―「摘出」効果は単純に弱い、という法則です。新しいセットが出るたびに「頭蓋の摘出」的なカードが常に現れ、大いに騒がれます。そのたびに僕はこの手のカードがいかにダメで、こんなものを入れるなら「火の玉」やエルフ(sorry Matt Nass(訳注:彼はスタンダードでエルフデッキを調整してます))を入れた方がずっとマシで、こんなものは子供が使うカードだと説明するのです。
トーナメントが終わった後、僕は確定カウンターを《記憶殺し/Memoricide(SOM)》に優先して入れた自分の決断を大いに喜びました。何人かのチームメイト、特にOwenは《記憶殺し/Memoricide(SOM)》をサイドに取るべきだったと言いましたが。《記憶殺し/Memoricide(SOM)》の問題点はそれを打つためにタップアウトしなくてはならないという点で、これは時に致命的な結果を招きます。なので、基本的にこのスペルを使う際は相手の手札に何があって何が無いのかしっかり考えなくてはなりません。しかしもし《記憶殺し/Memoricide(SOM)》の代わりに確定カウンターを持っていたならば、ただターンを返して対戦相手が唱えた呪文を打ち消せばいいのです!6ターン目に《マナ漏出/Mana Leak(M11)》を構えて《記憶殺し/Memoricide(SOM)》を打つのだとしても、それが確定カウンターより強い場面は殆どありません―相手の手札から2枚以上抜く事ができたばあいだけです。また、《槌のコス/Koth of the Hammer(SOM)》に言及していませんでしたが、このカードは青黒に非常に強いです。このカードに対処する手段としても、1枚の確定カウンターは《記憶殺し/Memoricide(SOM)》よりずっと強いです。4ターン目に《槌のコス/Koth of the Hammer(SOM)》を指定して《記憶殺し/Memoricide(SOM)》を打っても相手によってはデッキに入ってすらいないこともあるからです。もし相手が《槌のコス/Koth of the Hammer(SOM)》を入れていたとしても、《記憶殺し/Memoricide(SOM)》で対処する前に貴方は負けています(あなたが先手で、相手がマナ加速を持っていない場合ももちろんそうです)。《記憶殺し/Memoricide(SOM)》が強力な場面は基本的に下記の2つです:
1) 《ガイアの復讐者/Gaea’s Revenge(M11)》対策として。しかしこのカードへの対処策は《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》、対戦相手を7マナまで到達させない・緑マナを出させない、《精神壊しのしもべ/Mindwrack Liege(EVE)》等十分にあると思います。これ以上の対策が欲しいと感じても、僕は2枚目の《精神壊しの罠/Mindbreak Trap(ZEN)》を1枚目の《記憶殺し/Memoricide(SOM)》より優先させます。
2)《召喚の罠/Summoning Trap(ZEN)》を弱体化できる。しかしそれでも《召喚の罠/Summoning Trap(ZEN)》が恐ろしいカードであることは変わりありません。もし罠が《ガイアの復讐者/Gaea’s Revenge(M11)》や《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》を引き当てないとしても、もう片方の脅威(と《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar(WWK)》)が残っています。相手の脅威全てを《記憶殺し/Memoricide(SOM)》することなどできないので、《召喚の罠/Summoning Trap(ZEN)》の解決を許すことなどできないでしょう。といっても《召喚の罠/Summoning Trap(ZEN)》を解決させざるを得ない場合には空振りするチャンスが増えるので、いい働きをしたことになるのですが。
《瞬間凍結/Flashfreeze(M11)》は主に《槌のコス/Koth of the Hammer(SOM)》を対策するために追加しました。ヴァラクートとの対戦で僕が本当に必要なものは確定カウンターです。相手に土地を10枚並べれないためにも、《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》を着地させないためにも確定カウンターが必要です。《瞬間凍結/Flashfreeze(M11)》は《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition(ZEN)》を打ち消すことができ、《槌のコス/Koth of the Hammer(SOM)》も先手・後手・相手のマナ加速の関係なしに打ち消すことができます。
~ホテルが残念だったとかそういう話(略)~
当日のレポートに続く
原題:PV’s Playhouse – Worlds Top 8: So Standard
Posted by Paulo Vitor Damo da Rosa
December 15, 2010
PVの世界選手権スタンダードラウンドの記事のうちデッキ解説の部分です。前回の直前記事でのデッキからの変更点について語ってくれています。《記憶殺し/Memoricide(SOM)》をかなりディスっています。当日のレポ部分は後日訳そうと思います。
以下本文
Hello!
先週は「これでワールドに出るだろう」というリストを提示しました:
4《定業/Preordain(M11)》
3《破滅の刃/Doom Blade(M11)》
2《見栄え損ない/Disfigure(ZEN)》
4《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》
1《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren(M11)》
4《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek(ROE)》
3《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》
1《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》
4《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》
4《広がりゆく海/Spreading Seas(ZEN)》
4《マナ漏出/Mana Leak(M11)》
4《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit(WWK)》
4《地盤の際/Tectonic Edge(WWK)》
4《闇滑りの岸/Darkslick Shores(SOM)》
4《水没した地下墓地/Drowned Catacomb(M11)》
1《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs(ZEN)》
1《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
1《惑いの迷路/Mystifying Maze(M11)》
4《島/Island》
3《沼/Swamp》
SB
2《見栄え損ない/Disfigure(ZEN)》
3《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(ZEN)》
1《皮裂き/Skinrender(SOM)》
1《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》
2《記憶殺し/Memoricide(SOM)》
2《精神壊しの罠/Mindbreak Trap(ZEN)》
2《強迫/Duress(M11)》
1《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren(M11)》
1《コントロール対策カード/ Card against control (PV)》
そして、最終的には以下のリストでプレイすることにしました:
4《定業/Preordain(M11)》
3《破滅の刃/Doom Blade(M11)》
2《見栄え損ない/Disfigure(ZEN)》
4《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》
1《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren(M11)》
4《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek(ROE)》
3《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》
1《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》
3《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》
4《広がりゆく海/Spreading Seas(ZEN)》
4《マナ漏出/Mana Leak(M11)》
1《取り消し/Cancel(M11)》
4《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit(WWK)》
4《地盤の際/Tectonic Edge(WWK)》
4《闇滑りの岸/Darkslick Shores(SOM)》
4《水没した地下墓地/Drowned Catacomb(M11)》
1《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs(ZEN)》
1《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
1《惑いの迷路/Mystifying Maze(M11)》
4《島/Island》
3《沼/Swamp》
SB
1《剥奪/Deprive(ROE)》
2《見栄え損ない/Disfigure(ZEN)》
1《強迫/Duress(M11)》
1《瞬間凍結/Flashfreeze(M11)》
1《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren(M11)》
1《精神壊しの罠/Mindbreak Trap(ZEN)》
1《漸増爆弾/Ratchet Bomb(SOM)》
2《皮裂き/Skinrender(SOM)》
1《呪文貫き/Spell Pierce(ZEN)》
1《冷静な反論/Stoic Rebuttal(SOM)》
3《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(ZEN)》
さて、なぜこの様な変更を加えたのでしょうか?メインデッキにおける違いは1つだけで、《海門の神官/Sea Gate Oracle(ROE)》が一枚確定カウンターとなっています。確定カウンターの追加はデッキに新たな一面を加えてくれるので気に入っています。アグロデッキに対する《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》の様なカードで、引き増して捜す対象が1つ増えます。確定カウンターの選択肢の中から、最初に除外されたのは《剥奪/Deprive(ROE)》でした。アグロとの対戦において、《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》の着地が遅れるのは望むことではなかったからです。その後に、僕達は《取り消し/Cancel(ALA)》と《冷静な反論/Stoic Rebuttal(SOM)》のどちらを使うべきかの面白い議論をしました。もちろん僕達はこれが些細な違いであることは分かっていますが、議論自体を楽しんだのです(or I did – didn’t you guys?)。僕は《取り消し/Cancel(M11)》派でした。世界選手権の前までは、1枚入れるならば基本的には(アーティファクトの枚数に関係なく)《冷静な反論/Stoic Rebuttal(SOM)》が選ばれていたからです。他のプレイヤーもそういう認識があり、僕達もそれを知っているとみなしているでしょう。なので、《取り消し/Cancel(M11)》を見た対戦相手に、実際よりも多くの確定カウンターがデッキに入っていると思わせることができると考えたのです。一枚しか入れないならば、《冷静な反論/Stoic Rebuttal(SOM)》の方が”上位互換”ですからね。また、サイドボードに同じ名前のカードを入れるか、別なものにするかという選択もありました。僕はカード名をばらけさせることを選びました。手札を見られた後にこちらがタップアウトし、両方のカードを含む手札であった時に《記憶殺し/Memoricide(SOM)》されるシチュエーションを考えてのことです。それぞれが違うカードで、あなたがどちらのカードも使っていると知られた場合よりも確定カウンターが《記憶殺し/Memoricide(SOM)》される可能性は高くなるでしょう。まぁ、些細な違いなのですが。
サイドボードにはもう少し抜本的な改造を施しました。《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》が抜け、そこに《皮裂き/Skinrender(SOM)》を入れたのです。一般論として、より多くの単体除去を入れるほど、全体除去の価値は低くなります。このデッキには単体除去が大量に含まれています。なので《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》は「1対多交換を取ろうとしてダメージをたくさん受けてしまう」または「クリーチャーを各個撃破した後に、このカードを1対1交換に使わざるを得なくなる」ということに陥りがちです。《皮裂き/Skinrender(SOM)》の方がこのデッキの各個撃破戦略によくあいます。僕達が4枚の《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(ZEN)》を使っていた時期は確かにありましたが、より様々な場面に備えて、《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(ZEN)》と《皮裂き/Skinrender(SOM)》を使い分けることにしました。対戦相手が《皮裂き/Skinrender(SOM)》をサイドインした場合に備えてです(大抵のプレイヤーはサイドに入れていなくて、入れているプレイヤーも大抵はサイドインしません。ゲーム2は特にそうです)。しかしながらもし対戦相手が《皮裂き/Skinrender(SOM)》をサイドインした(このデッキを相手にするなら入れるべきです)ならば、こちらの《皮裂き/Skinrender(SOM)》も《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(ZEN)》よりもよいカードになります。(直訳するとちょっと説明が足りない様にも感じられます。夜鷲を互いにサイドインする様なマッチアップにおいてはそれを見越して川崎を入れるということでしょうか。追記:互いにというか、こちらの夜鷲に川崎がきくからこういう話になるのかな)
《漸増爆弾/Ratchet Bomb(SOM)》は直前日に追加されました。Nassifがこれは強力だと主張し続けていたからです。僕達はこのカードが吸血鬼に効き目が薄いことは知っていましたが、クエストアーマーやボロスやその他のデッキにはよく効きます。なので対戦相手の鬼回りに対処できるこのカードを、《皮裂き/Skinrender(SOM)》と《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk(ZEN)》を削ったスロットに入れました。また、このカードはあなたが後手で、対戦相手が1t目に《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》、2t目に《鼓動の追跡者/Pulse Tracker(WWK)》や《臓物の予見者/Viscera Seer(M11)》を出した返しにプレイした場合も効果的です。残りのマッチの間、彼らは生きた心地がしないでしょう。
《記憶殺し/Memoricide(SOM)》も解雇されたカードです。僕がホテルについた当初は、このカードがメインデッキに入っていました。僕はこれを笑いましたが、皆がその理由を説明し、それは実際に筋の通ったものでした。が、僕達はすぐに我に返り、サイドに2枚だけ入れる事にしました。さらにその後、僕は忘れていた普遍的真理を思い出しました―「摘出」効果は単純に弱い、という法則です。新しいセットが出るたびに「頭蓋の摘出」的なカードが常に現れ、大いに騒がれます。そのたびに僕はこの手のカードがいかにダメで、こんなものを入れるなら「火の玉」やエルフ(sorry Matt Nass(訳注:彼はスタンダードでエルフデッキを調整してます))を入れた方がずっとマシで、こんなものは子供が使うカードだと説明するのです。
トーナメントが終わった後、僕は確定カウンターを《記憶殺し/Memoricide(SOM)》に優先して入れた自分の決断を大いに喜びました。何人かのチームメイト、特にOwenは《記憶殺し/Memoricide(SOM)》をサイドに取るべきだったと言いましたが。《記憶殺し/Memoricide(SOM)》の問題点はそれを打つためにタップアウトしなくてはならないという点で、これは時に致命的な結果を招きます。なので、基本的にこのスペルを使う際は相手の手札に何があって何が無いのかしっかり考えなくてはなりません。しかしもし《記憶殺し/Memoricide(SOM)》の代わりに確定カウンターを持っていたならば、ただターンを返して対戦相手が唱えた呪文を打ち消せばいいのです!6ターン目に《マナ漏出/Mana Leak(M11)》を構えて《記憶殺し/Memoricide(SOM)》を打つのだとしても、それが確定カウンターより強い場面は殆どありません―相手の手札から2枚以上抜く事ができたばあいだけです。また、《槌のコス/Koth of the Hammer(SOM)》に言及していませんでしたが、このカードは青黒に非常に強いです。このカードに対処する手段としても、1枚の確定カウンターは《記憶殺し/Memoricide(SOM)》よりずっと強いです。4ターン目に《槌のコス/Koth of the Hammer(SOM)》を指定して《記憶殺し/Memoricide(SOM)》を打っても相手によってはデッキに入ってすらいないこともあるからです。もし相手が《槌のコス/Koth of the Hammer(SOM)》を入れていたとしても、《記憶殺し/Memoricide(SOM)》で対処する前に貴方は負けています(あなたが先手で、相手がマナ加速を持っていない場合ももちろんそうです)。《記憶殺し/Memoricide(SOM)》が強力な場面は基本的に下記の2つです:
1) 《ガイアの復讐者/Gaea’s Revenge(M11)》対策として。しかしこのカードへの対処策は《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》、対戦相手を7マナまで到達させない・緑マナを出させない、《精神壊しのしもべ/Mindwrack Liege(EVE)》等十分にあると思います。これ以上の対策が欲しいと感じても、僕は2枚目の《精神壊しの罠/Mindbreak Trap(ZEN)》を1枚目の《記憶殺し/Memoricide(SOM)》より優先させます。
2)《召喚の罠/Summoning Trap(ZEN)》を弱体化できる。しかしそれでも《召喚の罠/Summoning Trap(ZEN)》が恐ろしいカードであることは変わりありません。もし罠が《ガイアの復讐者/Gaea’s Revenge(M11)》や《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》を引き当てないとしても、もう片方の脅威(と《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar(WWK)》)が残っています。相手の脅威全てを《記憶殺し/Memoricide(SOM)》することなどできないので、《召喚の罠/Summoning Trap(ZEN)》の解決を許すことなどできないでしょう。といっても《召喚の罠/Summoning Trap(ZEN)》を解決させざるを得ない場合には空振りするチャンスが増えるので、いい働きをしたことになるのですが。
《瞬間凍結/Flashfreeze(M11)》は主に《槌のコス/Koth of the Hammer(SOM)》を対策するために追加しました。ヴァラクートとの対戦で僕が本当に必要なものは確定カウンターです。相手に土地を10枚並べれないためにも、《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》を着地させないためにも確定カウンターが必要です。《瞬間凍結/Flashfreeze(M11)》は《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition(ZEN)》を打ち消すことができ、《槌のコス/Koth of the Hammer(SOM)》も先手・後手・相手のマナ加速の関係なしに打ち消すことができます。
~ホテルが残念だったとかそういう話(略)~
当日のレポートに続く
コメント
皮裂きは、青黒が苦手そうな復讐蔦もある程度止めることができて良いカードですね。
こちらもリンクさせてもらいました、よろしくお願いします。