翻訳:スタンダードの仮想敵(Silvestri Says – Standard Decks to Beat)①青黒コントロール/青緑赤コントロール/緑白クエスト
2010年11月27日 翻訳:構築 コメント (2)http://www.channelfireball.com/home/silvestri-says-standard-decks-to-beat/
Silvestri Says – Standard Decks to Beat
Posted by Josh Silvestri
November 22, 2010
Josh Silvestriによるスタンダードの仮想敵の説明です。スタンダードでよく見られる、青黒コントロール/青緑赤コントロール/緑白クエスト/ヴァラクート/赤黒吸血鬼について解説しています。今週の公式での津村氏の記事と趣向が似ているので、比べてみると面白いかもしれません。
この人の英語はすごく苦手で、僕には凄く構文が取りにくいです。前の緑白クエストの記事も、ああいった具体的な情報は有用だと思うので訳そうと思ったのですが、挫折したのです。なので、今回は結構フィーリングも含めて訳してしまっています。前後のつながりから多分間違ってはないと思うのですが…怪しいところは相変わらず原文併記です。見苦しいかもしれませんが、ご了承ください。2回に分けます。
以下本文
今週は最先端のテクニックの紹介ではなく、スタンダードのベストなデッキ5つについて私見を述べたいと思います。率直に言って、全てのデッキにおいて私がベストな書き手というわけではありません。しかしながら、私はこれらのデッキを様々なデッキ相手によく使って/使われています。なので、いくつかの観点からこれらのデッキを評価できると思います。私の用いたデッキリストは尖らせておらず、そのアーキタイプの典型的なものであることに留意してください。
青黒コントロール
4 《地盤の際/Tectonic Edge(WWK)》
4 《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit(WWK)》
4 《闇滑りの岸/Darkslick Shores(SOM)》
4 《水没した地下墓地/Drowned Catacomb(M11)》
3 《島/Island》
2 《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
3 《沼/Swamp(SOM)》
2 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs(ZEN)》
3 《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor(WWK)》
3 《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》
3 《漸増爆弾/Ratchet Bomb(SOM)》
4 《破滅の刃/Doom Blade(M11)》
4 《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice(WWK)》
2 《乱動への突入/Into the Roil(ZEN)》
1 《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren(M11)》
4 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》
4 《マナ漏出/Mana Leak(M11)》
4 《定業/Preordain(M11)》
2 《ミミックの大桶/Mimic Vat(SOM)》
Sideboard
2 《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》
2 《呪文貫き/Spell Pierce(ZEN)》
1 《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren(M11)》
3 《見栄え損ない/Disfigure(ZEN)》
4 《強迫/Duress(M11)》
3 《記憶殺し/Memoricide(SOM)》
Decklist by Nova_
4 《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit(WWK)》
4 《闇滑りの岸/Darkslick Shores(SOM)》
4 《水没した地下墓地/Drowned Catacomb(M11)》
4 《島/Island》
2 《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
3 《沼/Swamp》
3 《地盤の際/Tectonic Edge(WWK)》
1 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs(ZEN)》
2 《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor(WWK)》
2 《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》
3 《粗石の魔道士/Trinket Mage(SOM)》
1 《脆い彫像/Brittle Effigy(M11)》
1 《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》
1 《消耗の蒸気/Consuming Vapors(ROE)》
2 《見栄え損ない/Disfigure(ZEN)》
3 《破滅の刃/Doom Blade(M11)》
1 《不死の霊薬/Elixir of Immortality(M11)》
2 《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice(WWK)》
4 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》
4 《マナ漏出/Mana Leak(M11)》
4 《定業/Preordain(M11)》
2 《漸増爆弾/Ratchet Bomb(SOM)》
3 《広がりゆく海/Spreading Seas(ZEN)》
Sideboard
2 《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》
2 《見栄え損ない/Disfigure(ZEN)》
3 《強迫/Duress(M11)》
2 《瞬間凍結/Flashfreeze(M11)》
2 《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren(M11)》
2 《記憶殺し/Memoricide(SOM)》
2 《精神壊しの罠/Mindbreak Trap(ZEN)》
要約: ご存知のように、このデッキはMOを含む沢山のトーナメントにおいて何度もTop8に残っています。このデッキの鍵は、強力な除去呪文をジェイス及び《定業/Preordain(M11)》からなるドローエンジンのバックアップを用いて使い倒すことにあります。以前のリストからの特筆すべき変更点は、まずメインデッキへの《見栄え損ない/Disfigure(ZEN)》の採用です。これは最近増えている《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZEN)》と《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya(ZEN)》を除去するためです。また、フィニッシャーを《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》に変更したことです。《霜のタイタン/Frost Titan(M11)》が軽視され始めている、という考察を読んだのですが、最初は信じられませんでした。《破滅の刃/Doom Blade(M11)》や、《反逆の印/Mark of Mutiny(ZEN)》*に耐性があり、対戦相手の攻撃をシャットダウンできるクリーチャーが採用されているのを頻繁に目にするうちに、合点がいく様になりました。これは、このリストが大量のクリーチャーによるビートダウンを想定していない事と矛盾している様に感じるかもしれません。しかし奇妙な話ですが、人々はどんな地獄と感じてもただ何度もプレイするだけで、それらのリストにはクリーチャーが沢山含まれています。(ここは本当に意味が分からないまま訳。下部2文は:It might sound contradictory when many of the decks on this list don’t care about playing a multitude of creatures, but oddly enough people will frequently just play whatever the hell they feel like and those lists typically include lots of creatures.)
*もちろん、《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》に《反逆の印/Mark of Mutiny(ZEN)》を打つことはできます。しかし、少なくともそのターン生き残るためのブロッカーを確保できているでしょう。他のタイタンだとこれが解決された時点でゲームが終わることもよくあります。
このデッキの強みは大分小さくなってしまいましたが、それでも《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZEN)》のサポートのないコントロールデッキを使いたい人にはこのデッキをお薦めします。青黒は依然強力なドローと除去とフィニッシャーを誇っています。また、強力なサイドボードのカードで苦手なデッキとの相性を改善できることこそが強みなのかもしれません。
弱点: 吸血鬼/ヴァラクート(多少)
吸血鬼デッキを実際に使ってみたり、MOでVampireを使って成功した人のリプレイを見たりしましたが、私にとって非常に印象深かったのは吸血鬼デッキの青黒コントロールに対する相性のよさでした。《破滅の刃/Doom Blade(M11)》への耐性は大きな助けになりますが、このデッキは個々のカードが強力で、UB側にとって相手をガス欠に陥らせるのは不可能でしょう。赤黒型に弱いのは言うまでもなく、《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》で一掃してタイタンで勝つ、というプランすらも、《カラストリアの貴人/Kalastria Highborn(WWK)》とマナが立っていたらかなり難しくなるでしょう。赤黒吸血鬼について言えば、バーンスペルと《反逆の印/Mark of Mutiny(ZEN)》というカードの存在が更なるアドバンテージとなります。これらのカードはゲームをひっくり返せる上に、青黒側にとって常に脅威となるカードです。このデッキは速いターンに小さいクリーチャーを大量に繰り出せて、かつゲーム終了時までそれを維持できる、数少ないビートダウンデッキのひとつです。
ヴァラクートとエルドラージ・ランプはどちらもコントロールしきれるマッチアップだと胸を張れます。しかし、かなり手札に依存するマッチアップでもあります。サイドボーディング後のゲームにおいては、UB側がいかに上手く《召喚の罠/Summoning Trap(ZEN)》に対処できるかに帰着することがあります。プレイングと同時に手札の強さも重要となるのです。また、マッチの焦点はランプ側の手札の濃度(how much gas the ramp player has)にも依存し、ドローエンジンがなければ青黒に対する《一枚岩の努力/Concerted Effort(RAV)》を維持するのは難しいでしょう。
赤青緑コントロール
3《銅線の地溝/Copperline Gorge(SOM)》
4《森/Forest》
2《ハリマーの深み/Halimar Depths(WWK)》
4《島/Island》
4《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
2《山/Mountain》
4《怒り狂う山峡/Raging Ravine(WWK)》
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn(ZEN)》
2《霜のタイタン/Frost Titan(M11)》
2《業火のタイタン/Inferno Titan(M11)》
2《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar(WWK)》
4《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZEN)》
3《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya(ZEN)》
4《探検/Explore(WWK)》
4《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》
4《稲妻/Lightning Bolt(M11)》
4《マナ漏出/Mana Leak(M11)》
4《定業/Preordain(M11)》
Sideboard
2《瞬間凍結/Flashfreeze(M11)》
4《電弧の痕跡/Arc Trail(SOM)》
3《漸増爆弾/Ratchet Bomb(SOM)》
4《強情なベイロス/Obstinate Baloth(M11)》
2《呪文貫き/Spell Pierce(ZEN)》
要約:《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》と《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZEN)》を使うデッキの中で、このデッキが世界選手権において最も人気がでると私は考えています。他のデッキが用意する脅威に対して一抹の不安はありますが、このデッキのエンジンが環境で飛びぬけて強いことは否定できないでしょう。多様な緑のクリーチャーが生き残れば対戦相手を展開で圧倒できるというだけでなく、環境で最もジェイスを上手く使えるデッキでもあります。なぜこのデッキには環境最強のプレインズウォーカーが入っているのでしょう?莫大なマナをゲーム序盤に生成できるので、引き増したカードを無駄なく使うことができるのです。どんな土地カードもすぐさま更なるリソースに変換できるので、本当に無駄カードになりうるのは《稲妻/Lightning Bolt(M11)》くらいしかありません。また、《電弧の痕跡/Arc Trail(SOM)》と《紅蓮地獄/Pyroclasm(M11)》が取れるので、UWやUBよりも吸血鬼への耐性があります。これらは他の一掃系のカードより速く打つことができ、《強情なベイロス/Obstinate Baloth(M11)》や他のフィニッシャーと共に使うことができます。
フィニッシャーについて言えば、今の環境では数枚の《業火のタイタン/Inferno Titan(M11)》をメインに入れるべきだと考えています。世界選手権では白クエスト、ボロス、ゴブナイト、そして吸血鬼等は妥当な選択肢となるでしょう。そのため、即座に場に影響を与えられる6マナクリーチャーは、今以上に適切なカードとなるはずです。屈強なボディとクリーチャー1体を戦闘からどかせる能力だけでは十分とはいえません。一方で、《業火のタイタン/Inferno Titan(M11)》は1ターンで場を壊滅させることができます。
弱点: 白+何かのクエスト/赤 /吸血鬼
上で述べたことと関連しますが、このデッキの悩みどころは速攻戦略に弱いところです。盤面への干渉力の少なさを、メインに《電弧の痕跡/Arc Trail(SOM)》と《紅蓮地獄/Pyroclasm(M11)》を取ることで埋め合わせているプレイヤーもいます。確かに助けにはなりますが、これでマッチの相性を逆転できるとは言えませんし、このデッキは無駄なドローを増やしたくありません(読点以降怪しいです。原文:the deck won’t get blown out by less absurd draws)。
白ウィニーについては、サイドボード後は問題のないマッチアップだと見なしています。しかし、メインデッキのスペースのなさ、そして報復者以外のフィニッシャーの弱さが問題として残ります。最近は皆クエストを意識するようになり、その対策として《自然の要求/Nature’s Claim(WWK)》を使っています。このカードはMOでのメタゲームにおいては、優秀な選択肢です。また私は、黒赤吸血鬼や赤単が予想されるメタゲームにおいては、サイドボードの《強情なベイロス/Obstinate Baloth(M11)》を増量します。
吸血鬼について言えば、私自身は序盤の速攻への回答策が十分にあると考えています。完璧ではなく、依然苦しいマッチではありますが。kaOz.Zehは吸血鬼デッキでコンスタントな成績を上げていますが、彼は赤青緑コントロールとのマッチを「不戦勝」とまで言い切ります。そういう意見があることも示しておきます。
緑白クエスト
4《メムナイト/Memnite(SOM)》
4《羽ばたき飛行機械/Ornithopter(M11)》
3《極楽鳥/Birds of Paradise(M11)》
4《獣相のシャーマン/Fauna Shaman(M11)》
4《きらめく鷹/Glint Hawk (SOM)》
4《戦隊の鷹/Squadron Hawk(M11)》
4《復讐蔦/Vengevine(ROE)》
4《聖なる秘宝の探索/Quest for the Holy Relic(ZEN)》
2《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》
2《アージェンタムの鎧/Argentum Armor(SOM)》
2《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind(SOM)》
5《森/Forest》
8《平地/Plains》
4《剃刀境の茂み/Razorverge Thicket(SOM)》
4《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove(M11)》
2《活発な野生林/Stirring Wildwood(WWK)》
Sideboard
2《静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence Linvala, Keeper of Silence(ROE)》
2《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》
3《屈折の罠/Refraction Trap(WWK)》
3《真心の光を放つ者/Devout Lightcaster(ZEN)》
3《コーの火歩き/Kor Firewalker(WWK)》
1《テューンの戦僧/War Priest of Thune(M11)》
1《コーの奉納者/Kor Sanctifiers(ZEN)》
要約:これについては包括的な記事を書きました
(http://www.channelfireball.com/articles/silvesti-says-hawks-times-hawks-equals-victory/)。このデッキは現実的な”鬼回り(nut draws)”ができる環境唯一のデッキで、《聖なる秘宝の探索/Quest for the Holy Relic(ZEN)》のおかげでどのデッキにも勝ちえる点が長所です。また、《復讐蔦/Vengevine(ROE)》を用いた合理的な第2の勝ち筋があります。これはコントロールとのマッチアップや、あらゆる類の消耗戦において驚異的な力を発揮します。2つの強力なゲームプランと、サイドボード後の《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind(SOM)》をフルに活用する(青いデッキ相手の)第3のプランによって、環境最強のアグロデッキと言うことができるでしょう。
このデッキについて明確にしておきたい事が、まだいくつかあります。特にこのデッキの強さを疑う白単クエスト使いに対して。まず、平均的な白単クエストに比べて、なぜだか(somehow)著しく速度が落ちるという不満があります。It isn’t in any major fashion; どちらのデッキも0マナのクリーチャーを8枚、《きらめく鷹/Glint Hawk》4枚と追加の1マナクリーチャーを数枚入れています。スピードの差を生む唯一の違いは、白単側は《コーの空漁師/Kor Skyfisher(ZEN)》をフル投入しているのに対し、緑白にはそれが採用されていない点です。このカードによって白単クエストは、緑白版より3ターン目のクエスト達成がしやすくなっています。このカードによって、《きらめく鷹/Glint Hawk》の数が二倍になっている様なものだからです。大局的にみれば些細な違いであり、過剰に心配する(freak out)ようなことではないと思います。
この批判は少なくとも現実的な根拠があるのですが、《獣相のシャーマン/Fauna Shaman(M11)》が死に易いから使えない、ですと?それ程でもないけど…では、《獣相のシャーマン/Fauna Shaman(M11)》をどう扱うかについて教えましょう:彼女は《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZEN)》の様なものです。《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZEN)》を使った人なら誰でも分かると思いますが、こいつはすぐ死にます。よく死にます。殺される理由は、このカードが生きたまま次のアンタップを迎えることができれば、あなたは数ターン後には大抵勝っているからです。これは《獣相のシャーマン/Fauna Shaman(M11)》も同じで、そこがデッキ内の他のクリーチャーより強力な理由なのです。このカードは《コーの空漁師/Kor Skyfisher(ZEN)》の様に即座に影響を与える(少なくとも《聖なる秘宝の探索/Quest for the Holy Relic(ZEN)》が場にある必要があります)ことはできません。しかしシャーマンが生き延びれば、《聖なる秘宝の探索/Quest for the Holy Relic(ZEN)》があろうがなかろうが莫大なアドバンテージが得られます。たとえ対戦相手を叩きのめすための《きらめく鷹/Glint Hawk》や、《メムナイト/Memnite(SOM)》や、《復讐蔦/Vengevine(ROE)》を持ってくる必要がなかったとしても、サイドボード後のベストなアクションとして、《真心の光を放つ者/Devout Lightcaster(ZEN)》や、《コーの火歩き/Kor Firewalker(WWK)》や、《静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence Linvala, Keeper of Silence(ROE)》を持ってこられる様になります。対戦相手がシャーマンに対処するまで、毎ターン狂ったようにアドバンテージを得ることができるのです。
私が聞いた、このデッキに対するまともな根拠を持った最後の批判は、「白単ほど装備品中心に組まれていないからその分弱くなっている」というものです。後でも述べますが、《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》と《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind(SOM)》はメインデッキに入れるべき、というものです。先週も話しましたが、これをメインにいれた構成にすることはできます。しかし、その構成にはそれほど心惹かれませんし、なぜ皆がそんなにそれが好きなのかもよく分かりません。《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》は超遅い。プレイするのに大抵は丸々1ターン喰いますし、持って来た装備品を出すのにまた1ターン掛かって、そして装備して実際に使えるようになるまではまた1ターン掛かります。3ターンも空費することになり、ゲーム後半にプレイしたとしても2ターン掛かるでしょう。こういうターンの使い方をしたくないので、《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》とその周辺のパーツをデッキに入れたいと思わないのです。サイドボード後の2,3戦目ですら、入れないこともあります。このデッキには既に強力な勝ち手段が複数あり、《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind(SOM)》を装備しようとするより、《復讐蔦/Vengevine(ROE)》を使う方が除去に強くなる場合が多いのです。
《コーの装具役/Kor Outfitter(ZEN)》もまた、皆が何故使っているのか理解できないカードです。これが役に立つのは非常に場面が限られています。《アージェンタムの鎧/Argentum Armor(SOM)》が着地したものの装備者が殺された場合、または石鍛冶を経由したおっそいルートを選択した場合だけです。問題は、このカードが「《破滅の刃/Doom Blade(M11)》された場合の対策」だということで、そんなものは《クソなる事態の探索/Questing for the damn thing (原文)》であるということです。他の場合においては、能力なしの2/2をプレイすることは何の役にも立ちません。もし貴方がどうしてもこのカードを使いたいのなら、その非常に限られた場面のシルバーバレット用として使うのがいいでしょう。
弱点: ヴァラクート/ 青白コントロール
恐らく、ヴァラクートはこの環境で最も相性の悪いマッチアップでしょう;3ターン目のクエストアーマーで土地を壊せなければ、彼らが最良のドローをした場合にビートしきれません。問題は、《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》がもたらすアドバンテージは貴方のデッキと真っ向勝負するものではなく、タイタンは真っ直ぐに貴方を倒しにくるということです。トリックもブラフ(Bsing)も無しに –貴方は大抵5~6ターン目に殺されるのです。それも、こちらが邪魔できない手段で。《聖なる秘宝の探索/Quest for the Holy Relic(ZEN)》を序盤に引いても、そのインパクトは《電弧の痕跡/Arc Trail(SOM)》と《紅蓮地獄/Pyroclasm(M11)》によって著しく削がれてしまいます。しかし、《屈折の罠/Refraction Trap(WWK)》があれば十分にゲームを続けることができます。また、単純にヴァラクート側が、弱い初手をキープして、貴方を倒す有効牌が一切引けないという場合もあります。私も、ヴァラクート側が5ターン目の《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar(WWK)》または《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine(SOM)》以外の有効なアクションがなく、フライヤーと《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind(SOM)》のおかげで殴り倒せたことが多々あります。
青白コンはベストなドローができればチョロい(dickish)マッチアップです。しかし、このデッキはあなたの持ち駒とトリックに対して、潜在的な回答策を十分に持っています。《アージェンタムの鎧/Argentum Armor(SOM)》への《乱動への突入/Into the Roil(ZEN)》。《復讐蔦/Vengevine(ROE)》への《糾弾/Condemn(M11)》。毎ターン、《獣相のシャーマン/Fauna Shaman(M11)》に合わせられる《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》。サイド後の漸増爆弾/Ratchet Bomb(SOM)》(メインに入っていることすらあります)は探索を台無しにするかって?もちのロンです。さらに、《悪斬の天使/Baneslayer Angel(M11)》が出てきただけでも大問題となります。《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind(SOM)》は過去のシリーズと違って天使と戦えませんし、彼女の絆魂はダメージレースを最も難しくする存在です。もし《復讐蔦/Vengevine(ROE)》が《糾弾/Condemn(M11)》されなければ、なんとかなる可能性はあります。貴方にとって一つ有利なのは、《戦隊の鷹/Squadron Hawk(M11)》、《復讐蔦/Vengevine(ROE)》、そして《獣相のシャーマン/Fauna Shaman(M11)》は多くのカードアドバンテージを稼ぐことができるので、相手からすれば1対1交換が取りづらいということです。それでも、緑白にとっては最悪なマッチアップです。
従来のボロスも、サイドボードに首輪魔道士を取っている場合は難しくなります。しかし正直に言えば、アップデートされたサイドボードによって相性は良くなっています。ボロスは今だ序盤のクエストへの強力な対策を持っていません。《屈折の罠/Refraction Trap(WWK)》で《獣相のシャーマン/Fauna Shaman(M11)》を守り、《コーの火歩き/Kor Firewalker(WWK)》やリンヴァーラに繋げられれば、(ボロス側の、首輪魔道士による)従来のコントロールがそのまま(ボロス側の)勝ち手段となるわけではありません。リンヴァーラは、数枚の《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》かキッカー付き《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》(いわゆる《のろい稲妻/Slow Lightning(原文)》)でしか対処されません。
続く
Silvestri Says – Standard Decks to Beat
Posted by Josh Silvestri
November 22, 2010
Josh Silvestriによるスタンダードの仮想敵の説明です。スタンダードでよく見られる、青黒コントロール/青緑赤コントロール/緑白クエスト/ヴァラクート/赤黒吸血鬼について解説しています。今週の公式での津村氏の記事と趣向が似ているので、比べてみると面白いかもしれません。
この人の英語はすごく苦手で、僕には凄く構文が取りにくいです。前の緑白クエストの記事も、ああいった具体的な情報は有用だと思うので訳そうと思ったのですが、挫折したのです。なので、今回は結構フィーリングも含めて訳してしまっています。前後のつながりから多分間違ってはないと思うのですが…怪しいところは相変わらず原文併記です。見苦しいかもしれませんが、ご了承ください。2回に分けます。
以下本文
今週は最先端のテクニックの紹介ではなく、スタンダードのベストなデッキ5つについて私見を述べたいと思います。率直に言って、全てのデッキにおいて私がベストな書き手というわけではありません。しかしながら、私はこれらのデッキを様々なデッキ相手によく使って/使われています。なので、いくつかの観点からこれらのデッキを評価できると思います。私の用いたデッキリストは尖らせておらず、そのアーキタイプの典型的なものであることに留意してください。
青黒コントロール
4 《地盤の際/Tectonic Edge(WWK)》
4 《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit(WWK)》
4 《闇滑りの岸/Darkslick Shores(SOM)》
4 《水没した地下墓地/Drowned Catacomb(M11)》
3 《島/Island》
2 《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
3 《沼/Swamp(SOM)》
2 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs(ZEN)》
3 《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor(WWK)》
3 《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》
3 《漸増爆弾/Ratchet Bomb(SOM)》
4 《破滅の刃/Doom Blade(M11)》
4 《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice(WWK)》
2 《乱動への突入/Into the Roil(ZEN)》
1 《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren(M11)》
4 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》
4 《マナ漏出/Mana Leak(M11)》
4 《定業/Preordain(M11)》
2 《ミミックの大桶/Mimic Vat(SOM)》
Sideboard
2 《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》
2 《呪文貫き/Spell Pierce(ZEN)》
1 《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren(M11)》
3 《見栄え損ない/Disfigure(ZEN)》
4 《強迫/Duress(M11)》
3 《記憶殺し/Memoricide(SOM)》
Decklist by Nova_
4 《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit(WWK)》
4 《闇滑りの岸/Darkslick Shores(SOM)》
4 《水没した地下墓地/Drowned Catacomb(M11)》
4 《島/Island》
2 《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
3 《沼/Swamp》
3 《地盤の際/Tectonic Edge(WWK)》
1 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs(ZEN)》
2 《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor(WWK)》
2 《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》
3 《粗石の魔道士/Trinket Mage(SOM)》
1 《脆い彫像/Brittle Effigy(M11)》
1 《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》
1 《消耗の蒸気/Consuming Vapors(ROE)》
2 《見栄え損ない/Disfigure(ZEN)》
3 《破滅の刃/Doom Blade(M11)》
1 《不死の霊薬/Elixir of Immortality(M11)》
2 《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice(WWK)》
4 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》
4 《マナ漏出/Mana Leak(M11)》
4 《定業/Preordain(M11)》
2 《漸増爆弾/Ratchet Bomb(SOM)》
3 《広がりゆく海/Spreading Seas(ZEN)》
Sideboard
2 《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》
2 《見栄え損ない/Disfigure(ZEN)》
3 《強迫/Duress(M11)》
2 《瞬間凍結/Flashfreeze(M11)》
2 《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren(M11)》
2 《記憶殺し/Memoricide(SOM)》
2 《精神壊しの罠/Mindbreak Trap(ZEN)》
要約: ご存知のように、このデッキはMOを含む沢山のトーナメントにおいて何度もTop8に残っています。このデッキの鍵は、強力な除去呪文をジェイス及び《定業/Preordain(M11)》からなるドローエンジンのバックアップを用いて使い倒すことにあります。以前のリストからの特筆すべき変更点は、まずメインデッキへの《見栄え損ない/Disfigure(ZEN)》の採用です。これは最近増えている《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZEN)》と《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya(ZEN)》を除去するためです。また、フィニッシャーを《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》に変更したことです。《霜のタイタン/Frost Titan(M11)》が軽視され始めている、という考察を読んだのですが、最初は信じられませんでした。《破滅の刃/Doom Blade(M11)》や、《反逆の印/Mark of Mutiny(ZEN)》*に耐性があり、対戦相手の攻撃をシャットダウンできるクリーチャーが採用されているのを頻繁に目にするうちに、合点がいく様になりました。これは、このリストが大量のクリーチャーによるビートダウンを想定していない事と矛盾している様に感じるかもしれません。しかし奇妙な話ですが、人々はどんな地獄と感じてもただ何度もプレイするだけで、それらのリストにはクリーチャーが沢山含まれています。(ここは本当に意味が分からないまま訳。下部2文は:It might sound contradictory when many of the decks on this list don’t care about playing a multitude of creatures, but oddly enough people will frequently just play whatever the hell they feel like and those lists typically include lots of creatures.)
*もちろん、《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》に《反逆の印/Mark of Mutiny(ZEN)》を打つことはできます。しかし、少なくともそのターン生き残るためのブロッカーを確保できているでしょう。他のタイタンだとこれが解決された時点でゲームが終わることもよくあります。
このデッキの強みは大分小さくなってしまいましたが、それでも《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZEN)》のサポートのないコントロールデッキを使いたい人にはこのデッキをお薦めします。青黒は依然強力なドローと除去とフィニッシャーを誇っています。また、強力なサイドボードのカードで苦手なデッキとの相性を改善できることこそが強みなのかもしれません。
弱点: 吸血鬼/ヴァラクート(多少)
吸血鬼デッキを実際に使ってみたり、MOでVampireを使って成功した人のリプレイを見たりしましたが、私にとって非常に印象深かったのは吸血鬼デッキの青黒コントロールに対する相性のよさでした。《破滅の刃/Doom Blade(M11)》への耐性は大きな助けになりますが、このデッキは個々のカードが強力で、UB側にとって相手をガス欠に陥らせるのは不可能でしょう。赤黒型に弱いのは言うまでもなく、《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》で一掃してタイタンで勝つ、というプランすらも、《カラストリアの貴人/Kalastria Highborn(WWK)》とマナが立っていたらかなり難しくなるでしょう。赤黒吸血鬼について言えば、バーンスペルと《反逆の印/Mark of Mutiny(ZEN)》というカードの存在が更なるアドバンテージとなります。これらのカードはゲームをひっくり返せる上に、青黒側にとって常に脅威となるカードです。このデッキは速いターンに小さいクリーチャーを大量に繰り出せて、かつゲーム終了時までそれを維持できる、数少ないビートダウンデッキのひとつです。
ヴァラクートとエルドラージ・ランプはどちらもコントロールしきれるマッチアップだと胸を張れます。しかし、かなり手札に依存するマッチアップでもあります。サイドボーディング後のゲームにおいては、UB側がいかに上手く《召喚の罠/Summoning Trap(ZEN)》に対処できるかに帰着することがあります。プレイングと同時に手札の強さも重要となるのです。また、マッチの焦点はランプ側の手札の濃度(how much gas the ramp player has)にも依存し、ドローエンジンがなければ青黒に対する《一枚岩の努力/Concerted Effort(RAV)》を維持するのは難しいでしょう。
赤青緑コントロール
3《銅線の地溝/Copperline Gorge(SOM)》
4《森/Forest》
2《ハリマーの深み/Halimar Depths(WWK)》
4《島/Island》
4《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
2《山/Mountain》
4《怒り狂う山峡/Raging Ravine(WWK)》
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn(ZEN)》
2《霜のタイタン/Frost Titan(M11)》
2《業火のタイタン/Inferno Titan(M11)》
2《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar(WWK)》
4《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZEN)》
3《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya(ZEN)》
4《探検/Explore(WWK)》
4《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》
4《稲妻/Lightning Bolt(M11)》
4《マナ漏出/Mana Leak(M11)》
4《定業/Preordain(M11)》
Sideboard
2《瞬間凍結/Flashfreeze(M11)》
4《電弧の痕跡/Arc Trail(SOM)》
3《漸増爆弾/Ratchet Bomb(SOM)》
4《強情なベイロス/Obstinate Baloth(M11)》
2《呪文貫き/Spell Pierce(ZEN)》
要約:《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》と《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZEN)》を使うデッキの中で、このデッキが世界選手権において最も人気がでると私は考えています。他のデッキが用意する脅威に対して一抹の不安はありますが、このデッキのエンジンが環境で飛びぬけて強いことは否定できないでしょう。多様な緑のクリーチャーが生き残れば対戦相手を展開で圧倒できるというだけでなく、環境で最もジェイスを上手く使えるデッキでもあります。なぜこのデッキには環境最強のプレインズウォーカーが入っているのでしょう?莫大なマナをゲーム序盤に生成できるので、引き増したカードを無駄なく使うことができるのです。どんな土地カードもすぐさま更なるリソースに変換できるので、本当に無駄カードになりうるのは《稲妻/Lightning Bolt(M11)》くらいしかありません。また、《電弧の痕跡/Arc Trail(SOM)》と《紅蓮地獄/Pyroclasm(M11)》が取れるので、UWやUBよりも吸血鬼への耐性があります。これらは他の一掃系のカードより速く打つことができ、《強情なベイロス/Obstinate Baloth(M11)》や他のフィニッシャーと共に使うことができます。
フィニッシャーについて言えば、今の環境では数枚の《業火のタイタン/Inferno Titan(M11)》をメインに入れるべきだと考えています。世界選手権では白クエスト、ボロス、ゴブナイト、そして吸血鬼等は妥当な選択肢となるでしょう。そのため、即座に場に影響を与えられる6マナクリーチャーは、今以上に適切なカードとなるはずです。屈強なボディとクリーチャー1体を戦闘からどかせる能力だけでは十分とはいえません。一方で、《業火のタイタン/Inferno Titan(M11)》は1ターンで場を壊滅させることができます。
弱点: 白+何かのクエスト/赤 /吸血鬼
上で述べたことと関連しますが、このデッキの悩みどころは速攻戦略に弱いところです。盤面への干渉力の少なさを、メインに《電弧の痕跡/Arc Trail(SOM)》と《紅蓮地獄/Pyroclasm(M11)》を取ることで埋め合わせているプレイヤーもいます。確かに助けにはなりますが、これでマッチの相性を逆転できるとは言えませんし、このデッキは無駄なドローを増やしたくありません(読点以降怪しいです。原文:the deck won’t get blown out by less absurd draws)。
白ウィニーについては、サイドボード後は問題のないマッチアップだと見なしています。しかし、メインデッキのスペースのなさ、そして報復者以外のフィニッシャーの弱さが問題として残ります。最近は皆クエストを意識するようになり、その対策として《自然の要求/Nature’s Claim(WWK)》を使っています。このカードはMOでのメタゲームにおいては、優秀な選択肢です。また私は、黒赤吸血鬼や赤単が予想されるメタゲームにおいては、サイドボードの《強情なベイロス/Obstinate Baloth(M11)》を増量します。
吸血鬼について言えば、私自身は序盤の速攻への回答策が十分にあると考えています。完璧ではなく、依然苦しいマッチではありますが。kaOz.Zehは吸血鬼デッキでコンスタントな成績を上げていますが、彼は赤青緑コントロールとのマッチを「不戦勝」とまで言い切ります。そういう意見があることも示しておきます。
緑白クエスト
4《メムナイト/Memnite(SOM)》
4《羽ばたき飛行機械/Ornithopter(M11)》
3《極楽鳥/Birds of Paradise(M11)》
4《獣相のシャーマン/Fauna Shaman(M11)》
4《きらめく鷹/Glint Hawk (SOM)》
4《戦隊の鷹/Squadron Hawk(M11)》
4《復讐蔦/Vengevine(ROE)》
4《聖なる秘宝の探索/Quest for the Holy Relic(ZEN)》
2《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》
2《アージェンタムの鎧/Argentum Armor(SOM)》
2《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind(SOM)》
5《森/Forest》
8《平地/Plains》
4《剃刀境の茂み/Razorverge Thicket(SOM)》
4《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove(M11)》
2《活発な野生林/Stirring Wildwood(WWK)》
Sideboard
2《静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence Linvala, Keeper of Silence(ROE)》
2《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》
3《屈折の罠/Refraction Trap(WWK)》
3《真心の光を放つ者/Devout Lightcaster(ZEN)》
3《コーの火歩き/Kor Firewalker(WWK)》
1《テューンの戦僧/War Priest of Thune(M11)》
1《コーの奉納者/Kor Sanctifiers(ZEN)》
要約:これについては包括的な記事を書きました
(http://www.channelfireball.com/articles/silvesti-says-hawks-times-hawks-equals-victory/)。このデッキは現実的な”鬼回り(nut draws)”ができる環境唯一のデッキで、《聖なる秘宝の探索/Quest for the Holy Relic(ZEN)》のおかげでどのデッキにも勝ちえる点が長所です。また、《復讐蔦/Vengevine(ROE)》を用いた合理的な第2の勝ち筋があります。これはコントロールとのマッチアップや、あらゆる類の消耗戦において驚異的な力を発揮します。2つの強力なゲームプランと、サイドボード後の《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind(SOM)》をフルに活用する(青いデッキ相手の)第3のプランによって、環境最強のアグロデッキと言うことができるでしょう。
このデッキについて明確にしておきたい事が、まだいくつかあります。特にこのデッキの強さを疑う白単クエスト使いに対して。まず、平均的な白単クエストに比べて、なぜだか(somehow)著しく速度が落ちるという不満があります。It isn’t in any major fashion; どちらのデッキも0マナのクリーチャーを8枚、《きらめく鷹/Glint Hawk》4枚と追加の1マナクリーチャーを数枚入れています。スピードの差を生む唯一の違いは、白単側は《コーの空漁師/Kor Skyfisher(ZEN)》をフル投入しているのに対し、緑白にはそれが採用されていない点です。このカードによって白単クエストは、緑白版より3ターン目のクエスト達成がしやすくなっています。このカードによって、《きらめく鷹/Glint Hawk》の数が二倍になっている様なものだからです。大局的にみれば些細な違いであり、過剰に心配する(freak out)ようなことではないと思います。
この批判は少なくとも現実的な根拠があるのですが、《獣相のシャーマン/Fauna Shaman(M11)》が死に易いから使えない、ですと?それ程でもないけど…では、《獣相のシャーマン/Fauna Shaman(M11)》をどう扱うかについて教えましょう:彼女は《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZEN)》の様なものです。《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZEN)》を使った人なら誰でも分かると思いますが、こいつはすぐ死にます。よく死にます。殺される理由は、このカードが生きたまま次のアンタップを迎えることができれば、あなたは数ターン後には大抵勝っているからです。これは《獣相のシャーマン/Fauna Shaman(M11)》も同じで、そこがデッキ内の他のクリーチャーより強力な理由なのです。このカードは《コーの空漁師/Kor Skyfisher(ZEN)》の様に即座に影響を与える(少なくとも《聖なる秘宝の探索/Quest for the Holy Relic(ZEN)》が場にある必要があります)ことはできません。しかしシャーマンが生き延びれば、《聖なる秘宝の探索/Quest for the Holy Relic(ZEN)》があろうがなかろうが莫大なアドバンテージが得られます。たとえ対戦相手を叩きのめすための《きらめく鷹/Glint Hawk》や、《メムナイト/Memnite(SOM)》や、《復讐蔦/Vengevine(ROE)》を持ってくる必要がなかったとしても、サイドボード後のベストなアクションとして、《真心の光を放つ者/Devout Lightcaster(ZEN)》や、《コーの火歩き/Kor Firewalker(WWK)》や、《静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence Linvala, Keeper of Silence(ROE)》を持ってこられる様になります。対戦相手がシャーマンに対処するまで、毎ターン狂ったようにアドバンテージを得ることができるのです。
私が聞いた、このデッキに対するまともな根拠を持った最後の批判は、「白単ほど装備品中心に組まれていないからその分弱くなっている」というものです。後でも述べますが、《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》と《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind(SOM)》はメインデッキに入れるべき、というものです。先週も話しましたが、これをメインにいれた構成にすることはできます。しかし、その構成にはそれほど心惹かれませんし、なぜ皆がそんなにそれが好きなのかもよく分かりません。《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》は超遅い。プレイするのに大抵は丸々1ターン喰いますし、持って来た装備品を出すのにまた1ターン掛かって、そして装備して実際に使えるようになるまではまた1ターン掛かります。3ターンも空費することになり、ゲーム後半にプレイしたとしても2ターン掛かるでしょう。こういうターンの使い方をしたくないので、《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》とその周辺のパーツをデッキに入れたいと思わないのです。サイドボード後の2,3戦目ですら、入れないこともあります。このデッキには既に強力な勝ち手段が複数あり、《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind(SOM)》を装備しようとするより、《復讐蔦/Vengevine(ROE)》を使う方が除去に強くなる場合が多いのです。
《コーの装具役/Kor Outfitter(ZEN)》もまた、皆が何故使っているのか理解できないカードです。これが役に立つのは非常に場面が限られています。《アージェンタムの鎧/Argentum Armor(SOM)》が着地したものの装備者が殺された場合、または石鍛冶を経由したおっそいルートを選択した場合だけです。問題は、このカードが「《破滅の刃/Doom Blade(M11)》された場合の対策」だということで、そんなものは《クソなる事態の探索/Questing for the damn thing (原文)》であるということです。他の場合においては、能力なしの2/2をプレイすることは何の役にも立ちません。もし貴方がどうしてもこのカードを使いたいのなら、その非常に限られた場面のシルバーバレット用として使うのがいいでしょう。
弱点: ヴァラクート/ 青白コントロール
恐らく、ヴァラクートはこの環境で最も相性の悪いマッチアップでしょう;3ターン目のクエストアーマーで土地を壊せなければ、彼らが最良のドローをした場合にビートしきれません。問題は、《原始のタイタン/Primeval Titan(M11)》がもたらすアドバンテージは貴方のデッキと真っ向勝負するものではなく、タイタンは真っ直ぐに貴方を倒しにくるということです。トリックもブラフ(Bsing)も無しに –貴方は大抵5~6ターン目に殺されるのです。それも、こちらが邪魔できない手段で。《聖なる秘宝の探索/Quest for the Holy Relic(ZEN)》を序盤に引いても、そのインパクトは《電弧の痕跡/Arc Trail(SOM)》と《紅蓮地獄/Pyroclasm(M11)》によって著しく削がれてしまいます。しかし、《屈折の罠/Refraction Trap(WWK)》があれば十分にゲームを続けることができます。また、単純にヴァラクート側が、弱い初手をキープして、貴方を倒す有効牌が一切引けないという場合もあります。私も、ヴァラクート側が5ターン目の《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar(WWK)》または《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine(SOM)》以外の有効なアクションがなく、フライヤーと《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind(SOM)》のおかげで殴り倒せたことが多々あります。
青白コンはベストなドローができればチョロい(dickish)マッチアップです。しかし、このデッキはあなたの持ち駒とトリックに対して、潜在的な回答策を十分に持っています。《アージェンタムの鎧/Argentum Armor(SOM)》への《乱動への突入/Into the Roil(ZEN)》。《復讐蔦/Vengevine(ROE)》への《糾弾/Condemn(M11)》。毎ターン、《獣相のシャーマン/Fauna Shaman(M11)》に合わせられる《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》。サイド後の漸増爆弾/Ratchet Bomb(SOM)》(メインに入っていることすらあります)は探索を台無しにするかって?もちのロンです。さらに、《悪斬の天使/Baneslayer Angel(M11)》が出てきただけでも大問題となります。《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind(SOM)》は過去のシリーズと違って天使と戦えませんし、彼女の絆魂はダメージレースを最も難しくする存在です。もし《復讐蔦/Vengevine(ROE)》が《糾弾/Condemn(M11)》されなければ、なんとかなる可能性はあります。貴方にとって一つ有利なのは、《戦隊の鷹/Squadron Hawk(M11)》、《復讐蔦/Vengevine(ROE)》、そして《獣相のシャーマン/Fauna Shaman(M11)》は多くのカードアドバンテージを稼ぐことができるので、相手からすれば1対1交換が取りづらいということです。それでも、緑白にとっては最悪なマッチアップです。
従来のボロスも、サイドボードに首輪魔道士を取っている場合は難しくなります。しかし正直に言えば、アップデートされたサイドボードによって相性は良くなっています。ボロスは今だ序盤のクエストへの強力な対策を持っていません。《屈折の罠/Refraction Trap(WWK)》で《獣相のシャーマン/Fauna Shaman(M11)》を守り、《コーの火歩き/Kor Firewalker(WWK)》やリンヴァーラに繋げられれば、(ボロス側の、首輪魔道士による)従来のコントロールがそのまま(ボロス側の)勝ち手段となるわけではありません。リンヴァーラは、数枚の《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》かキッカー付き《噴出の稲妻/Burst Lightning(ZEN)》(いわゆる《のろい稲妻/Slow Lightning(原文)》)でしか対処されません。
続く
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