GPナッシュビルカバレッジ一部訳:Paul Rietzlのピック&Feature Match Round 11 – Paul vs. Erik:修正あり青字1.01
2010年11月23日 翻訳:トーナメントレポート等 コメント (2)http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gpnas10/day2coverage#2
Sunday, 10:30 a.m. – Drafting with Paul Rietzl
by Bill Stark
Paul Rietzl は先のPTアムステルダムで優勝したもっとも新しいPTチャンピオンです。Brad Nelsonが二日目に残れなかったので、Paul Rietzlを含んだ一握りのプレイヤー達にはPOYの目が残りました。Paulはいい位置につけています; 1日目を1度も落とすことなく終え、10-0で2日目を迎えるところなのです。なので、今回はPaulの後ろで日曜朝の1stドラフトを追い、PaulをTop8に導くであろう戦略を学ぶことにしました。
1stパックからは強力な《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter(SOM)》が現れましたが、彼はこの3/3を手元に加える前に, 《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb(SOM)》と《ルーメングリッドのドレイク/Lumengrid Drake(SOM)》についても考慮しました。彼の2手目は《金属の駿馬/Chrome Steed(SOM)》、《ニューロックの透術士/Neurok Invisimancer(SOM)》、そして《微光角の鹿/Glimmerpoint Stag(SOM)》からの選択となりました。《金属の駿馬/Chrome Steed(SOM)》は金属術デッキの強力な核となりますし、《ニューロックの透術士/Neurok Invisimancer(SOM)》の様な回避持ちクリーチャーはリミテッドではいつでもパワフルです。しかし初手との繋がりを考慮に入れると、《微光角の鹿/Glimmerpoint Stag(SOM)》は潜在的なボムとなります。《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter(SOM)》を再利用できますからね。結局、白いカードが選ばれました。
3手目は2枚の除去スペルからの選択でした:《粉砕/Shatter(SOM)》と《金屑化/Turn to Slag(SOM)》です。シールドにおいては5マナスペルのほうがおそらくより強力です 。《蔵製錬のドラゴン/Hoard-Smelter Dragon(SOM)》等の様々なボムを除去できるからです。しかし展開の速いドラフトにおいてはどうでしょう?Paulは僅かに考え、インスタントを手元に加えました。まだ3手目ですが、既に2枚も強力な赤いカードが取れたので、彼は山に向かうことになりそうです。
4パック目にPaulが使えそうな赤と白のカードは少なめでしたが、そこには《決断の手綱/Volition Reins(SOM)》がありました。彼はこのエンチャントを静かに見つめ、その後《銅のマイア/Copper Myr(SOM)》にもしばし目をやりました。この1/1はオフカラーですが、様々なアーティファクトの起動コストを払えます。最後の数秒まで悩んだ後、彼は《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb(SOM)》をピックしました。次のピックでは《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari(SOM)》を《ヴァルショクの模造品/Vulshok Replica(SOM)》と《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer(SOM)》に優先してピック。続いてこれに合う《闊歩するものの装具/Strider Harness(SOM)》をピック。続くパックでは驚いたことに《酸の巣の蜘蛛/Acid Web Spider(SOM)》を《ガルマの保護者/Ghalma’s Warden(SOM)》より優先してピック。別な色に移ることでゲームプランを変えたのでしょうか?それともただ単に彼のゲームプランの強力な対抗策となるカードをカットしたのでしょうか?
その後のピックを《刃の翼/Bladed Pinions(SOM)》、《炎生まれのヘリオン/Flameborn Hellion(SOM)》、《主導権の奪取/Seize the Initiative(SOM)》と続けたので、どうやらカットだったようです。45秒の確認時間の間、Paulはカードをマナカーブでソートしました。どうやら赤白のアグレッシブなデッキをドラフトしている様です。この方針を続けるのでしょうか?
2パック目を開けると《感電破/Galvanic Blast(SOM)》と《伝染病の留め金/Contagion Clasp(SOM)》がRietzlを見つめています。《感電破/Galvanic Blast(SOM)》は彼の色と合いますが、これの打点を上げるために十分なアーティファクトはピックできていません。 Paulはここでも時間いっぱいに考え、結局は《伝染病の留め金/Contagion Clasp(SOM)》をピックしました。次のピックは《金屑化/Turn to Slag(SOM)》でしたがこれは秒でピックしました。
ドラフトは更に進みますが、次のパックはPaulにとって得るものが少いものでした。しかしそこには《闇の掌握/Grasp of Darkness(SOM)》と《決断の手綱/Volition Reins(SOM)》があります。 彼は顔をしかめつつ、青と黒のカードをシャカシャカやりました;ここは乗り換えるべきなのか? 彼は相当悩んだ末に《マイアの感電者/Myr Galvanizer(SOM)》をピック。実質的(technically)には"on color"のカードです。彼の次のピックは装備品の4択でした:《アージェンタムの鎧/Argentum Armor(SOM)》、《調和者隊の盾/Accorder’s Shield(SOM)》、《大石弓/Heavy Arbalest(SOM)》、そして《闊歩するものの装具/Strider Harness(SOM)》です。彼はレアをピックすることを選択しました。キャストに6マナ、装備に6マナかかるこのカードを運用するためには、彼のアグレッシブなデッキのマナベースは少しばかり改善が必要になりそうです。
次のパックでは《金のマイア/Gold Myr(SOM)》が《調和者隊の盾/Accorder’s Shield(SOM)》と共に現れました。後者はPaulが既にドラフトしたいくつかのカードとコンボを形成します。しかしここで彼が選んだのは《金のマイア/Gold Myr(SOM)》。この1/1は《マイアの感電者/Myr Galvanizer(SOM)》によってパンプされるでしょうが、《調和者隊の盾/Accorder’s Shield(SOM)》も《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer(SOM)》と強力なコンボを形成します。次のパックはまた別の装備品を含んだ選択になりました。《逆刺の戦具/Barbed Battlegear(SOM)》です。Paulは《ガルマの保護者/Ghalma’s Warden(SOM)》ではなくこちらをピック。その後《嚢胞抱え/Cystbearer(SOM)》、《荒廃のマンバ/Blight Mamba(SOM)》、《冷静な反論/Stoic Rebuttal(SOM)》とピック。選択肢があったのはこの辺までで、2パック目は終わりました。
彼はもう一度ピックしたカードをシャッフルし、赤と白のカードにソートしました。現状のピックは少しの除去と、少ないクリーチャー、それらを強化する数枚の装備品です。全体的には彼のピックは弱めで、3パック目でなにかしらの助けが必要そうです。しかしながら、彼は隣人に対するカットを明らかに何度か行いました。強力な赤と白のカードは回してもらえないかもしれません。
3パック目を確認した後に、Rietzlは失望で顔を歪ませました。実質的な選択肢は《屍賊の死のマント/Nim Deathmantle(SOM)》と《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb(SOM)》のみで、1ピック目で期待したいものでは到底ありません。結局《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb(SOM)》がピックされました。が、次に《マイア鍛冶/Myrsmith(SOM)》がピックできたことでこのカードの価値は少し上がりました。この2/1はPaulがピックした複数の呪文爆弾と組むことで1/1マイアの大群を生み出せるでしょう。そして、これらは《マイアの感電者/Myr Galvanizer(SOM)》にパンプされるので、 比較的少ないカードから熊の群れが作られるのです。
3ピック目は迷うことなく《存在の破棄/Revoke Existence(SOM)》。その後に《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari(SOM)》を《銅のマイア/Copper Myr(SOM)》に優先してピックしました。続く《屍気の香炉/Necrogen Censer(SOM)》と《きらめく鷹/Glint Hawk(SOM)》の2択にはかなり時間を掛けました;互いがコンボの相方なので、違うパックから出ていればどちらもピックしていたでしょう。《きらめく鷹/Glint Hawk(SOM)》で使いまわせる《転倒の磁石/Tumble Magnet(SOM)》の様なカードは取れていませんでしたが、ここでは《きらめく鷹/Glint Hawk(SOM)》をピックしました。
《嵌め乗りの滑空者/Snapsail Glider(SOM)》は中盤でピックする平均的なカードですが、Paulがこれがコンスタントに2/2飛行として使えるかは呪文爆弾に懸かっているでしょう。続けて彼は《オーリオックの模造品/Auriok Replica(SOM)》との2択で《金属の駿馬/Chrome Steed(SOM)》をピック。金属術の助けとなるカードです。その後は《魂の受け流し/Soul Parry(SOM)》、《オキシダの向こう見ず/Oxidda Daredevil(SOM)》、《オーリオックの太陽追い/Auriok Sunchaser(SOM)》とピック、さらにその後はもう有効牌が回ってくることはなく、ドラフトは終わりました。まだカードが欲しいところでしたが。
Paulが望んだようにはドラフトは進みませんでしたが、彼が言うには3パック目でなんとかパーツを拾うことができたとのことです。"周りと上手くやるべきだったね"Jeff CunninghamとConley Woodsが赤いカードをカットしていたことを指摘して彼は言いました。
このデッキでPaulはPOYレースに必要なポイントを上乗せできるのか?答えは3ラウンド後に!
Paul Rietzl - Featured Draft Deck
Grand-Prix Nashville
Main Deck
40 cards
8 《山/Mountain(SOM)》
9 《平地/Plains(SOM)》
17 lands
1 《金属の駿馬/Chrome Steed(SOM)》
1 《炎生まれのヘリオン/Flameborn Hellion(SOM)》
1 《微光角の鹿/Glimmerpoint Stag(SOM)》
1 《きらめく鷹/Glint Hawk(SOM)》
1 《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer(SOM)》
1 《金のマイア/Gold Myr(SOM)》
1 《マイアの感電者/Myr Galvanizer(SOM)》
1 《マイア鍛冶/Myrsmith(SOM)》
1 《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter(SOM)》
1 《嵌め乗りの滑空者/Snapsail Glider(SOM)》
2 《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari(SOM)》
12 creatures
1 《調和者隊の盾/Accorder’s Shield(SOM)》
1 《アージェンタムの鎧/Argentum Armor(SOM)》
1 《逆刺の戦具/Barbed Battlegear(SOM)》
1 《伝染病の留め金/Contagion Clasp(SOM)》
1 《浸透のレンズ/Infiltration Lens(SOM)》
2 《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb(SOM)》
1 《存在の破棄/Revoke Existence(SOM)》
1 《粉砕/Shatter(SOM)》
1 《闊歩するものの装具/Strider Harness(SOM)》
1 《金屑化/Turn to Slag(SOM)》
11 other spells
Feature Match Round 11 – Paul Rietzl vs. Erik Landriz
by Bill Stark
最も新しいPTチャンピオン、Paul Rietzlはプロの世界への驚くべきカムバックを果たしました。PTアムステルダムを優勝するという快挙です。GPナッシュビルにおいてはPOYレースのためにプロポイントを上積みしようと目論んでいます。Brad Nelsonが牽引するこのレースにおいて、彼はまだ追いつく可能性のある数少ないプレイヤーなのです。彼の11ラウンド目の対戦相手は誰でしょう? Erik Landrizはこの週末まだ1敗もしていません。
ダイスロールに勝ったLandrizの選択は驚きの後手。シールド戦である土曜日では一般的な戦略でしたが、ドラフトでは少し驚きの選択です。 マリガンすることになったので、カードアドバンテージを埋め合わせできるErikの選択は結果的に賢明だった様に見えます。しかし対戦相手は簡単に追いつくことを許そうとしません。Paulは《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer》、《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari》を続けざまにプレイしレッドゾーンに送り込みます。《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari》は《燃えさし鍛冶/Embersmith》と相打ちとなり、Paulは戦闘後に《マイアの感電者/Myr Galvanizer》を追加。ターンが帰ってきたLandrizも同じく《マイアの感電者/Myr Galvanizer》。これにはPaulも笑みが漏れます。
《感染の賦活/Instill Infection》で《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer》を除去し、Erikは最初の本格的な脅威として《ゴーレムの職工/Golem Artisan》を送り出します。さらには2体目の《マイアの感電者/Myr Galvanizer》を召喚、これには職工で速攻を付加でき、Paulのライフを5まで減らします;Paulは《金屑化/Turn to Slag》でゴーレムの動きを止めます。
両者が同じカードをプレイするという現象はもう一度起き、Paulが《アージェンタムの鎧/Argentum Armor》をプレイするとErikも《アージェンタムの鎧/Argentum Armor》。唯一の問題はPaulの場にクリーチャーが一体もいないことで、対するErickの場には《マイアの感電者/Myr Galvanizer》が1体います。つまり2/2のマイアがこれを纏って攻撃すれば、Paulのそれは使う機会なく壊されてしまうのです。残りライフが5の状態でPaulは《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb》をキャスト、これで対戦相手の装備付きクリーチャーをチャンプブロックできるようになりました。しかし呪文爆弾で防御用のトークンを作るとErikは《感電破/Galvanic Blast》を公開。Paulはただ"Yep, I’m dead."と言うだけでした。
Erik Landriz 1, Paul Rietzl 0
Paul Rietzl は《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb》でゲームを開始し、2ターン目にはこれをバウンスしての《きらめく鷹/Glint Hawk》。この鷹は《感電破/Galvanic Blast》で除去されるもRietzlは《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer》を追加。”またそいつかよ?
”と対戦相手は愚痴ります。
《マイアの感電者/Myr Galvanizer》がErikのこのゲーム最初のクリーチャー でしたが、Paulは《調和者隊の盾/Accorder’s Shield》をキャスト、《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer》を3/4トランプルとします。《伝染病の留め金/Contagion Clasp》がこれを2/3トランプルとしますが、それでもまだ《マイアの感電者/Myr Galvanizer》でブロックするには大きくLandrizのライフは15まで削られます。2人とも持っている《アージェンタムの鎧/Argentum Armor》をPaulがプレイしますが,対戦相手の場には《錆ダニ/Rust Tick》がいるため、1/1のマイアトークンには着せられません。.
《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer》が鎧を着てアタック、《錆ダニ/Rust Tick》を吹き飛ばします。このアタックでErikのライフは6まで減少。《アージェンタムの鎧/Argentum Armor》を除去する手段を速く引かなくてはなりません。返って来たターン、彼のドローは《感染の賦活/Instill Infection》、これでは解決になりませんが追加のドローはできます。これでマイアトークンを除去して追加のドロー、しかし残り2マナで解決策は引けず。勝負は3ゲーム目までもつれ込むことになりました。
Erik Landriz 1, Paul Rietzl 1
Paul Rietzl
《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb》の最終戦でもPaul Rietzlの初動となり、次のターンには《金のマイア/Gold Myr》が場に追加されました。《マイアの感電者/Myr Galvanizer》がPaulの1/1マイアを2/2に変え、それが《燃えさし鍛冶/Embersmith》のいるErikの場に殴り込みをかけます。しかしLandrizは鍛冶とトレードするつもりはなく、自分のターンに《感電破/Galvanic Blast》を打って感電者を除去、2/1鍛冶のアタックで2点のダメージを与えます。
《嵌め乗りの滑空者/Snapsail Glider》がPaulの軍勢に加わる一方で、《燃えさし鍛冶/Embersmith》がX/1のクリーチャーを刈り取り始めました。、まず《金のマイア/Gold Myr》が倒れ、そして呪文爆弾のトークンも討たれます。Erickの《マイアの感電者/Myr Galvanizer》アタックを《嵌め乗りの滑空者/Snapsail Glider》で相打ちをとろうとしますがここで火を吹く《感染の賦活/Instill Infection》。プロツアーチャンピオンはここから巻き返そうと《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer》召喚後すぐさま《調和者隊の盾/Accorder’s Shield》もキャスト、これをゴブリンに纏わせます。しかし返すターン《皮裂き/Skinrender》がゴブリンを0/1とし《燃えさし鍛冶/Embersmith》と《マイアの感電者/Myr Galvanizer》でのアタック継続を可能にします。
次のターンPaulの《きらめく鷹/Glint Hawk》が《調和者隊の盾/Accorder’s Shield》を回収、ゴブリンは《きらめく鷹/Glint Hawk》を解決するために死亡。Paulは再度盾をキャスト、鷹に持たせます。しかしこれもErikの想定内でした。彼は二体目の 《皮裂き/Skinrender》をキャストし鷹を葬り、さらには《ヴァルショクの模造品/Vulshok Replica》を場に加えます。もうPaulに相打ちを取れるクリーチャーは残っておらず、ライフは危険水域です。最後のドローを確認すると打つ手がないことを悟りました。
Erik Landriz 2, Paul Rietzl 1
Sunday, 10:30 a.m. – Drafting with Paul Rietzl
by Bill Stark
Paul Rietzl は先のPTアムステルダムで優勝したもっとも新しいPTチャンピオンです。Brad Nelsonが二日目に残れなかったので、Paul Rietzlを含んだ一握りのプレイヤー達にはPOYの目が残りました。Paulはいい位置につけています; 1日目を1度も落とすことなく終え、10-0で2日目を迎えるところなのです。なので、今回はPaulの後ろで日曜朝の1stドラフトを追い、PaulをTop8に導くであろう戦略を学ぶことにしました。
1stパックからは強力な《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter(SOM)》が現れましたが、彼はこの3/3を手元に加える前に, 《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb(SOM)》と《ルーメングリッドのドレイク/Lumengrid Drake(SOM)》についても考慮しました。彼の2手目は《金属の駿馬/Chrome Steed(SOM)》、《ニューロックの透術士/Neurok Invisimancer(SOM)》、そして《微光角の鹿/Glimmerpoint Stag(SOM)》からの選択となりました。《金属の駿馬/Chrome Steed(SOM)》は金属術デッキの強力な核となりますし、《ニューロックの透術士/Neurok Invisimancer(SOM)》の様な回避持ちクリーチャーはリミテッドではいつでもパワフルです。しかし初手との繋がりを考慮に入れると、《微光角の鹿/Glimmerpoint Stag(SOM)》は潜在的なボムとなります。《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter(SOM)》を再利用できますからね。結局、白いカードが選ばれました。
3手目は2枚の除去スペルからの選択でした:《粉砕/Shatter(SOM)》と《金屑化/Turn to Slag(SOM)》です。シールドにおいては5マナスペルのほうがおそらくより強力です 。《蔵製錬のドラゴン/Hoard-Smelter Dragon(SOM)》等の様々なボムを除去できるからです。しかし展開の速いドラフトにおいてはどうでしょう?Paulは僅かに考え、インスタントを手元に加えました。まだ3手目ですが、既に2枚も強力な赤いカードが取れたので、彼は山に向かうことになりそうです。
4パック目にPaulが使えそうな赤と白のカードは少なめでしたが、そこには《決断の手綱/Volition Reins(SOM)》がありました。彼はこのエンチャントを静かに見つめ、その後《銅のマイア/Copper Myr(SOM)》にもしばし目をやりました。この1/1はオフカラーですが、様々なアーティファクトの起動コストを払えます。最後の数秒まで悩んだ後、彼は《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb(SOM)》をピックしました。次のピックでは《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari(SOM)》を《ヴァルショクの模造品/Vulshok Replica(SOM)》と《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer(SOM)》に優先してピック。続いてこれに合う《闊歩するものの装具/Strider Harness(SOM)》をピック。続くパックでは驚いたことに《酸の巣の蜘蛛/Acid Web Spider(SOM)》を《ガルマの保護者/Ghalma’s Warden(SOM)》より優先してピック。別な色に移ることでゲームプランを変えたのでしょうか?それともただ単に彼のゲームプランの強力な対抗策となるカードをカットしたのでしょうか?
その後のピックを《刃の翼/Bladed Pinions(SOM)》、《炎生まれのヘリオン/Flameborn Hellion(SOM)》、《主導権の奪取/Seize the Initiative(SOM)》と続けたので、どうやらカットだったようです。45秒の確認時間の間、Paulはカードをマナカーブでソートしました。どうやら赤白のアグレッシブなデッキをドラフトしている様です。この方針を続けるのでしょうか?
2パック目を開けると《感電破/Galvanic Blast(SOM)》と《伝染病の留め金/Contagion Clasp(SOM)》がRietzlを見つめています。《感電破/Galvanic Blast(SOM)》は彼の色と合いますが、これの打点を上げるために十分なアーティファクトはピックできていません。 Paulはここでも時間いっぱいに考え、結局は《伝染病の留め金/Contagion Clasp(SOM)》をピックしました。次のピックは《金屑化/Turn to Slag(SOM)》でしたがこれは秒でピックしました。
ドラフトは更に進みますが、次のパックはPaulにとって得るものが少いものでした。しかしそこには《闇の掌握/Grasp of Darkness(SOM)》と《決断の手綱/Volition Reins(SOM)》があります。 彼は顔をしかめつつ、青と黒のカードをシャカシャカやりました;ここは乗り換えるべきなのか? 彼は相当悩んだ末に《マイアの感電者/Myr Galvanizer(SOM)》をピック。実質的(technically)には"on color"のカードです。彼の次のピックは装備品の4択でした:《アージェンタムの鎧/Argentum Armor(SOM)》、《調和者隊の盾/Accorder’s Shield(SOM)》、《大石弓/Heavy Arbalest(SOM)》、そして《闊歩するものの装具/Strider Harness(SOM)》です。彼はレアをピックすることを選択しました。キャストに6マナ、装備に6マナかかるこのカードを運用するためには、彼のアグレッシブなデッキのマナベースは少しばかり改善が必要になりそうです。
次のパックでは《金のマイア/Gold Myr(SOM)》が《調和者隊の盾/Accorder’s Shield(SOM)》と共に現れました。後者はPaulが既にドラフトしたいくつかのカードとコンボを形成します。しかしここで彼が選んだのは《金のマイア/Gold Myr(SOM)》。この1/1は《マイアの感電者/Myr Galvanizer(SOM)》によってパンプされるでしょうが、《調和者隊の盾/Accorder’s Shield(SOM)》も《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer(SOM)》と強力なコンボを形成します。次のパックはまた別の装備品を含んだ選択になりました。《逆刺の戦具/Barbed Battlegear(SOM)》です。Paulは《ガルマの保護者/Ghalma’s Warden(SOM)》ではなくこちらをピック。その後《嚢胞抱え/Cystbearer(SOM)》、《荒廃のマンバ/Blight Mamba(SOM)》、《冷静な反論/Stoic Rebuttal(SOM)》とピック。選択肢があったのはこの辺までで、2パック目は終わりました。
彼はもう一度ピックしたカードをシャッフルし、赤と白のカードにソートしました。現状のピックは少しの除去と、少ないクリーチャー、それらを強化する数枚の装備品です。全体的には彼のピックは弱めで、3パック目でなにかしらの助けが必要そうです。しかしながら、彼は隣人に対するカットを明らかに何度か行いました。強力な赤と白のカードは回してもらえないかもしれません。
3パック目を確認した後に、Rietzlは失望で顔を歪ませました。実質的な選択肢は《屍賊の死のマント/Nim Deathmantle(SOM)》と《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb(SOM)》のみで、1ピック目で期待したいものでは到底ありません。結局《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb(SOM)》がピックされました。が、次に《マイア鍛冶/Myrsmith(SOM)》がピックできたことでこのカードの価値は少し上がりました。この2/1はPaulがピックした複数の呪文爆弾と組むことで1/1マイアの大群を生み出せるでしょう。そして、これらは《マイアの感電者/Myr Galvanizer(SOM)》にパンプされるので、 比較的少ないカードから熊の群れが作られるのです。
3ピック目は迷うことなく《存在の破棄/Revoke Existence(SOM)》。その後に《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari(SOM)》を《銅のマイア/Copper Myr(SOM)》に優先してピックしました。続く《屍気の香炉/Necrogen Censer(SOM)》と《きらめく鷹/Glint Hawk(SOM)》の2択にはかなり時間を掛けました;互いがコンボの相方なので、違うパックから出ていればどちらもピックしていたでしょう。《きらめく鷹/Glint Hawk(SOM)》で使いまわせる《転倒の磁石/Tumble Magnet(SOM)》の様なカードは取れていませんでしたが、ここでは《きらめく鷹/Glint Hawk(SOM)》をピックしました。
《嵌め乗りの滑空者/Snapsail Glider(SOM)》は中盤でピックする平均的なカードですが、Paulがこれがコンスタントに2/2飛行として使えるかは呪文爆弾に懸かっているでしょう。続けて彼は《オーリオックの模造品/Auriok Replica(SOM)》との2択で《金属の駿馬/Chrome Steed(SOM)》をピック。金属術の助けとなるカードです。その後は《魂の受け流し/Soul Parry(SOM)》、《オキシダの向こう見ず/Oxidda Daredevil(SOM)》、《オーリオックの太陽追い/Auriok Sunchaser(SOM)》とピック、さらにその後はもう有効牌が回ってくることはなく、ドラフトは終わりました。まだカードが欲しいところでしたが。
Paulが望んだようにはドラフトは進みませんでしたが、彼が言うには3パック目でなんとかパーツを拾うことができたとのことです。"周りと上手くやるべきだったね"Jeff CunninghamとConley Woodsが赤いカードをカットしていたことを指摘して彼は言いました。
このデッキでPaulはPOYレースに必要なポイントを上乗せできるのか?答えは3ラウンド後に!
Paul Rietzl - Featured Draft Deck
Grand-Prix Nashville
Main Deck
40 cards
8 《山/Mountain(SOM)》
9 《平地/Plains(SOM)》
17 lands
1 《金属の駿馬/Chrome Steed(SOM)》
1 《炎生まれのヘリオン/Flameborn Hellion(SOM)》
1 《微光角の鹿/Glimmerpoint Stag(SOM)》
1 《きらめく鷹/Glint Hawk(SOM)》
1 《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer(SOM)》
1 《金のマイア/Gold Myr(SOM)》
1 《マイアの感電者/Myr Galvanizer(SOM)》
1 《マイア鍛冶/Myrsmith(SOM)》
1 《オキシダの屑鉄溶かし/Oxidda Scrapmelter(SOM)》
1 《嵌め乗りの滑空者/Snapsail Glider(SOM)》
2 《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari(SOM)》
12 creatures
1 《調和者隊の盾/Accorder’s Shield(SOM)》
1 《アージェンタムの鎧/Argentum Armor(SOM)》
1 《逆刺の戦具/Barbed Battlegear(SOM)》
1 《伝染病の留め金/Contagion Clasp(SOM)》
1 《浸透のレンズ/Infiltration Lens(SOM)》
2 《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb(SOM)》
1 《存在の破棄/Revoke Existence(SOM)》
1 《粉砕/Shatter(SOM)》
1 《闊歩するものの装具/Strider Harness(SOM)》
1 《金屑化/Turn to Slag(SOM)》
11 other spells
Feature Match Round 11 – Paul Rietzl vs. Erik Landriz
by Bill Stark
最も新しいPTチャンピオン、Paul Rietzlはプロの世界への驚くべきカムバックを果たしました。PTアムステルダムを優勝するという快挙です。GPナッシュビルにおいてはPOYレースのためにプロポイントを上積みしようと目論んでいます。Brad Nelsonが牽引するこのレースにおいて、彼はまだ追いつく可能性のある数少ないプレイヤーなのです。彼の11ラウンド目の対戦相手は誰でしょう? Erik Landrizはこの週末まだ1敗もしていません。
ダイスロールに勝ったLandrizの選択は驚きの後手。シールド戦である土曜日では一般的な戦略でしたが、ドラフトでは少し驚きの選択です。 マリガンすることになったので、カードアドバンテージを埋め合わせできるErikの選択は結果的に賢明だった様に見えます。しかし対戦相手は簡単に追いつくことを許そうとしません。Paulは《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer》、《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari》を続けざまにプレイしレッドゾーンに送り込みます。《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari》は《燃えさし鍛冶/Embersmith》と相打ちとなり、Paulは戦闘後に《マイアの感電者/Myr Galvanizer》を追加。ターンが帰ってきたLandrizも同じく《マイアの感電者/Myr Galvanizer》。これにはPaulも笑みが漏れます。
《感染の賦活/Instill Infection》で《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer》を除去し、Erikは最初の本格的な脅威として《ゴーレムの職工/Golem Artisan》を送り出します。さらには2体目の《マイアの感電者/Myr Galvanizer》を召喚、これには職工で速攻を付加でき、Paulのライフを5まで減らします;Paulは《金屑化/Turn to Slag》でゴーレムの動きを止めます。
両者が同じカードをプレイするという現象はもう一度起き、Paulが《アージェンタムの鎧/Argentum Armor》をプレイするとErikも《アージェンタムの鎧/Argentum Armor》。唯一の問題はPaulの場にクリーチャーが一体もいないことで、対するErickの場には《マイアの感電者/Myr Galvanizer》が1体います。つまり2/2のマイアがこれを纏って攻撃すれば、Paulのそれは使う機会なく壊されてしまうのです。残りライフが5の状態でPaulは《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb》をキャスト、これで対戦相手の装備付きクリーチャーをチャンプブロックできるようになりました。しかし呪文爆弾で防御用のトークンを作るとErikは《感電破/Galvanic Blast》を公開。Paulはただ"Yep, I’m dead."と言うだけでした。
Erik Landriz 1, Paul Rietzl 0
Paul Rietzl は《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb》でゲームを開始し、2ターン目にはこれをバウンスしての《きらめく鷹/Glint Hawk》。この鷹は《感電破/Galvanic Blast》で除去されるもRietzlは《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer》を追加。”またそいつかよ?
”と対戦相手は愚痴ります。
《マイアの感電者/Myr Galvanizer》がErikのこのゲーム最初のクリーチャー でしたが、Paulは《調和者隊の盾/Accorder’s Shield》をキャスト、《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer》を3/4トランプルとします。《伝染病の留め金/Contagion Clasp》がこれを2/3トランプルとしますが、それでもまだ《マイアの感電者/Myr Galvanizer》でブロックするには大きくLandrizのライフは15まで削られます。2人とも持っている《アージェンタムの鎧/Argentum Armor》をPaulがプレイしますが,対戦相手の場には《錆ダニ/Rust Tick》がいるため、1/1のマイアトークンには着せられません。.
《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer》が鎧を着てアタック、《錆ダニ/Rust Tick》を吹き飛ばします。このアタックでErikのライフは6まで減少。《アージェンタムの鎧/Argentum Armor》を除去する手段を速く引かなくてはなりません。返って来たターン、彼のドローは《感染の賦活/Instill Infection》、これでは解決になりませんが追加のドローはできます。これでマイアトークンを除去して追加のドロー、しかし残り2マナで解決策は引けず。勝負は3ゲーム目までもつれ込むことになりました。
Erik Landriz 1, Paul Rietzl 1
Paul Rietzl
《起源の呪文爆弾/Origin Spellbomb》の最終戦でもPaul Rietzlの初動となり、次のターンには《金のマイア/Gold Myr》が場に追加されました。《マイアの感電者/Myr Galvanizer》がPaulの1/1マイアを2/2に変え、それが《燃えさし鍛冶/Embersmith》のいるErikの場に殴り込みをかけます。しかしLandrizは鍛冶とトレードするつもりはなく、自分のターンに《感電破/Galvanic Blast》を打って感電者を除去、2/1鍛冶のアタックで2点のダメージを与えます。
《嵌め乗りの滑空者/Snapsail Glider》がPaulの軍勢に加わる一方で、《燃えさし鍛冶/Embersmith》がX/1のクリーチャーを刈り取り始めました。、まず《金のマイア/Gold Myr》が倒れ、そして呪文爆弾のトークンも討たれます。Erickの《マイアの感電者/Myr Galvanizer》アタックを《嵌め乗りの滑空者/Snapsail Glider》で相打ちをとろうとしますがここで火を吹く《感染の賦活/Instill Infection》。プロツアーチャンピオンはここから巻き返そうと《ゴブリンの小槌打ち/Goblin Gaveleer》召喚後すぐさま《調和者隊の盾/Accorder’s Shield》もキャスト、これをゴブリンに纏わせます。しかし返すターン《皮裂き/Skinrender》がゴブリンを0/1とし《燃えさし鍛冶/Embersmith》と《マイアの感電者/Myr Galvanizer》でのアタック継続を可能にします。
次のターンPaulの《きらめく鷹/Glint Hawk》が《調和者隊の盾/Accorder’s Shield》を回収、ゴブリンは《きらめく鷹/Glint Hawk》を解決するために死亡。Paulは再度盾をキャスト、鷹に持たせます。しかしこれもErikの想定内でした。彼は二体目の 《皮裂き/Skinrender》をキャストし鷹を葬り、さらには《ヴァルショクの模造品/Vulshok Replica》を場に加えます。もうPaulに相打ちを取れるクリーチャーは残っておらず、ライフは危険水域です。最後のドローを確認すると打つ手がないことを悟りました。
Erik Landriz 2, Paul Rietzl 1
コメント
> out of relatively few cardsとあるけどout of以下が分かりません)
複数の意味がある「A out of B」を「BからAを生み出す」という意味にとるとすれば、
「感電者と、その他のほんの数枚のカードから大量の熊を生み出せる」かと思われます。
拙訳ですが、前後と合わせて訳すとすると……
The 2/1 could combine with Paul’s Spellbombs to clutter the field with 1/1 Myr,
which would in turn be pumped by his Galvanizer creating an army of Grizzly Bears
out of relatively few cards.
この2/1と呪文爆弾たちを組み合わせることで場を1/1のマイアで埋め尽くすことができる。
続いてそれらが感電者によってパンプされることによって、
比較的少ない枚数のカードから大量の灰色熊が生み出されることとなる。