http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gpnas10/day1coverage#20

Saturday, 11:00a.m. – Scars of Mirrodin Limited with Brad Nelson
by Bill Stark

GPナッシュビルカバレッジでの、Nelsonへのインタビューです。

以下本文


Brad Nelsonは今まで様々なシールドやドラフトのテクについて言及してきました。そんなnelsonへのインタビューです。ミラディンの傷跡リミテッドについてをメインに、今日のシールドデッキについての感触、そして彼が牽引するPOYレース等も聞いてきました。彼のシールドデッキ構築を取材して対戦相手にプールを晒すよりこっちの方がいいと考えたのです。

Bill: ミラディンの傷跡シールドについてどう考えてますか?

Brad: とても興味深い。一番いいのはゲーム自体がとても楽しいことだ。時にはボムが引けるだろうね。この環境のシールドで、アグロデッキを組む方法はない。他のフォーマットではボムがないプールでもアグロデッキを組むことができたけど、この環境には対処できない防御的なカードがとても多い。それから、ゲームは二転三転するよね。場の主導権を握っていても、相手に《マイアの戦闘球/Myr Battlesphere》を出されたら2ターンで終わっちゃうから。

Bill: プールを見て、まずどのカラーコンビネーションでデッキを組みたいと思いますか?

Brad: 赤白が恐らくベストだ。《電弧の痕跡/Arc Trail》、《拘引/Arrest》、《剃刀のヒポグリフ/Razor Hippogriff》といったカードがあるからね。こういったカードは皆欲しいだろう。《電弧の痕跡/Arc Trail》はこのフォーマットでは本当にふざけたカードだ。誰もがマナマイアを当てにしてより高コストのカードを使っているから。マイアを除去した返しのターン、対戦相手がなにもしなかったら、高コストのエンドカードに辿りつくのを遅らせられたってことだよね。沢山のデッキが4,5,6マナのカードを使っているよ。

1対2交換はなんにせよ強いよね;このフォーマットではカードアドバンテージを取る手段があまりないから。白赤が組みたい色だよね。青をプレイしたいとは思わない、除去が少ないから。緑黒も、感染非感染が半々のデッキになるだろうからプレイしたくないね。

Bill: 感染は、ドラフトではよく使われますね。どんなプールなら感染をシールドで組みたいと思いますか?

Brad:今日もらったプールは感染で組むこともできたけど、結局見送った。感染を組むには10体以上の感染クリーチャーが、それなりのマナカーブで分布してなきゃならないと考えている。それと、除去と装備品も数枚必要だね。《伝染病エンジン/Contagion Engine》や《荒廃のドラゴン、スキジリクス/Skithiryx, the Blight Dragon》といった後押しするカードも欲しいし。除去と装備品がなければ感染クリーチャーの攻撃を通すのは難しいよ。皆防御的な呪文をプレイするから。あと、それから《死体の野犬/Corpse Cur》も必要なカードだよね。《死体の野犬/Corpse Cur》の連鎖は対戦相手の場を少しずつ削れるよ。《グレイブディガー/Gravedigger(M11)》にはできない芸当だね。

Bill: コモンやアンコモンのスロットで“ボム”とどう戦いますか?

Brad: 《金屑化/Turn to Slag》はシールドで欲しい最も重要なカードのうちの一つだ。大抵のボムにはこれで対処できるよ。《鋼のヘルカイト/Steel Hellkite》、《蔵製錬のドラゴン/Hoard-Smelter Dragon》、《太陽破の天使/Sunblast Angel》、それに装備品のボムもね。それに、《調和者隊の盾/Accorder’s Shield》からゲームを始める人は多くて、これに対処できないと勝つのは困難になるしね。《金屑化/Turn to Slag》は大抵のビッグスペルと装備品に対処できる。除去の中でもベストのひとつだよ。《拘引/Arrest》も大抵のボムに対処できるから優秀だ。効かないカードもあるけどね。《粉砕/Shatter》と《存在の破棄/Revoke Existence》も大抵のものに対処できるね。これは《蔵製錬のドラゴン/Hoard-Smelter Dragon》が強い理由でもある。こいつはアーティファクトじゃないからね。僕のtop3は以下の順だ:

《太陽破の天使/Sunblast Angel》
《伝染病エンジン/Contagion Engine》
《蔵製錬のドラゴン/Hoard-Smelter Dragon》

こいつらは《転倒の磁石/Tumble Magnet》されないから。《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》はそこが問題だよね。ただただタップされちゃう。GPトロントで上手くやれたのもそれが理由だね。《転倒の磁石/Tumble Magnet》を三つも持っていたからね。

Bill: 今週末のシールドプールはどうだった?

Brad: かなり良かったよ。このフォーマットでは、MOとかも含めて今までで一番いいプールが引けたよ。あ、気に入らない点がひとつあったな。オプションが少ないんだ。その点ではトロントのデッキの方がよかったね。あのデッキはいろいろ選択肢があって、トリックもいっぱいあった。今回のはよりパワーカードが多いね。
選択肢が多いというのはこのフォーマットの素晴らしい点で、なぜ優秀なプレイヤーが勝てるかの理由でもある。盤面は沢山の選択肢で複雑になるんだ。例えば“除去を打てば対戦相手の金属術をオフにできるぞ”とか”呪文爆弾を起動するか、温存するか”とかね。気付きすらしないちっちゃなミスが勝敗を分けるんだ。

Bill: 記事でこの環境をよく理解できてないと言っていましたよね。にもかかわらず成績はいいですが。今はどうですか?

Brad: この環境について理解することはできたと思う。でも、僕が理解したのはドラフトに関するセオリーだけだ。シールドはもっと素直な環境だよ。シールドでは上手くやれる自信がある。それは、上手くMTGをすることと同義だから。ドラフトはすごく複雑だよね。この環境で興味深いのは、皆あるアーキタイプを選択して、そこに突っ走るんだ。でもできるデッキは3-5枚の質の低いカードが入ってる。僕なら入れないようなカードがね。それでも彼らは白赤金属術に突入するんだ。それで、《調和者隊の盾/Accorder’s Shield》一枚にやられることになる。

だから僕はディフェシブで適当なミッドレンジのデッキをよくドラフトしたよ。僕が重要視しているのは除去と、相手のデッキに上手く対処できるカードだ。それと恐竜(《最上位のティラナックス/Alpha Tyrranax》)に対処できる対戦相手に会ったことはないね。こいつはリミテッドでは偉大だよ、プレイするのがホントに楽しい。僕は自分よりこいつを重要視している相手とドラフトしたことがないよ。この環境はとても複雑で、常に変化しているんだ。大抵のフォーマットがそうだけど、ミラディンの傷跡ほどのペースではないね。《調和者隊の盾/Accorder’s Shield》の強さは既に皆に浸透したけど(Accorder’s Shield has gone way up for a lot of people), 一方で《粉砕/Shatter》は前ほど強力じゃない。皆、金属術に前ほど頼らなくなったからね。今は毒に傾いているようだ。

Bill: POYレースについて少し聞かせてください。プレイする際にこのレースが 重荷になることはありますか?

Brad: プレイ中は、全く影響を受けないよ。モチベーションにはなるけど、元々やる気満々だし。プレイ中は、ほかの事は全く考えないんだ。ただマッチをプレイして、勝ちたいだけさ。

POYには僕にとっていろんな意味がある。勝ちとるためには、かなり頑張らなきゃいけないだろう。 最も大きな問題は、ゲーム外のことを考えすぎちゃうことだね。とても入れ込んでしまって、ただ勝った負けたじゃ済まなくなるんだよ。負けると、それを受け入れられないで、動くことさえできなくなるんだ。僕もトロントでそんなことがあった。4ラウンド目で負けたんだけど、かなり堪えたよ。何度か励まされて、立ち直ることができたけど。

Top8でプレイしているときは、他の全てが見えなくなることもあるんだ。ゲームが終わってから周りを見渡して"ああ、皆見ていたのか。カバレッジリポーターもいるぞ"みたいな状態になる。

Bill: 貴方が受賞すれば、ここ十年で初めてアメリカ人が獲得することになりますが、それに特別な意味はありますが?

Brad: BDMの記事を見るまで10年間アメリカ人が戴冠していない事を知らなかったよ。僕が獲得できれば、アメリカにとって素晴らしいことだと思うけど、 、 僕はMTGを国で分けて考えたことはないよ。僕らは皆個々の人間さ。MTGをプレイしている皆の所属先は、それぞれのファミリーだよ。もし僕がこのレースに勝てれば、U.Sに トロフィーを持って帰れるのはクールだ。それが帰属している所だからね。 U.Sには素晴らしいプレイヤーがたくさんいる。team ChannelFireballがなければ僕はPOYで争えるプレイヤーにはなっていないだろう。 LSV, Wrapter, PV, Ochoaはこのゲームについて沢山のことを教えてくれた。でも結局のところ自分自身と親父のためにPOYをとりたい。親父はマジックにかなり入れ込んでいて、僕のライフスタイルを愛してくれている。 彼も祖母のDelilaも叔父さんもカバレッジを毎日見てくれている。これはとても嬉しいことです。

コメント

rain
2010年11月22日23:30

失礼します。
「it」は前文の「trophy」を指すとしっくりくる気がします。
あるいは、同文の「win」をわざわざ「do win」としているので「win」の可能性もありますが、「win」が「belong」だと抽象的すぎるので「trophy」の方がやはり良さそうです。

ペンティーノ
2010年11月23日12:28

ありがとうございます、助かります。

とても納得できました。こことその前のitはこの段落最初の文中のtrophyですね。参考にさせてもらって、修正いたします。

nophoto
re-giant
2010年11月23日23:24

お疲れ様です。ありがたく読ませて頂きました。
以下、あくまで参考までに。

> プレイする際に重荷になることはありますか(Does that weigh on you when you play)?

「that」はPOYレースを指していると思うので、
「プレイする際にPOYレースが重荷になることはありますか?」
のほうが原文に近くなるかな、と。

> 勝つためには、かなり頑張らなきゃいけないだろう(I’m going to work very hard to win it)。

「it」はPOYを指していると思うので
「POYを勝ち取るためには、かなり頑張らなきゃいけないだろう」
のほうが原文に近くなるかな、と。

> アメリカはホントにクールな国だけど(As a nation that’s really cool),

おそらく「that = ここ十年で初めてアメリカ人が獲得すること」だと思うので、
「もし僕がPOYを受賞できたらそれはアメリカにとって素晴らしいことだと思うけど」
って感じなのかな、と……ちょっと自信ないですが。

ペンティーノ
2010年11月24日17:26

ありがとうございます。

>上二つ
反復を避けたかったから省略してしまいました。

勝つためには、かなり頑張らなきゃいけないだろう(I’m going to work very hard to win it)。

はネルソンがいまダントツだからちょっと違和感を感じたのですが、それでも大変なことには変わりないですよね。

>おそらく「that = ここ十年で初めてアメリカ人が獲得すること」だと思うので、
「もし僕がPOYを受賞できたらそれはアメリカにとって素晴らしいことだと思うけど」
って感じなのかな、と……ちょっと自信ないですが。

すごく納得しました。いや、お恥ずかしい、なんだ僕の訳…


すごく助かります。参考させてもらって、修正します。

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