勝手に訳:FFfreaky Friday – Avoiding Traps and Playing Boros①ドラフトのはなし:修正あり青字1.01
2010年11月13日 翻訳:リミテッド コメント (2)http://www.channelfireball.com/articles/fffreaky-friday-avoiding-traps-and-playing-boros/
金曜更新のnelsonの週間連載記事の11月1週分(つまり先週分)です。ドラフトについての記事とスタンダードのボロスについての記事の2本立てです。
ドラフトの項がかなり面白いです。
・NecropedeとOxidda Scrapmelterの2択をその後のドラフトプランと共に議論
・かなり強力なカードがピックされずに流れてくる事態についての解説
・感染にいかにして参入するかについて
等の話で、自分にはとても参考になる記事でした。
Posted by Brad Nelson
November 4, 2010
今週は話すことがいっぱいあるので前置きはなしなんだぜ!
Pick 1 Pack 1, Necropede or Oxidda Scrapmelter?
私はGP中に2回もこの2択を迫られ、Facebookで友人にどちらをピックするか意見を募りもしました。パックには他に12枚のカードがあることはもちろん分かっていますが、とりあえずそれらは考慮しないでください。
これは、私の今までの傷跡ドラフトにおいて最も興味深い選択です。Oxida Scrapmelter がどれだけ強力かは皆知っていますね。こいつはゲーム序盤にブッパすることでかなり強力にテンポを稼いでくれますし、また対戦相手の武器庫の中のもっとも強力な1枚を取り除くこともできます。しかし、それはこの議論におけるキーではありません。それは、Necropedeの早期ピックがどれだけ強力になりうるか、です。
まだミラディンの傷跡を完全に理解できるほどこのセットでのドラフトこなしてはいませんが、私が発見したことの一つに、感染への参入の難しさがあります。この戦略を強行する事は、時にドラフトまたはトーナメント中ずっと、プレイに値しないデッキで過ごすことになります。しかしながら、他の誰もこの戦略を選ばなければ素晴らしい決断となります。
一方で、十分なメリットがあるうちに感染に参入することは、時としてとても難しいものがあります。3手目にCystbearerをピックすること簡単ではありません。他にもプレイアブルなカードはあるでしょうし、それは1手目2手目と上手く噛み合うカードということさえあります。Cystbearerピックは戦略を完全に変えるということであり、それまでのピックを放棄することになるでしょう。
また、私は今まで十分に強力な感染デッキを組めたことが本当にありません。強いデッキを作るには、42枚のピックすべてを生かす必要があります。 多くのカードを出し入れできないサードボーディングは常に苦しいものになるからです。ピックしたカードほとんどを戦略に組み込めるようにする必要があるのです。また、いくつかの感染カードはとても質が悪いので、使用に耐えるカードを十分に集めることがさらに重要になります。
こういった理由から、私は感染に踏み込みつつ他の選択肢も開けておけるピックを僅かにしか見つけられませんでした。Necropede またはGrafted Exoskeletonと同様に、黒の除去呪文はどれも感染戦略に入るには安全な第一歩です。Grafted Exoskeletonはよくできた感染デッキにおいてはそれなりに強力なカードですが、そうでないデッキにおいては壊れたカードになります。デッキ内の全てのクリーチャーを本物の脅威に変えることができるのです。
それでも、Grafted ExoskeletonをScrapmelterより優先して1stピックすることはありません。このカードは序盤にだせるクリーチャーと比べるとかなり遅く、強くもありません。この環境では大抵のデッキでは序盤のクリーチャーが重要です。Necropedeはそれを満たしています。こいつは2マナの感染クリーチャーであり、それは感染戦略においてもっとも重要な部分です。そして、どのデッキにも入ります。コントロールでも、アグロでも、金属術でも、感染でも。ボムではありませんが、どのデッキでも平均以上のカードです。
このフォーマットでは、Oxidda Scrapmelterは色を散らす価値のあるカードと認識されています。しかし、私は緑を使っていない限り、それに必ずしも同意できません。デッキは速く、一貫している必要があり、その上このカードは生物であるとはいえトリックではありません。通常、私はボムかトリックを使うために色を散らすのを好みます。ゲームをこじ開けてくれる可能性が最も高いからです。
私はマナベースの拡張に何度も挑戦しましたが、大抵はその報いを受けました。かつては、デッキの半分は無色のカードだから、色マナを探す時間があるだろうと考えていました。これは、マナマイアとChrome Steedを過大評価している人には当てはまりません。 これらのカードはこのフォーマットを始めた頃に考えていたほどよいものではありませんでした。しかし、これらは上手く展開できない時には非常に重要です。 それに、私は色の合う呪文爆弾をプレイすることを好んでいますが、これに関しても皆が考えている以上に色マナが必要となります。
つまり、Oxidda Scrapmelterをピックするということは、感染という選択肢を無くすか、感染に挑戦して初手を無駄にするか、どちらかということになります。こうしたピックの後で、感染を選択肢からはずしてしまう人を何度も見ました。ドラフトの序盤で、デッキの戦略に合致するカードと優秀な感染カードの2枚を同一パック内で見つけたとします。大抵のプレイヤーは感染クリーチャーをピック候補に入れすらしません。これはそれだけ感染戦略が狙われていると想定されているということですが、その様な振る舞いはレベルの高いイベントではとても愚かな選択になると考えています。あなたと卓を囲む人間が同様のことを考えているなら、そこから利益を得ることを考えるべきです。
私は、トーナメントでこの2択に遭遇した際はどちらもScrapmelterを選びましたが,それが正解というわけではありません。
最初にこの選択を迫られたのは、2回目のスイスドラフトにおいてでした。 私には2-0と、その後私をノックアウトするチャンスのある誰かとのIDが必要でした。このイベントにおいて、私は誰にとっても脅威だったので、対戦相手はIDしてくれないだろうと考えました。なので、私は3-0する必要があると思ったのです。負けられないということが、私のドラフトへのアプローチを、そのための戦略に変えました。
2回目もまた、強力な卓でのことでした。そのことを知っていたので、私はとても強力なデッキをドラフトするしかないだろうと考えました。安全で、広いピックではなく、攻撃的でリスキーなピックが求められました。かなり水準の高いデッキを作る必要があったのです。私にとってここでの1敗は、3回負けるのと同義だったのです(One loss was just like three in my opinion)。勝って成功するか、負けてただ家に帰るかの2択でした。
なので、ここでもまたOxidda Scrapmelterをピックしました。 TOP8のシングルエリミネーションだったのです。2-1かそれ以下でもよい場合なら、Necropede をピックするでしょう。その方がいろいろなデッキに迎える可能性を残せますが、このカードを最序盤にピックすることは、デッキのパワーレベルを下げることにもなります。
Trap Picks
ドラフト中に出くわす最も困った事態の一つに、そのパックにそぐわないカードが含まれていることが上げられます。こういったカードは通常2手目から6手目の間に現れ、パックの他のカードよりずっとパワフルなのです。
昔は、ただ単純にそのカードをピックするだけでしたが、それで上手くいくこともままありました。色や戦略が開いていた時は、その無配慮なピックからアドバンテージを得ることができました。しかし、大抵は上手く行きませんでした。私には、 なぜその様なカードがそんなに遅くまで残っているのか全く理解できていなかったのです。WizardsがVampire Nighthawkというカードを刷ってくれるまで、なぜこのような現象が起きるのか分からないままでした。
このカードは、アンコモンにも関わらず大抵のレアを凌ぐ強さを持っています。このカードはまず間違いなく、Malakir BloodwitchとSorin Markovに次ぐ(ゼンディカー黒の)三番手のカードです。ゼンディカードラフトをする人なら誰でも、Vampire Nighthawkがそれだけで勝てる強力なカードであると知っています。
このカードを2手目として初めてピックしたとき、上家はアホに違いないとしか考えませんでした。私は夜鷲をピックしましたが、そのドラフトは十分に黒が確保できないという結果になりました。ドラフトの後、上家は馬鹿だったのではなく、幸運にももっと強力な黒のカードを獲っていたということを知りました。私は自分から悪いドラフトに向かっていただけでした。
そんな序盤にこの様な強力なカードを見過ごすのはとても難しいことなので、この様な失敗を何度かしました。黒に行かせてもらえず、上手く行くことはありませんでした。上家は常に、より強力なスペルを引いていたのです。この事が私に、”trap pick”とはどんなものなのか明確に理解させました。
以下のカードを見てください。あなたは今、GPの1stドラフトの最中です。最初の3手を以下のようにピックしました。
Darksteel Axe
Myrsmith
Chrom Steed
あなたが流したカードは何枚かの感染クリーチャーと、各色の平均的な点数の金属術のカード、そして数枚の除去です。対戦相手が開けたパックのレアはどちらも既にピックされていました。それらパックでのあなたのピックは、MyrsmithとChrome Steedです。次に来たパックはとても貧弱なものでしたが、そこにはEmbersmithとOrigin Spellbombがありあました。コモン、アンコモン、レアが一枚ずつ無くなっています。このドラフトでは登録されたパックを使っており、フォイルが出るということはありません。
どちらをピックしますか?どちらも貴方が向かおうとしている金属術にはうってつけのカードです。しかし、より強力な方は色が合いません。また、それらはこのパックからは浮いている様に見えます。私は躊躇なしにカードをバシッと叩きつけますがそれはあなたがするべきことではありません。決断を下す前にいくつか自問自答しなくてはならないのです。
なぜEmbersmithはまだパックに残っているのでしょう?
これは重要な疑問です。レアがピックされたのは分かっているので、ボムが現れた可能性が高いことがわかります。また、赤は初手で皆が向かいやすい色です。この色には沢山の除去ととても優秀なカードがあります。レアが取られているということから、あなたの上流のプレイヤー達には三回だけTurn to SlagやGalvanic Blastをピックするチャンスがあったということが言えます。それは、ここまでのピックの半分でしかありません。 また、アンコモンも無くなっています。そのアンコモンはOxidda ScrapmelterやSkinrenderの様なクリーチャー、またはある感染クリーチャー、それかContagion Claspの様なアーティファクトであろうと考えられます。
ここで次の疑問が生じます。誰か感染をドラフトしているのだろうか?上家から渡されたパックに優秀な感染クリーチャーが居るかどうかは、重要な情報だということを覚えておいてください。隣の人が感染をドラフトしていると分かったなら、必要なカードはほとんど被らず、彼らは大量の優秀なカードを流してくれるでしょう。
これらの情報からは、Embersmithはいいピックだと私は思います。上流の誰かがsmithを上回る赤いカードをピックした可能性は低いと考えられます。またレアが既にピックされているので、どの戦略に向かうのがベストか判断する情報はまだ十分にありません。 これが《燃えさし鍛冶》がここまで流れてきたこと、そしてそれが正しいピックである理由としてもっと可能性の高いものです。
では、シチュエーションを少し変えてみましょう。先ほどと同じ三枚からピックを始めたとします。しかし、今回流したカードはもう少し大目の感染クリーチャー、そしてレアは全て弱っちいカードでした。そして今、Embersmith, Origin Spellbomb, Ichorclaw Myr, それからSemblance Anvilを含んだパックを渡されたとします。1枚のアンコモンと2枚のコモンが無くなっています。
これは完全に”trap pick”の状態です。まだ赤が開いている可能性はありますが、その確率はかなり低くなっています。なにが起こっているかといいますと、このパックからはOxidda Scrapmelter, Galvanic Blast, Turn to Slag, はたまたShatterが抜かれたかもしれないということです。これらのうちの何かを取ったその人はドラフトをボムから始めていないので、ある戦略に既に向かっており、赤にはよりよい選択肢があったが故にEmbersmithを流したのでしょう。
まだ感染に特化したデッキには誰も向かってないと考えられます。なぜなら、Embersmithより優先するカードは限られているからです。3人のプレイヤーがこのカードを見たにもかかわらず、他のカードを選んだということを思い出してください。大抵のプレイヤーは以下の優先順位でピックを行います。ボム >除去>回避> クリーチャー。これは大抵は正しいので、ボムの抜かれたパックを見た上家のドラフターは除去をピックしたと思われます。大抵の除去は赤と黒にあり、他の色にいくつか散らばっています。
このシチュエーションでEmbersmithをピックすることは、このピックを無駄にするか、はたまた失敗ドラフトに終わるでしょう。あなたがスタートした甘美な赤白金属術というアーキタイプから離れることができないならば。
Counter Argument
『ミラディンの傷跡』は他のフォーマットとは異なり、隣のプレイヤーと同じデッキをドラフトしていても、いいデッキを作れる見込みが十分あります。金属術のためのプールは膨大で、そしてデッキが動くためには皆一定数のアーティファクトが必要です。そのため、Turn to Slagの様なカードが赤をやるプレイヤーを通過してくることがあるのです。 これもまた、ピックの前にいったい何が起きているのかを考えたいケースの一つです。
Why is it so hard to draft infect?
感染はドラフトにおける非常に興味深い新境地です。感染は私にRavnica×3のドラフトを思い出させます。そこでは黒青のライブラリーアウト戦略(mill strategy)は卓に一人ならば強力な戦略でした。また、開きがないときにその戦略に向かうのは最悪の選択でした。この戦略がリスキーな理由は、あなたのピックは除去かライブラリーアウトに関するカードだけになるということです。そこにはプランBというものがありません。相手を轢き殺すか負けるかしかないのです。
感染はこれにかなり似ています。対戦相手を通常ダメージとは全く違う手段で倒すしかないのです。デッキが、対戦相手に毒カウンターを10個与えるのに十分な能力を持っていなかったとしても、20の通常ダメージを与えるのはかなり難しいでしょう。つまり、このアーキタイプをドラフトするプレイヤーは感染に専念しなければならないのです。
この戦略で最も難しいのは、いつそれに向かうかです。プロフェッショナルなイベントで私が感染をドラフトしたのは、GPトロントでの1回だけです。2手目でPlague Stinger を感染クリーチャーが沢山入ったパックからピックし、僅かながらのアドバンテージを得ました。私の上家はBen Starkでした。Benはとても優秀なドラフターです。Benは彼の上家についても、彼が向かわなかった感染に向かう機会があったかどうか知ってます。そして2人の感染デッキに挟まれて、そこに参入しようとは思わないでしょう。この様に考えて、私はPlague Stringerを2手目でピックしました。このカードはパックの中で最良のカードで、かつ私は頑張ればこのアーキタイプに向かうチャンスがあると考えたからです。
こういう事態はよく見ます。あるプレイヤーが、感染クリーチャーが数枚含まれたパックを手にしたとします。彼はその内の1体を取ってパックを回すでしょう。そして、パックを渡された人もまた感染がまだ開いていると思うでしょう。彼らは感染クリーチャーをめぐって争い、結局はどちらのプレイヤーも、粗悪なデッキしか作れないでしょうでしょう。そして0-2後の最終戦で顔を合わせるのです。
既に述べたように、感染をドラフトすると沢山のカードを選択肢から外れます。これは、ピックできるカードが極端に少なくなるということです。感染に深く関連するカードはパック中に3~4枚しかなく、通常10~13枚あるのに比べるとかなり少ないです。あなたの上家がパック内最強の感染カードを取り、あなたは2番手をピックせざるを得ないとなると、状況はさらに悪化します。
私が見つけたベストな解決策は、優秀な感染クリーチャーがこないならその戦略を破棄するということです。序盤の数手でPlague StingerかCystbearerが取れないなら、感染を強行する理由はありませんよね?それが唯一の良策だと思いませんか?
私は、感染をやる機会が与えられないなら、速いうちから非感染への道を探ることこそが重要だと考えています。探せばきっとあります。猪突猛進するするのではなく、その道を探して見てください。
金曜更新のnelsonの週間連載記事の11月1週分(つまり先週分)です。ドラフトについての記事とスタンダードのボロスについての記事の2本立てです。
ドラフトの項がかなり面白いです。
・NecropedeとOxidda Scrapmelterの2択をその後のドラフトプランと共に議論
・かなり強力なカードがピックされずに流れてくる事態についての解説
・感染にいかにして参入するかについて
等の話で、自分にはとても参考になる記事でした。
Posted by Brad Nelson
November 4, 2010
今週は話すことがいっぱいあるので前置きはなしなんだぜ!
Pick 1 Pack 1, Necropede or Oxidda Scrapmelter?
私はGP中に2回もこの2択を迫られ、Facebookで友人にどちらをピックするか意見を募りもしました。パックには他に12枚のカードがあることはもちろん分かっていますが、とりあえずそれらは考慮しないでください。
これは、私の今までの傷跡ドラフトにおいて最も興味深い選択です。Oxida Scrapmelter がどれだけ強力かは皆知っていますね。こいつはゲーム序盤にブッパすることでかなり強力にテンポを稼いでくれますし、また対戦相手の武器庫の中のもっとも強力な1枚を取り除くこともできます。しかし、それはこの議論におけるキーではありません。それは、Necropedeの早期ピックがどれだけ強力になりうるか、です。
まだミラディンの傷跡を完全に理解できるほどこのセットでのドラフトこなしてはいませんが、私が発見したことの一つに、感染への参入の難しさがあります。この戦略を強行する事は、時にドラフトまたはトーナメント中ずっと、プレイに値しないデッキで過ごすことになります。しかしながら、他の誰もこの戦略を選ばなければ素晴らしい決断となります。
一方で、十分なメリットがあるうちに感染に参入することは、時としてとても難しいものがあります。3手目にCystbearerをピックすること簡単ではありません。他にもプレイアブルなカードはあるでしょうし、それは1手目2手目と上手く噛み合うカードということさえあります。Cystbearerピックは戦略を完全に変えるということであり、それまでのピックを放棄することになるでしょう。
また、私は今まで十分に強力な感染デッキを組めたことが本当にありません。強いデッキを作るには、42枚のピックすべてを生かす必要があります。 多くのカードを出し入れできないサードボーディングは常に苦しいものになるからです。ピックしたカードほとんどを戦略に組み込めるようにする必要があるのです。また、いくつかの感染カードはとても質が悪いので、使用に耐えるカードを十分に集めることがさらに重要になります。
こういった理由から、私は感染に踏み込みつつ他の選択肢も開けておけるピックを僅かにしか見つけられませんでした。Necropede またはGrafted Exoskeletonと同様に、黒の除去呪文はどれも感染戦略に入るには安全な第一歩です。Grafted Exoskeletonはよくできた感染デッキにおいてはそれなりに強力なカードですが、そうでないデッキにおいては壊れたカードになります。デッキ内の全てのクリーチャーを本物の脅威に変えることができるのです。
それでも、Grafted ExoskeletonをScrapmelterより優先して1stピックすることはありません。このカードは序盤にだせるクリーチャーと比べるとかなり遅く、強くもありません。この環境では大抵のデッキでは序盤のクリーチャーが重要です。Necropedeはそれを満たしています。こいつは2マナの感染クリーチャーであり、それは感染戦略においてもっとも重要な部分です。そして、どのデッキにも入ります。コントロールでも、アグロでも、金属術でも、感染でも。ボムではありませんが、どのデッキでも平均以上のカードです。
このフォーマットでは、Oxidda Scrapmelterは色を散らす価値のあるカードと認識されています。しかし、私は緑を使っていない限り、それに必ずしも同意できません。デッキは速く、一貫している必要があり、その上このカードは生物であるとはいえトリックではありません。通常、私はボムかトリックを使うために色を散らすのを好みます。ゲームをこじ開けてくれる可能性が最も高いからです。
私はマナベースの拡張に何度も挑戦しましたが、大抵はその報いを受けました。かつては、デッキの半分は無色のカードだから、色マナを探す時間があるだろうと考えていました。これは、マナマイアとChrome Steedを過大評価している人には当てはまりません。 これらのカードはこのフォーマットを始めた頃に考えていたほどよいものではありませんでした。しかし、これらは上手く展開できない時には非常に重要です。 それに、私は色の合う呪文爆弾をプレイすることを好んでいますが、これに関しても皆が考えている以上に色マナが必要となります。
つまり、Oxidda Scrapmelterをピックするということは、感染という選択肢を無くすか、感染に挑戦して初手を無駄にするか、どちらかということになります。こうしたピックの後で、感染を選択肢からはずしてしまう人を何度も見ました。ドラフトの序盤で、デッキの戦略に合致するカードと優秀な感染カードの2枚を同一パック内で見つけたとします。大抵のプレイヤーは感染クリーチャーをピック候補に入れすらしません。これはそれだけ感染戦略が狙われていると想定されているということですが、その様な振る舞いはレベルの高いイベントではとても愚かな選択になると考えています。あなたと卓を囲む人間が同様のことを考えているなら、そこから利益を得ることを考えるべきです。
私は、トーナメントでこの2択に遭遇した際はどちらもScrapmelterを選びましたが,それが正解というわけではありません。
最初にこの選択を迫られたのは、2回目のスイスドラフトにおいてでした。 私には2-0と、その後私をノックアウトするチャンスのある誰かとのIDが必要でした。このイベントにおいて、私は誰にとっても脅威だったので、対戦相手はIDしてくれないだろうと考えました。なので、私は3-0する必要があると思ったのです。負けられないということが、私のドラフトへのアプローチを、そのための戦略に変えました。
2回目もまた、強力な卓でのことでした。そのことを知っていたので、私はとても強力なデッキをドラフトするしかないだろうと考えました。安全で、広いピックではなく、攻撃的でリスキーなピックが求められました。かなり水準の高いデッキを作る必要があったのです。私にとってここでの1敗は、3回負けるのと同義だったのです(One loss was just like three in my opinion)。勝って成功するか、負けてただ家に帰るかの2択でした。
なので、ここでもまたOxidda Scrapmelterをピックしました。 TOP8のシングルエリミネーションだったのです。2-1かそれ以下でもよい場合なら、Necropede をピックするでしょう。その方がいろいろなデッキに迎える可能性を残せますが、このカードを最序盤にピックすることは、デッキのパワーレベルを下げることにもなります。
Trap Picks
ドラフト中に出くわす最も困った事態の一つに、そのパックにそぐわないカードが含まれていることが上げられます。こういったカードは通常2手目から6手目の間に現れ、パックの他のカードよりずっとパワフルなのです。
昔は、ただ単純にそのカードをピックするだけでしたが、それで上手くいくこともままありました。色や戦略が開いていた時は、その無配慮なピックからアドバンテージを得ることができました。しかし、大抵は上手く行きませんでした。私には、 なぜその様なカードがそんなに遅くまで残っているのか全く理解できていなかったのです。WizardsがVampire Nighthawkというカードを刷ってくれるまで、なぜこのような現象が起きるのか分からないままでした。
このカードは、アンコモンにも関わらず大抵のレアを凌ぐ強さを持っています。このカードはまず間違いなく、Malakir BloodwitchとSorin Markovに次ぐ(ゼンディカー黒の)三番手のカードです。ゼンディカードラフトをする人なら誰でも、Vampire Nighthawkがそれだけで勝てる強力なカードであると知っています。
このカードを2手目として初めてピックしたとき、上家はアホに違いないとしか考えませんでした。私は夜鷲をピックしましたが、そのドラフトは十分に黒が確保できないという結果になりました。ドラフトの後、上家は馬鹿だったのではなく、幸運にももっと強力な黒のカードを獲っていたということを知りました。私は自分から悪いドラフトに向かっていただけでした。
そんな序盤にこの様な強力なカードを見過ごすのはとても難しいことなので、この様な失敗を何度かしました。黒に行かせてもらえず、上手く行くことはありませんでした。上家は常に、より強力なスペルを引いていたのです。この事が私に、”trap pick”とはどんなものなのか明確に理解させました。
以下のカードを見てください。あなたは今、GPの1stドラフトの最中です。最初の3手を以下のようにピックしました。
Darksteel Axe
Myrsmith
Chrom Steed
あなたが流したカードは何枚かの感染クリーチャーと、各色の平均的な点数の金属術のカード、そして数枚の除去です。対戦相手が開けたパックのレアはどちらも既にピックされていました。それらパックでのあなたのピックは、MyrsmithとChrome Steedです。次に来たパックはとても貧弱なものでしたが、そこにはEmbersmithとOrigin Spellbombがありあました。コモン、アンコモン、レアが一枚ずつ無くなっています。このドラフトでは登録されたパックを使っており、フォイルが出るということはありません。
どちらをピックしますか?どちらも貴方が向かおうとしている金属術にはうってつけのカードです。しかし、より強力な方は色が合いません。また、それらはこのパックからは浮いている様に見えます。私は躊躇なしにカードをバシッと叩きつけますがそれはあなたがするべきことではありません。決断を下す前にいくつか自問自答しなくてはならないのです。
なぜEmbersmithはまだパックに残っているのでしょう?
これは重要な疑問です。レアがピックされたのは分かっているので、ボムが現れた可能性が高いことがわかります。また、赤は初手で皆が向かいやすい色です。この色には沢山の除去ととても優秀なカードがあります。レアが取られているということから、あなたの上流のプレイヤー達には三回だけTurn to SlagやGalvanic Blastをピックするチャンスがあったということが言えます。それは、ここまでのピックの半分でしかありません。 また、アンコモンも無くなっています。そのアンコモンはOxidda ScrapmelterやSkinrenderの様なクリーチャー、またはある感染クリーチャー、それかContagion Claspの様なアーティファクトであろうと考えられます。
ここで次の疑問が生じます。誰か感染をドラフトしているのだろうか?上家から渡されたパックに優秀な感染クリーチャーが居るかどうかは、重要な情報だということを覚えておいてください。隣の人が感染をドラフトしていると分かったなら、必要なカードはほとんど被らず、彼らは大量の優秀なカードを流してくれるでしょう。
これらの情報からは、Embersmithはいいピックだと私は思います。上流の誰かがsmithを上回る赤いカードをピックした可能性は低いと考えられます。またレアが既にピックされているので、どの戦略に向かうのがベストか判断する情報はまだ十分にありません。 これが《燃えさし鍛冶》がここまで流れてきたこと、そしてそれが正しいピックである理由としてもっと可能性の高いものです。
では、シチュエーションを少し変えてみましょう。先ほどと同じ三枚からピックを始めたとします。しかし、今回流したカードはもう少し大目の感染クリーチャー、そしてレアは全て弱っちいカードでした。そして今、Embersmith, Origin Spellbomb, Ichorclaw Myr, それからSemblance Anvilを含んだパックを渡されたとします。1枚のアンコモンと2枚のコモンが無くなっています。
これは完全に”trap pick”の状態です。まだ赤が開いている可能性はありますが、その確率はかなり低くなっています。なにが起こっているかといいますと、このパックからはOxidda Scrapmelter, Galvanic Blast, Turn to Slag, はたまたShatterが抜かれたかもしれないということです。これらのうちの何かを取ったその人はドラフトをボムから始めていないので、ある戦略に既に向かっており、赤にはよりよい選択肢があったが故にEmbersmithを流したのでしょう。
まだ感染に特化したデッキには誰も向かってないと考えられます。なぜなら、Embersmithより優先するカードは限られているからです。3人のプレイヤーがこのカードを見たにもかかわらず、他のカードを選んだということを思い出してください。大抵のプレイヤーは以下の優先順位でピックを行います。ボム >除去>回避> クリーチャー。これは大抵は正しいので、ボムの抜かれたパックを見た上家のドラフターは除去をピックしたと思われます。大抵の除去は赤と黒にあり、他の色にいくつか散らばっています。
このシチュエーションでEmbersmithをピックすることは、このピックを無駄にするか、はたまた失敗ドラフトに終わるでしょう。あなたがスタートした甘美な赤白金属術というアーキタイプから離れることができないならば。
Counter Argument
『ミラディンの傷跡』は他のフォーマットとは異なり、隣のプレイヤーと同じデッキをドラフトしていても、いいデッキを作れる見込みが十分あります。金属術のためのプールは膨大で、そしてデッキが動くためには皆一定数のアーティファクトが必要です。そのため、Turn to Slagの様なカードが赤をやるプレイヤーを通過してくることがあるのです。 これもまた、ピックの前にいったい何が起きているのかを考えたいケースの一つです。
Why is it so hard to draft infect?
感染はドラフトにおける非常に興味深い新境地です。感染は私にRavnica×3のドラフトを思い出させます。そこでは黒青のライブラリーアウト戦略(mill strategy)は卓に一人ならば強力な戦略でした。また、開きがないときにその戦略に向かうのは最悪の選択でした。この戦略がリスキーな理由は、あなたのピックは除去かライブラリーアウトに関するカードだけになるということです。そこにはプランBというものがありません。相手を轢き殺すか負けるかしかないのです。
感染はこれにかなり似ています。対戦相手を通常ダメージとは全く違う手段で倒すしかないのです。デッキが、対戦相手に毒カウンターを10個与えるのに十分な能力を持っていなかったとしても、20の通常ダメージを与えるのはかなり難しいでしょう。つまり、このアーキタイプをドラフトするプレイヤーは感染に専念しなければならないのです。
この戦略で最も難しいのは、いつそれに向かうかです。プロフェッショナルなイベントで私が感染をドラフトしたのは、GPトロントでの1回だけです。2手目でPlague Stinger を感染クリーチャーが沢山入ったパックからピックし、僅かながらのアドバンテージを得ました。私の上家はBen Starkでした。Benはとても優秀なドラフターです。Benは彼の上家についても、彼が向かわなかった感染に向かう機会があったかどうか知ってます。そして2人の感染デッキに挟まれて、そこに参入しようとは思わないでしょう。この様に考えて、私はPlague Stringerを2手目でピックしました。このカードはパックの中で最良のカードで、かつ私は頑張ればこのアーキタイプに向かうチャンスがあると考えたからです。
こういう事態はよく見ます。あるプレイヤーが、感染クリーチャーが数枚含まれたパックを手にしたとします。彼はその内の1体を取ってパックを回すでしょう。そして、パックを渡された人もまた感染がまだ開いていると思うでしょう。彼らは感染クリーチャーをめぐって争い、結局はどちらのプレイヤーも、粗悪なデッキしか作れないでしょうでしょう。そして0-2後の最終戦で顔を合わせるのです。
既に述べたように、感染をドラフトすると沢山のカードを選択肢から外れます。これは、ピックできるカードが極端に少なくなるということです。感染に深く関連するカードはパック中に3~4枚しかなく、通常10~13枚あるのに比べるとかなり少ないです。あなたの上家がパック内最強の感染カードを取り、あなたは2番手をピックせざるを得ないとなると、状況はさらに悪化します。
私が見つけたベストな解決策は、優秀な感染クリーチャーがこないならその戦略を破棄するということです。序盤の数手でPlague StingerかCystbearerが取れないなら、感染を強行する理由はありませんよね?それが唯一の良策だと思いませんか?
私は、感染をやる機会が与えられないなら、速いうちから非感染への道を探ることこそが重要だと考えています。探せばきっとあります。猪突猛進するするのではなく、その道を探して見てください。
コメント
「誰もがマナ・マイアと《金属の駿馬》を過大評価しているうちは、これは正しくありませんでした。これらのカードは、このフォーマットの初期にわたしが考えていたほどいいカードではありませんでしたが、それでもうまく展開できていないときは非常に重要です。」
>This is the real question.
「これこそが問題です。」
“real”には、「重要な」みたいなニュアンスがあります。
>That is only half the picks taken.
「それは、ここまでのピックの半分でしかありません。」
今は4手目のピックを考えているところですが、あなたが見た、上流がこれまでにピックしたカードは、
・2パック目のレア
・3パック目のレアと何か
・4パック目のレアとアンコモンとコモン
です。合わせて6枚。
この中で、《感電破》や《金屑化》がピックされている可能性があるのはコモンとアンコモンの3枚だけで、全体の半分でしかないと言っています。
>This is the best possibility of an Embersmith making it this far and being the correct pick.
「これが《燃えさし鍛冶》がここまで流れてきたこと、そしてそれが正しいピックである理由としてもっと可能性の高いものです。」
ちょっとロジックがおかしい感じはしますが、それ以外の意味であるようには読めないです。
>Since this is Scars of Mirrodin and not a different draft format it is very possible to draft the same deck right beside someone and still come out with a good deck.
「『ミラディンの傷跡』は他のフォーマットとは異なり、隣のプレイヤーと同じデッキをドラフトしていても、いいデッキを作れる見込みが十分あります。」
同じデッキをドラフトすることがvery possibleだ、とは言ってないです。
>This is just another time that it is better to be thinking about what is going on before you take a pick.
「これもまた、ピックの前にいったい何が起きているのかを考えたいケースの一つです。」
>上二つ
realは意味が広いですね。自分の中での「real」のニュアンスが少し拡大しました。
>「それは、ここまでのピックの半分でしかありません。」
今は4手目のピックを考えているところですが、あなたが見た、上流がこれまでにピックしたカードは、
・2パック目のレア
・3パック目のレアと何か
・4パック目のレアとアンコモンとコモン
です。合わせて6枚。
この中で、《感電破》や《金屑化》がピックされている可能性があるのはコモンとアンコモンの3枚だけで、全体の半分でしかないと言っています。
なるほど、そもそもこのロジックを理解してなかった(汗。だから意味が取れなかったようです。凄い納得できました。
>同じデッキをドラフトすることがvery possibleだ、とは言ってないです。
>「これが《燃えさし鍛冶》がここまで流れてきたこと、そしてそれが正しいピックである理由としてもっと可能性の高いものです。」
making itで「ここまで残る」という意味なんですね。検索すると、この熟語自体はすぐ出てきます。ニュアンスもそんな感じみたいですね。調べればよかった、お手数かけました。
it is very possible( to draft the same deck right beside someone and still come out with a good deck.)
ですね。
it is very possible( to draft the same deck right beside someone) and( still come out with a good deck.)
こう考えてしまったのですが、後ろにはtoがないので並列になっていませんね。
>「これもまた、ピックの前にいったい何が起きているのかを考えたいケースの一つです。」
教えてもらえれば構文をとれるのですが、自分でたどり着ける様になりたいですね。
今回もありがとうございました。拝借して修正させて頂きます。