http://www.channelfireball.com/articles/careful-consideration-not-taking-the-bait/

Posted by Zaiem Beg

October 28, 2010

Zaiem Begによる対戦相手の「プレイミス」をどう扱うかについての話です。どんな場合にミスが期待でき、そしてできないのかについて説明しています。訳がへなちょこで筆者の言いたいことちゃんと伝わるか不安。

以下本文
こんにちは。初めてchannelfireball.comに記事を書くことになって、とても興奮しています!

実は初めてではないのですが…でもそれに近い気分なのです。私に馴染みがない人、またはchannelfireball.comの記事を最近6ヶ月以内に読み出したのために説明すると、私はサイト設立当初から今年の5月まで、このサイトの週刊記事のライターでした。そして、去年の11月からはこのサイトのエディターをやっています(LSVとともに)。私を簡単に表すとすれば、PTQサーキットプレイヤーといえます(My quick resume is PTQ grinder:妄想訳)。最近ではPTアムステルダムでプレイし、2日目には残れませんでしたが、一緒に調整した仲間からは限りなく学ぶ事があり、私がMTGとそれに関わる全ての人を愛していることが確認できました。

今年の春にスタンダードシーズンが始まってから、私は記事を書くために必要な、論理的な環境理解が十分にできてないと感じる様になり、MTGにおける執筆活動は徐々に減っていきました。きたるべきトーナメントにおけるベストなジャンドデッキの構築法が分からなくなり、Mythicに対して何を備えればいいのかなど、全てが揺らいで見え、確信を持つことができませんでした。続くM11のリミテッドにおいては取り立てて記事にするようなことはありませんでした。でも、M11に関する洞察を少し提供してあげましょう:

1. Crystal BallはM11ドラフトで最も過大評価されたカードである。
2. Necrotic PlagueはM11ドラフトにおいて犯罪的に過小評価されたカードである。傷跡ドラフトがMOでリリースされた1週間前の8-4ドラフトでさえ、Necrotic Plaguesが5ピック目まで流れていました。皆、見てみなさい、 ドラフトビデオにおいてLSVやConleyは次の様なことをいっていますー “なんでこのカードがまだあるの?こいつは基本的にWrath of Godなのに”。 これは誇張ではありません。It’s as if people have protection from words

え、まだ終わってないフォーマットの話が聞きたいって?やれやれ、手のかかる読者ですねぇ。私は今からローウィンのレヴューをするのもやぶさかではないというのに。

ま、おそらくあなたはここに有用なMTGのコンテンツを求めてやってきたのでしょうから、もうちょっと最近のフォーマットで、頻繁に起きうる諸々について話すべきですかね。

では、ミラディンの傷跡ドラフトをプレイしているとしましょう。ラウンド1のゲーム1で、マリガンして6枚の手札からスタート。その後沼、平地、Gold Myrとプレイしたとします。対戦相手の対戦相手はマリガンなしで7枚のハンドをキープしています。

で、対戦相手が沼からFume Spitterを1ターン目にプレイ。2ターン目には山をセットしてFume Spitterでアタックしてきました。

あなたのハンドは:
Rusted Relic
Chrome Steed
Razor Hippogriff
Darksteel Juggernaut

あなたは土地が17枚のデッキを組んでいて、対戦相手について何も知らないとします(MOにいるだれかさんです)。さぁ。どうプレイしますか?

5マナ生物と4マナ生物が2枚ずつ手札にあり、しかし4枚目のマナソースはありません。次に土地が引けなければ、マナトラブルが起きることになります。手札は4マナ以上のスペルで渋滞しているというのに…

対戦相手がFume Spitter を場に出していて、それがあなたのGold Myrを殺してさらなるマナスクリューが起きる可能性が高いこのシチュエーションは、いずれにせよまずい事態です。でも対戦相手はあなたの手札に土地が無いことを知りません。あなたはアタックをスルーし、ライフを19として、対戦相手がマイアを見逃すことを祈るでしょう。対戦相手がマイアを殺さないのは大抵間違い(対戦相手があなたの手札が土地でいっぱいだと考えていたとしても)ですが、人は間違いを犯すものです。

この一連のプレイにおいて、あなたは1点のライフを犠牲にしますが、土地が引ければ状況が好転するというシチュエーションに持っていくことができます。いずれにせよ、窮地に立たされていて、状況が好転するためにはなにかが起きる必要があるわけですから、1点のライフを危険に晒す価値はあるのです。対戦相手がミスを犯す可能性が生じ、それによりあなたの勝つチャンスは多少増すからです。

問題は、対戦相手がマイアを見逃すことなどとても起きそうにないということです。Fume SpitterがMyrに突っ込んできた際にそれをスルーすることは、いつ何時も、1点のライフ をリターンなしに相手に献上する結果に終わるでしょう。

(変なこと書いちゃったかな(I’ve got a sick read))

How can I be so sure?

では、次に対戦相手がミスを犯す可能性がもっと高いケースについて考えてみましょう:

A contrasting scenario

あなたはNecropedeを場に出しており、他にクリーチャーはいないとします。あなたのデッキは遅いけれどゲーム後半に強いので、Necropedeはブロッカーとして採用しています。また、あなたのデッキには増殖を行う手段(Contagion Claspの様な)はないものとします。つまり、ゲーム序盤に毒カウンターを与えて増殖…という勝ちは起こりません。Necropedeがデッキ唯一の感染クリーチャーなので毒での勝利はありえないのです。そしてこれは3ゲーム目で、対戦相手あなたのデッキが毒デッキでないことはよく判っています。対戦相手はMyrsmithを場に出しました。あなたの手札には一枚のDispense Justiceがあります。

(Necropedeで)アタックしてもスルーされるのが予想できます;もし彼がMyrsmithでブロックするとすれば、それはあなたにとってよいことでしょう。ここでのブロックは彼に不利な結果になるので、おそらくブロックはされないでしょう。また、もしNecropedeをブロッカーとして残したら、myrsmithはアタックしてこないでしょう。

しかし、あなたがNecropedeでブロックするという可能性を無くしてやれば、彼はMyrsmith(できればアーティファクトスペルをキャストする前に戦闘に入って欲しいものです)でアタックしてくるでしょうし、そうなれば甘くておいしい正義の施行でMyrsmithを卓から排除することができます。それはあなたが望むところでしょう。

優秀なプレイヤーならDispense Justiceを握っている(Necropedeでアタックして、3マナを立てておく理由が他にありますか?対戦相手はあなたのデッキが毒絡みでないことを知っているのです)ことを読むかもしれません。 そして、アタックせずにターンを返すかもしれません。それでも、アクティブなMyrsmithは戦闘で除去することができない→Myrsmithによるアタックを引き出すためにNecropedeでアタック、という一連のプレイは合理的です。そこには対戦相手がミスを犯す可能性があり、そのミスこそがあなたの望むことなのですが、あなたの勝率を上昇させるでしょう。

2つ目のシナリオにおいては、未知なる対戦相手が時にミスを犯すことを、それなりに期待できます。なぜ1つ目の例ではそれが期待できないのでしょう?

(この例において、あなたがDispense Justiceを持っているふりをしている、という場合もありますが、それはこのシナリオで深く論じる部分ではありません; この例はただ「対戦相手のミスを誘い出せる」シナリオの例として、「誘い出せない」例と対比するために提示したものです。)

Revisiting the scenarios from their perspective

これら二つのシチュエーションにはいくつかの差異があります。 まずNecropedeと into Dispense Justiceの例において、対戦相手が何を考えるかについて考察してみましょう。

1つの可能性は、対戦相手がなにも考えていない、という場合です。対戦相手があなたの手札になにがあるか、またはあなたがなぜ3マナ立ててターンを返したかについて考えない。これはとりわけ新しいフォーマットにおいてありがちなミスです。どんな環境でプレイしているのか知らない/理解していないプレイヤーと対戦する機会が頻繁にあるのです。(ゼンディカーのプレリリースにおいて、2体のクリーチャーを展開しながら私は次のように考えていました 。“Infest/Pyroclasm系のカードがあれば嬉しいんだがなぁ―場が一掃されても、僕の手札にはリカバリーできるものがあるから。その後に、対戦相手はキッカー込みのMarsh Casualtiesをキャストしました。ちょっとまて、何そのカード!?そのゲームで、私は勝つことができませんでした。)

また別の可能性として、対戦相手は何らかの理由で、MyrsmithにDispense Justiceが打たれることを気にしていない、という場合もあります。彼はMyrsmithとDispense Justice のトレードを了解してよいという結論(正しいのか間違っているのか、おそらく間違っていますがそれは別として)に達したのです。もしかしたら対戦相手はMolten-Tail Masticore を持っていて、そして遅いゲームになることを知っているから、Justiceを取り除けばMasticoreでビートダウンができると考えたのかもしれません。その様な場合でもMyrsmithでのアタックはおそらく間違いでしょう。アタックさせずに1/1を量産させることは長いゲームにおいて助けになるでしょうし、ゲーム後半に一匹の1/1 を率いてMasticoreで攻撃する (金属術が達成されているなら2匹率いて) 、という方法もまたDispense Justice を回避する策として取れるのですから。

対戦相手がある行動に至る最適解ではない理由を、私たちはいろいろ考えることができます。しかしそれらについて深く考えることは、特に重要ではありません。気に留めておくべきことは対戦相手がなにかしらの論理的な理由を持ってその行動を取っているという点です。たとえそのロジックが間違っていたとしても。

では、Fume Spitterと mana Myrの例において対戦相手が何を考えるか、考察してみましょう:

彼がFume Spitterを生贄に捧げないということは、相手がこのトレードを行いたくないということを意味しています。例えば、その後出てくるMyrsmithやEmbersmith、またはそれらと同じくらい脅威となるx/1クリーチャーに対処するためにFume Spitterを温存 したいと考えている場合などです。

もし対戦相手がFume Spitterを未来の脅威のために温存したいならば、彼がアタックしてくる理由はありません。彼のアタックには“俺はこれらクリーチャー同士のトレードを望んでいるんだぜ”という意味が含まれています。もしあなたがブロックしないなら、彼は交換の選択を戦闘後にも保持することができます。しかし、その選択はアタックした際に既に決められているのです。 When they make the active choice to turn the Fume Spitterをレッドゾーンに送るという能動的な選択は、“お前が何をしようとこいつをお前のそれと交換するつもりだぜ”と言っているのと同じなのです。 それに加えて、あなたがブロックしないことは、マイアを生かしたいという意志を明確に表してしまうでしょう。これは彼がマナクリーチャーを殺す更なる理由となります。

しかしながら、人は常に愚かな間違いを犯すものです。既に詰んでいることを失念したり戦闘ステップを飛ばしたり、土地を置き忘れたり。彼らの脳では「短絡」が起きてしまったのです。しかし、土地を置き忘れるとこと、「何か」をするのを忘れることには差異があります。詰んでいることが分からない理由としては、ライフを確認するのを忘れた、または場がかなり複雑である、などがあります。「短絡」がおきるのは、大抵「何かするのを忘れた」場合です。しかし、Fume Spitterで、マナマイアに突っ込む例の場合は、その行動において対戦相手は意識的な決定をしています。クリーチャーをアタックさせるという能動的な決定と、勝つためにアタックしない(または土地をださない、など)という受動的な決定の間にある差異の重要性を過小評価しないでください。

場の複雑さも、この例にはない要素です。この場合の場はとてもシンプルです。自分も相手もそれぞれ1/1を1体コントロールしているだけで、さらにあなたはタップアウトしています。この例には決断に影響する外乱があまりなく、また戦闘での複雑な計算やパンプアップ・スペルの存在等もありません。

人がなにか行動を起こすときは、それをするための理由があります。たとえその理由が100%の正しさがないとしても、理由なしに無作為な行動をとる人などそうそういるものではありません。最も初歩的なFume SpitterとMyrの例においてもです。トレードをしたくないと考えているなら、アタックなどしないでしょう–たとえトレードすることが正解だとしても(相手はマナマイアを過小評価しているかもしれません;マイアなどたいした価値はないと。あなた側のクリーチャがSylvan RangerやMemniteであったとしても、彼らの行動決定の仕方は同じです。わりと最近のスタンダードやリミテッドにおいて、Mogg Fanatic とLlanowar Elvesがいる場で非常に似た思考プロセスが生じていました。)

対戦相手がFume Spitterでアタックしてかつマナマイアとのトレードをよしとしていない場合は、パンプアップ系のスペルを持っているときだけです。しかしこのシチュエーションは相当レアで、その確信を持つためにはかなりの取り繕いが必要になります– それはもっと複雑かつ特別な読みで、“わけの分からないオカルト”に属する話になります。あなたがSpitterをマイアでブロックしないのを正当化するためには、以下の仮定が必要になります:

1 – パンプスペルが相手の手札にあって
2 – 相手はパンプスペルをマイアと交換するつもりがあり
3 –Fume Spitterをその後でてくる何かに使うために、温存しようという結論に達した

2ターン目の段階でこれらを全て検討するなら、どうぞ頑張ってください。

最後に挙げられる、アタックをしてかつトレードを望んでいない別な理由として、対戦相手のプレイがかなり未熟であるという場合があります。リミテッドにおいて、対戦相手のデッキが58枚だったりしたら、彼はまだ戦闘のメカニズムについてまだ不慣れな可能性が高いでしょう。このシチュエーションにおいては、ブロックしないことに十分な価値があります。しかしこれはかなり下の下のプレイヤーです。見知らぬ対戦相手と対峙する場合、私は一定の競技レベルを持っているプレイヤーだと想定して行動します。なので、マイアを殺すつもり無しにアタックしてくる理由が考えられません。

纏めると、あなたがマイアでブロックしないということは、ゲームをライフ19で始めたのと同じだということです。あなたは1点のライフを無償で差し出したのです。あなたの手札の4~5マナのカードに引きずられて“でも、彼がSpitterを生贄に捧げなければ、僕にもまだ挽回するチャンスがある!” と考えてしまうのでしょう。この無用の1点のためにゲームを落とす回数は、マイアがアンタップ状態で次ターンを迎えて勝つ回数よりずっと多いでしょう。なぜなら、対戦相手がマイアを殺すゲームのほうが圧倒的に多いからです。その上、あなたの手札は重いので、ライフ1点分はさらに重要性を増しています。ゲーム序盤によりダメージを与えられる可能性が高いですからね。

対戦相手がミスするよう、引っ掛けるのはゲームの一部です。また、完璧にプレイできる人などいないのですから、あなたの対戦相手はいつでもミスを犯す可能性があります。LSVがプロツアーのスイスラウンドで16-0をしていたときでさえミスがありました。なので、相手のミスをあなたの味方にするためになにかやることは、基本的にはいいことです。

しかしながら、対戦相手がなにを考えているかについても気を配る必要があります。誰かがなにか行動する際には、論理的な理由がそこにあるからです。不完全な決定は、不完全なロジックの帰結です。ロジック無き所に結果は無いのです。相手の”思考のほつれ”から生じる類のミスに頼るようなプレイが勝ちに繋がる様なことはめったにありません。その様な宝くじ的なものを期待してリソース(例えば1点のライフ。手が重いとさらに重要度を増します)を掛ける行為は、それによる勝利よりも多くの敗北に繋がるでしょう。

Yours snap-blockingly,
-Zaiem
zaiemb at gmail dot com
zbeg on Twitter

コメント

ラッチ
2010年11月4日1:13

これは良い記事。
経験や慣れでこういったことができる人は割りと居ると思うのですが、理論的にその行動を判断できている人ってどれだけ居るのだろう。。。

ペンティーノ
2010年11月4日1:49

コメントありがとうございます。訳に自信がなかったので、読んでもらえてると分かると嬉しいです。


漠然と分かっていても纏まった理論として話をするのは難しいですよね。僕もリミテッド等でいろいろ述べたいことがあるけど、断片的すぎて一つの話とするのはちょっとまだ理解が足りてないのかなぁと思うことが多々あります。

nophoto
Yasmin
2012年8月21日14:03

I’m out of leuage here. Too much brain power on display!

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